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言葉のちから

 世界が新型ウイルスの脅威にさらされはじめてから、もう半年くらいが過ぎてしまった。いまだに終息の気配は見えずに第二波が懸念されるばかりで、たまにテレビを見れば連日同じような報道が繰り返されている。思えば今年は花粉や黄砂の飛散予想などはほとんど聞かれなかった、ような気がする。

 多くネガティブな影響が出ている中、なんとか深刻な事態を免れている……とは言っても、どこへ行くにもマスクが必要で、他の人との距離をできるだけ常に保ちながら、それでも県外ナンバーをほんの少しだけ警戒する日々、というのは、それ以前と比べれば窮屈には違いない。

 この窮屈な日常でのストレスの多寡というか、受け方感じ方は本当に人それぞれである事と思う。外出しづらくなって発散の手段に不自由しているとか、先行きに対する不安とか……。色んな可能性を考え出すと、少し苦しい。

 ただ、そんな災禍の中にあっても……鬱憤やイライラがつのったとしても、目の前の、名前も知らないような誰かに、ごく些細なきっかけで必要以上に攻撃的になったり、やり場のない怒りをぶつけたり、なんてことは、しないように、心掛けたい。
 言葉には力がある。ただのひと言で心を深く傷つけることができ、ちゃんと癒すことができ、誰かの人生が変わるきっかけにもなり得るものだ。今のこの状況で、誰もが不満や恐怖を抱えている、と思う。自分の不満を声高に主張するよりは……いったん、気持ちを落ち着けて、目の前で、同じように懸命に頑張っている誰かに、労りの言葉をかけることができたら。
 情けは人の為ならず、なんて言うように、自分にもどこかでやさしい言葉が帰ってくるんじゃないかと、言葉ひとつ、心遣いひとつからでもできる支え合いがあると、思う。

 先日の杉岡さんの記事を読んで、そんな事を考えていた。


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