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ゼロから始める伊賀の米づくり〜新米兼業農家の記録〜

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2020年1月、三重県伊賀市の父の実家の田を継ぐことになった男の米作り1年目からの記録です。京都⇄伊賀の二拠点生活を送っている筆者が、家族の思い、地域の信頼に応えるべく、自然のま…
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2021年10月の記事一覧

ゼロから始める実家の米づくり番外編:稲架がけ(はさがけ)のやり方を学んでみよう🌾

それは、10月初旬のある日。用事があって大阪、四條畷市に立ち寄った時のことでした。国道163号線で伊賀から繋がっており、途中にはお茶で有名な和束町も通ることができます。 閑静な住宅街をぶらぶら歩いていると、ふと、視界が開ける場所に出ました。 「あっ!稲架掛け(はざかけ)をしている!こんなところで!?」 束ねた稲を棒などに架けて約2週間、天日(太陽光線)と自然風によって乾燥させます。この自然乾燥を「稲架掛け」と言います。地方によって、稲掛(いねかけ)、稲架(とうか)など、

ゼロから始める伊賀の米づくり26:秋起こしBefore & After

前回の家の片付けの際、作業を手伝ってくれていた祖父と父の共通の仕事仲間・ピンさんがまた不意の一言。 『もう、一度(田んぼ)耕してやってもええん違うか?畦の草刈りだけして、粗〜く鋤いてやったらええ』 それを聞きつけた母も、 『いつ、耕す?』 と食い気味に詰め寄ってきたので、翌日に急に秋起こしを行うことになりました。 秋起こしは、その名の通り収穫後の秋の時期に一度田んぼを耕すことを言います。 稲刈り後の刈った後の株から伸びてきている蘖や、稲藁を鋤き込み、土に還していく

ゼロから始める伊賀の米づくり25:屋根裏から出てきた骨董品『(仮)米選機・万石通し』

前回のコンバインのメンテナンスからしばらくし、落ち着いた頃。 実家の片付けを再開することにしました。 元々、この実家の米づくりを継ぐことになったのも、昨年父が亡くなったことがきっかけです。 9年前に祖父、昨年に父を亡くすことになり、とにかく日々、やるべきことを進めてきましたが、ようやく落ち着けそうなタイミングがやってきました。 いざ、この祖父の工房も片付けていくことにします。 祖父は大工であり、木材の仕入れ等も行っていたようですが、その名残で多くの木材も残っています

ゼロから始める伊賀の米づくり24:真心込めて、手入れをする

農家の朝は早いとはよく言ったもので、自分も収穫期に合わせて早起きして作業することを続けていると、自然と早寝早起きの習慣が身につきました。 せっかく早起きが続くようになったので、最近は朝起きるとまずは散歩することにしています。 家の田んぼを見守るように佇む神社まで歩いて行き、 その後、田んぼの変化を一通り見て回ってみます。 稲の収穫後、田んぼに残っていた切り株からは新たに新しい芽が育とうとして、黄緑色に染まりつつあります。 空を見上げてみると、うろこ雲。すっかり、秋ら