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そこに、いた証明。

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記憶に残る、大切な人たちとの瞬間を切り取ったもの。
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#言葉

その手はもう、しばらくつながなくていいだろう。

娘の部屋に、もう何ヶ月も置いてある大きな箱があります。 それはそれは大きな箱で、身体の小さい私が体育座りして楽に入れるほど。 届いた時はびっくりしたけれど、すっかり部屋の一部と化していて違和感がなくなっています。 今日、ふとその箱を見て思い出しました。 あと2ヶ月もしたら、彼女が二十歳を迎えることを。 それに気づいた私は、自分の中に何かを感じていました。 数時間後、二人で出た散歩の途中、私は、まるで子供みたいに彼女を困らせました。彼女が涙が止まらなくなるまで困らせました

優しい言葉が欲しくて。

志村けんさんが亡くなったニュースは、すごくショックだった。 正直、芸能人が亡くなったニュースで、こんなに泣いたのは初めてだった。 子供の頃から知っていたし、出演番組ももちろん観ていた。けれど、特別ファンだということもなく、欠かさず観ていたというわけでもない。 何故こんなに涙が出るんだろう・・・。 そう思いながら、Twitterを目で追う。 そして、次々と同じようなツイートが表示される。やっぱり事実なのだ。デマではなかった。 長く病気を患っていたなら、すんなり納得できた

「助けて」と言える勇気が救うもの。

子供という存在は、可愛いが憎たらしい。そう思わないか? 寝顔を見れば天使だけれど、昼間の癇癪を目の当たりにすれば、悪魔そのものだ。 キレイ事ではないのだ。 相談できる親もいない。夫に相談すれば、「保育園は働いている人しか子どもを預けられないよ」と、視点の合わない返事。 夏の暑さ。繰り返される癇癪を前に、叩くだけではおさまらず、足蹴にした。そして、私は泣き崩れた。 子供が泣く時、思い切り泣く時、その姿をみる時、 「そんな風に泣けるなんて、うらやましいな」と私は思う。 大