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日本のダイビングシーズン


ダイビングと季節

しんどい暑さが続くので、あれは冷えたな~と記憶に刻まれる海の話。

たしか2月、富山湾でナイトダイビングをしようということになり
友人とともに挑戦した。
その前に、ダイビングは通年できる遊びということをご紹介したい。

ダイビングといえば夏の海、青い海、サンゴ礁がひろがって、、、というイメージが一般的かもしれない。
たしかに夏は新たにダイビングを始める人も多いし、現地も盛り上がっている。
ダイビングのときは、身体の保温や外傷(サンゴや岩場はカッターのようによく切れる)防止のため、専用のスーツを着用する。
大きく分けて
①夏に多いウェットスーツ
②一年中使えるドライスーツ
③ラバー(ゴム)素材のロクハン
がある。
使用できる画像がないが、簡単にご紹介。

①ウェットスーツ

一番価格が手ごろでレンタルも多く、初心者から上級者まで、一番使用人口が多い気がする。
自分も始めたころにまず購入したのは①だった。
夏でも海の中(深度20mとか)に数十分もいると体中が冷やされるので、南国リゾート系ダイビングでなければ生身で潜ることはない。
ただ、傷から身を守るという点では南国でも着用をお勧めする。

②ドライスーツ

頭、手先以外は全て防水仕様になっていて、スーツの中が濡れないので休憩時や終了後がものすごく楽。首や手首がゴム構造になっていて、スーツ自体も防水タイプで中に水が入ってこない仕組み。
真冬でも活躍するので、関東のダイバーに広く親しまれている。
一方関西のダイバーたちに聞くと馴染みが薄くて、夏以外はあまり潜らない傾向があるようだった。
ダイビング文化にも東西があるのも興味深いが、関東は伊豆や房総など通年潜れるポイントが多いことも影響しているのかも。

海の中の季節は地表より2カ月遅れるという。
海は大きいので、水温を1℃変化させるには相当のエネルギーが必要。
つまり、8月の海は6月ごろの気温を反映しているので、実は水温が一番高くなるのは10月ぐらいだったり、
1月の海よりも3月の海のほうが水温が低かったりする。

そしてダイバーが注目するのが透明度。
沖縄など元々透明度の高い海はいつ行っても相当よく見えるのだが、
関東では夏は意外と透明度が良くないことが多い。
最も濁っているのはプランクトンが大量発生する春。
海の栄養なので人間が文句いう筋合いはないが、もはや緑色の世界なので潜っても回遊魚はよく見えない。
モリモリ育っている海藻や岩場の小さな生き物を探すことが多いと思う。

夏になってもまだ濁りは全て流れ去ってはおらず、
またダイバーが多ければそれだけ水中の砂がかき混ぜられるのもあり
関東ではまあそこそこ、という具合の透明度。
この時期に②を着ると熱中症になりうる(スーツ内は通気性ゼロ)ので、多くは①で過ごす。

その後秋~冬になって水温も下がっていき、
潮で海中がいい感じにクリアになっていく。
そのため関東ではドライスーツを着用した秋冬がある意味ベストシーズンだと思う。

ロクハン

ラバー(ゴム)製のため黒色しかないオーダーメイドが中心のスーツ。
サーフィンのスーツと見た目が似ている。
身体にピッタリフィットさせることで生地と体の間の水の移動を極力減らし、濡れはするけど保温性がとても高い。
ウェットスーツより使える季節が広がる。
なんなら真冬もロクハンで潜るひともいる。

ドライスーツよりも断然動きやすい一方、ちょっと傷がついたりすると
そこから一気に裂けておじゃんにしてしまうリスクがある。
ベテランダイバー、インストラクターが愛用している印象。
上下つなぎだったり、セパレートにしてファスナーつけたり、
着やすくアレンジできるのも魅力。
初めて購入して着用したときは、なんか玄人になった気がする、、、!
と勝手にドキドキしたものだった。

伊豆の海
岩のすき間に大量のネンブツダイ(魚)

真冬の富山でナイトダイビング

というわけで、冬でもダイビングをするのは全然アリ。
ただ、時化ていたりと海況で潜れないこともあるのでそこは運。

通常ダイビングは潜ってよい時間というのが決まっている。
(もちろん場所自体も潜っていい場所というのがある)

漁協と調整して、ダイバーと漁船が接触しないよう取り決めされていることも多く、多くは午前~午後の早い時間で終了。
夜に潜れる場所は日本中でもかなり少数派だが、それだけに個性が光っているともいえる。

富山湾は岸からちょっと沖に出ると一気に深くなることで有名。
深海から上がってくる白エビ、ホタルイカあたりが名物である。
それは海中で見られる生物も他所とちょっと違っていて、
特に夜にみられる生き物は結構変わったものが多い。
というかエイリアンみたいなものが多い。

関東からすると特殊ダイビングのひとつで面白そうだったので、
わざわざ真冬に富山湾に潜りに出て行ったのであった。

つづく

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