ハナミズキ、花見ズ木
冬があけて、春がはじまった。
ハクモクレンが咲いた。
ハクモクレンが散るころに、桜が咲いた。
桜が散るころに、ハナミズキが咲いた。
街で自転車を走らせながら
そんな春のグラデーションにうっとりしていた。
スーパーの帰り道、なんとなく
ハナミズキの写真が撮りたくなって
自転車をとめた。
背の高いその木に向かって、腕を伸ばしてみる。
ふんぬ。ふんぬ。
花の裏っかわしか写らない。
これもかわいいか。
とおもって画面いっぱいに
ハナミズキの裏っかわが写った写真を
フォルダにいれた。
またべつの日、街でハナミズキを見る。
ハナミズキって変な名前だなあ。
鼻水?
ぼんやりそんなことを考えながら
この前撮った写真をおもいだす。
もしかして、花が見えないから「花見ズ木」
で「ハナミズキ」というのかもしれない!
じぶんの力でこの世界の真実に
たどりついたきがして、うれしくなった。
◎
さっき、制作の合間にハナミズキの由来を調べた。
" ハナミズキは、ミズキ科の中でもひときわ鮮やかな花を咲かせることから、頭に「花」を付けて「花水木」と付けられています。 "
ほう、「花見ズ木」で「ハナミズキ」は
わたしの勘違い。
だけれど、知らないからこそ
空想して、勘違いができる。
知らないってたのしい。
これからも、いっぱい勘違いをしていきたいなあ。
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