パラレルワールドの彼女
昨夜は友人と久しぶりの晩御飯。
もんじゃ焼きを食べに行きました。
その友人は不思議な人で
パラレルワールドのような人、
似てないのに似ている。
私のパラレルさんです。
何が似てるって、
人生の波が似ている。
そんなに普段連絡を取ることもなく
頻繁に会うわけでもないのですが
「こんな目に遭ったのは世界中で私だけだろう」
と、落ち込んだ時に会うと、
彼女も同じような困難を抱えていたり
「やっと抜けた、長いトンネルだった」
と思って会うと同じ時期に
彼女もトンネルを抜けていたりする。
興味を持つテーマが似ている。
会う度、なぜか服装が被る。
初めはお互いちょっと怖いくらいで
「ちょっとずつ、近づこう」みたいな話を
20代の頃に2人でした記憶があります。
もう10年以上の付き合い。
なにかターニングポイントのところで
惑星の軌道が重なるように、
とてつもない引力で
引き合う時がこれまで何度かあったのでした。
それでその時感じたことや気づいたことを
話し合うんだけど
「創作とは」
「今作ってる曲のメッセージについて」
「この世界の仕組みとは」
「目には見えないものについて発見したこと」
などなど、カフェで隣の人が話しているのが聞こえたら
思わずドン引きしてしまうくらい
熱心に語りつくすのです。
集合してから、気づくと7時間が経過していたりする。
昨日何を話したのかということはさておいて、
駅で待ち合わせした時のこと。
会う前日の夜、何を着て行こうか考えながら
私にはなぜか見えていた。
「多分、彼女はおんなじ感じの、
赤のチェック柄のマフラーをしてくるであろう。
そして、黒のコートに革のバッグ。
で、花を二輪と手土産を一つ。
多分明日はそんな感じ。」と
そんなに頻繁に会うわけではないんだけど、
なんとなく、どんな姿で現れるかが
わかってしまう不思議。
なぜ見えるんだ・・・。やめてくれ・・・。
で、だいたいどんなコーディネートをしても
おなじような色と素材の服を選んでしまうのは
もういつものことなので、
これで双子コーデみたいになっても
あたしゃ驚きゃしませんぜ、と思ってた。
(これが、意表をついてカラフルな服で行ってみよう!
と思っても、それが全く同じに被ったりするから
もう抵抗できないのだけど)
でも、今回もまたささやかな抵抗をしてみることに。
あまのじゃく。チャレンジ!
いや、花を二輪と手土産ひとつ、は、
多分被るであろうから、
だって、なんかそれって小っ恥ずかしいから。
私の中2男子みたいな感覚が疼いて、
そこは外しとこうということにした。
そして、最後に、白い帽子を頭にのせて
出かけたのでした。
駅の改札で待ち合わせしていると
遠くから、赤いタータンチェックのマフラーに
黒いコートに黒の革靴、黒の革の鞄を
斜めにかけ、可愛らしいチューリップを二輪と
小さな紙袋をもった同じぐらいの背の女性が
目の前に現れ、思わず駆け寄って、
抱きしめてみた。
同じような服装の女が二人抱き合っている。
恥ずかしい気持ちと嬉しい気持ち。
「つながってるねー。」
お互いを見て、ひとしきり笑った後、
「もう、驚かないよね」と言い合ったのでした。
で、私はそのあと、打ち明けてみたのです。
「私、ちょっとささやかな抵抗を試みまして
服は大体もう抵抗しようがないので
花を二輪、ちいさな手土産ひとつを
あえて、外してみました。
でも、そこも同じだったら
コンプリートで面白かったのになって
今更思ったんだ」と言うと
彼女は
「そこも同じだったんだー。最高。わたしも、
ちょっといたずら心で、白い帽子は抜いたんだ」
どっちみち、服も
いたずら心で外したポイントも全部被っていたと・・・。
パラレルワールドのしくみのほうが、
私のささやかな抵抗なんかよりも一枚上手でした。
やっぱり花も手土産も持って行けばよかった。笑
次は抵抗せずに素直になってみよう。