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ゼロから始める伊賀の米づくり〜新米兼業農家の記録〜

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2020年1月、三重県伊賀市の父の実家の田を継ぐことになった男の米作り1年目からの記録です。京都⇄伊賀の二拠点生活を送っている筆者が、家族の思い、地域の信頼に応えるべく、自然のま…
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2021年8月の記事一覧

ゼロから始める伊賀の米づくり21:自然や、いのちの不確実性とどう折り合うか?

前回の記録からしばらく経ち、いよいよ収穫の時期が近づいてきました。 8月半ばのお盆休み。 毎年この時期になると、稲刈りのための準備も大詰めになってきます。 例年、5月連休に田植えを行い、8月末〜9月上旬に稲刈りを行うため、残すところ後2週間あまり。 このお盆休みのうちに、稲を刈る機械・コンバインの点検と整備、稲を乾燥させる乾燥機と精米機の点検と整備を行います。 昨年、初めて行ったときのおぼろげな記憶を辿りながら、また、分厚くわかりづらい説明書とにらめっこしながら、整備

ゼロから始める伊賀の米づくり20:晴天の田園風景と溝切ライダー

田植えが終わって一ヶ月半ほど。 5月末から突入してしまった梅雨にも負けず、苗も少しずつ着実に成長してきました。 そして6月中旬。 この、梅雨の中頃は中干し前の溝切りの季節です。 中干しとは、田んぼの水を一度すべて抜き、土を渇かすプロセスです。 米づくりにおいて、日本では基本的に水稲栽培……つまり、田んぼに水を張り、そこへ苗を植えていく方法で米を育てています。 そうすると土の中の酸素が不足すると同時に、温室効果ガスのメタンも発生します。 そんな中で、一度田んぼの水を抜

ゼロから始める伊賀の米づくり19:田植えと、これからの協同体、発信する意味

天気予報によれば、今日をおいて他に無いという晴天の元、無事に田植えを始めることができました。 とはいえ、始まりもやや波乱含み。 田んぼの水を堰き止めている畦道がモグラによって穴を開けられており、隣の田んぼに染み出しているのです。 朝からせっせと土を穴に突っ込んで埋め、一仕事を終えてからようやくスタートしました。 今年で田植え機に乗るのは2年目ですが、身体は操作を覚えてくれていたようです。 始めはゆっくり最低速度で田んぼに入り、調子が出てきたら一気に加速します。 ただ