さらっと読める300字小説#3

「太陽の下で」

ちょっと変な人がいた。
炎天下に立ったまま、ずっと動かないのだ。
それを見て私は疑問に思った。
「この暑いのに何やってるんだろう」
このカフェからは、その人がよく見える。周りも気にしているようだ。
「あんな場所で待ち合わせかな」
「何かの罰ゲームかも」
「実は修行だったりして」
外気温は35度、快晴、2時間経過。さすがに心配になった私は、様子を見に行くことにした。
「あの、大丈夫ですか?そんな所で立ってたら熱中症になりますよ」
声をかけてみるが、反応はない。まさか意識を失っているのではと心配になる。
だが、よく見ると、その人の足下にはこんな看板があった。
「僕は人間そっくりな人形です。みんなの反応を知りたくて、ここに立ってるんだ☆」

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