大人になる前の頑張りすぎてしまう君に。

わたしは少し前まで、就労移行支援という福祉の現場で働いていたんだ。

就労移行支援ってしってるかな?
障害を持った方々がお仕事をするために、面接の練習をしたり、模擬職場を体験したり、訓練したりするところ。

それじゃあ、障害ってなんだろう。
体の障害もそう、知的な障害や、精神的な障害も全部含まれてるんだよ。なかでも、最近はどんどん精神的な障害を持った方々が増えてきているんだ。それって、色々あるけど、君たちに一番馴染みがあるのはうつ病なんじゃないかと思う。
たくさんたくさん我慢しすぎて、少しずつ体の方に歪みが出てきてしまって、やっと自分の病気に気付く人がとても多いんだよ。頑張り屋さんや、目標が高い人、真面目な人、あんまり自分の意見を言えない人が、気付くのが遅くなってしまうんだと思う。

だからね、わたしはいつも思ってる。
子供のうちから、「人に助けを求める」方法や、「疲れたらしっかり休む」ことや、もしくは「どうにもならないときは逃げてもいい」っていうことをしっかりしっておくべきなんじゃないかなって。

これは、学校では教えてくれない、すごく大事なこと。学校では前に進む方法しか教えてくれないし、それが正しいことだと言わんばかりで、立ち止まったり、振り向いたり、引き返す方法は誰も教えてくれない。それって、少しひどいことだよね。

でもね、難しいのって、どこまで我慢して、どこから逃げていいのかなってところなんじゃないかなって。

人間の面白いところは、心が限界に達していると、体の方にどんどんサインが出てくるってところなんだ。
たとえば、お腹が痛くなったりするのはみんなも知ってると思うけど、それだけじゃないんだよ。目の前がグラグラして遠近感がよくわからなくなったり、今まで平気だったにおいがダメになったり、音が大きく響く感じになったり、その逆であんまり聞こえなくなったり。その人によって症状も違ってくる。眠れなくなるのもそうだし、過剰に眠くなるのだってある。

普段の自分から体の感じが少しずつ離れるのを感じたら、それはもうすぐに誰かを頼ったり、逃げたり、立ち止まらなくてはいけないサインだってことをよく覚えておいてほしい。

逃げ出すのって、すごく勇気がいることだから、弱いのとはまた違うんだってことも、しっかり知っておかないと。

これを知ってるだけでも、少し体の力が抜けて、目の前にある現実に少しでも風が吹くんじゃないかと思う。

風が吹き始めたら、もう大丈夫。
あなたたちが幸せな毎日を過ごせますように。

#8月31日の夜に #大人になる前のあなたたちに




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