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創作エッセイ

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虚構が現実かは読者に委ねます。
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記事一覧

爪先まで寒いよ

 心臓が痛いな、と、おもいます。  今日は、泣きながらカレーを作って、お米を炊いたらべち…

夜、電灯は虹色に輝く

眼鏡を新調した。 元々、あまり眼鏡の似合う顔ではないので、よい形や大きさのものに出会える…

花も買えない生活なんて

10月に入ってから、初めてお花屋さんに行った。うすピンクのガーベラが並ぶ中に、ひとつだけ…

また一つ歳をとる、私、一輪の薔薇

二〇一九年八月六日、わたしはまた一つ歳をとった。 酷い目眩に苛まれながら日を跨ぎ、お祝…

結局孤独が向いているのだ

 結局わたしには、孤独が向いているのだ、と、ここ数日で実感している。  ゴールデンウィー…

わたしはわたしを捨てられないから

 春の桜の甘い匂いが、鼻をかすめた気がした。  もう季節は春で、あまりにも春で、桜は散っ…

喧嘩上等、上等な人生

 上等な人生ってなんだろう、と思いながら、わたしはこのトンネルをくぐった。くぐった先には謎の公園みたいなスペースがあって、子供が二人、キャッキャとはしゃいでいた。わたしの横を、某塾のリュックをしょった少年が自転車で通り抜けてゆく。  そこにあるのは、わたしにはもう届かない、まぶしい、彼らの人生だった。  わたしは、最近とても疲れていて、今日も朝からぐるぐるとずっと同じことを考えていた。  僕には資産がある。君は家事をしなくていいし、仕事もしなくていいし、生活費の心配もしなく