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翻訳者のつぶやき  何で私が『消える人々』を...

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「臓器収奪ー消える人々」はとてもヘビーな一冊なので、翻訳者のつぶやきを通して逸話や情報をお届けして、ゆとりのある空間をお作りできれば、とブログをはじめました。短い文章を頻繁に出し…
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#迫害

翻訳者のつぶやき なんで私が『消える人々』を...その26

2002年3月、長春のテレビが一斉に法輪功の映像を流し始めた…。今回は、第七章の「電波ジャック」に関して。 箱の外【死者への敬意】 初めてガットマンに会って、The Slaughterの日本語版に取り組むことを申し出たとき、まず第七章を翻訳して出版社にもっていけば、とアドバイスされた。 第七章は独立した記事として、『臓器収奪ー消える人々』の原著 The Slaughterが2014年に刊行されるかなり前に調査記事として発表され、優れた記事として受賞している。ガットマンの

翻訳者のつぶやき なんで私が『臓器収奪ー消える人々』を... その13

なぜ法輪功を警戒してしまうのか?今回はこの点を考察してみました。 (...実に物騒な書籍の翻訳者になってしまいました。その経緯と本書の内容に関わる逸話や情報をお伝えできればと、ブログを書いています。) (13)警戒心『臓器収奪ー消える人々』では、第二章から、法輪功の始まり、中国共産党との対立、迫害、非暴力の抵抗が綴られていく。 日本では法輪功を課題にした客観的な論文というのは、私の知る限りでは、存在しない。英語圏に比べて客観的な情報が十分にない中で、生々しい拷問の写真が、

翻訳者のつぶやき なんで私が『臓器収奪ー消える人々』を... その12

今回は、第二章から始まる法輪功についてです。 (...実に物騒な書籍の翻訳者になってしまいました。その経緯と本書の内容に関わる逸話や情報をお伝えできればと、ブログを書いています。) (12)平穏な王国 【法輪功】 臓器収奪の第一章でウイグルのひどい話を読んだ後、第二章では舞台がいきなり、1992年の中国・長春となる。法輪功の始まりが記述されている。 ガットマンは1999年7月の法輪功迫害が始まった時、現場に居合わせていた。中国共産党政権と法輪功との対立を掘り下げなけれ