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西洋医学の門を閉ざさないで

わたしは医師なので、バリバリの西洋医学、バリバリの科学の世界で働いています。

なので、SNSやその他界隈でのアンチ西洋医学の発信には、正直危機感を感じています。

これは、あくまでわたしが信じる正義のお話し。わたしが思う、西洋医学との付き合い方について書いていきます。

✳︎

わかりやすく、がんを例にとってみます。

みなさんは、がんになったらどうしますか?
きっと、がんを治せる方法を探すことでしょう。

西洋医学では、これまで何十年とかけて培われたエビデンスを元に、治療法のガイドラインが定められています。
手術、抗がん剤、放射線治療などの組み合わせですね。

がん治療に限らず、様々な疾患・病気に対して、有効とされる投薬や治療がある程度確立されています。

そこまで極端な人は少ないかもしれませんが、

薬はよくない!
医療に頼らず自分の力で治す!
新しい!ここだけの画期的な治療法!

といった類いのことを信じている人を見ると、正直「むむむ…」と思うのです。

西洋医学は、確率論でいけば、治療として高い確率で有効な方法を選択しています。なぜなら統計、科学だから。

例えば

「この聖水を飲んでがんが治りました!」
「あの先生の気功で余命半年から奇跡の生還!」

とか、こういう事例があることも事実かと思いますが、超少数の人に当てはまる事例を「自分にも!」と信じてしまうのは危険ではないか、と思うのです。

同じがんの人が100人いたとして、西洋医学と聖水を50人ずつが選択したら、西洋医学の治療を受けた人の方がアウトカム(治療成績)が良いと思うのです。

(もし、有効な聖水や気功、金の延べ棒をご存知であれば教えて下さい)

「西洋医学こそ全て!!!」
「その他の治療法は意味なし!!!」

と言いたいのではありません。

わたしが伝えたいのは
「選択肢として西洋医学を完全拒絶しないでほしい」
ということ。

色んな選択肢を検討した上で、自分の信じるものを選べばいい。

その候補の一つとして、西洋医学の治療を検討してほしい、と思っています。

✳︎

ある男の子の肝移植の手術麻酔を担当した時のこと。
たしか2歳の子だったと記憶しています。

その子のご両親が「輸血NG」の宗教の方で、手術時に輸血をしないでほしいという要望があると聞きました。

えぇぇぇぇぇぇぇーーー!!!
まーーじーーでーーーー!!!
無理ぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!

というのが、当時のわたしの心境。笑

うまく伝えるのが難しいのですが、肝移植って、それはそれは複雑だし長時間だし体の負担も尋常じゃないしわんさか出血するし、輸血するのが当たり前、という手術なのです。

輸血をしないでほしい、というのは、必殺技なしにラスボスと闘うようなもの。

輸血をすれば救えるものが、救えないかもしれない…

なにより、そんな危険な闘いに挑むのが、判断力のある大人ではなく、「2歳の子ども」だということに、なんともいたたまれない気持ちになっていました。

輸血をしないという選択肢が、この子の命に悪影響を及ぼしたら、それはご両親の責任なのではないか??

ご両親にとっては「信条に従い輸血をしない」ことの方が「子どもの治療確率を上げる」ことよりも優先するのか??

そんなことを悶々と考えながら、この手術を担当することにめちゃくちゃ憂鬱な気分でいたのを覚えています。

(ちなみにこの子の場合は、紆余曲折あって輸血OKになり、手術は無事に終わりました。もちろん輸血しています)

✳︎

がん治療の話、輸血の話を例にとってみましたが

「様々な選択肢を比較検討すること」
「その上で、自分の信じるものや優先したいことを鑑みて治療を選択すること」


これをぜひやって頂きたいと思っています。

その際は、選択肢として西洋医学もご検討ください。

がんになった時、最初から西洋医学の門を閉ざして

「この聖水と、あの金の延べ棒どっちがいいかな?」
とするのではなく、

「病院で標準治療の説明を聞いて、あとなんか気になってる聖水と薬草の説明を聞いて決めようかな?」

と思ってほしいのです。

無知は罪です。

自分の健康、そしてお子さん等の健康に、後悔のない選択をみなさんにしてほしいと願っています。


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