台湾おばちゃんのお汁粉

8月26日

台北のホテルの慣れないベット上で、若干寝違えた首、強張った背中にうんざりしていると、外から声が聞こえてきた。カーテンの隙間から向こうを覗くと、通り挟んだ所の公園で、木立の下で何やら物陰が動いている。

私は身支度を済ませ公園へと繰り出した。

そこでは老人たちが10人ほど集まり、朝の体操をしていた。中国の老人たちが太極拳などを広場で行っている写真を見たことがあったが、台湾でも同じような慣習があるようだ。

ベンチに腰掛け、昨日買っていたおにぎりを食べながら、それを眺めていた。

体操はとてもシンプルなもので、私でもすぐ真似できるものばかりだった。身体の都合でできないものは、やらなかったり、木を支えにしたり、おおらかな雰囲気だった。

体操を終えると、1人のおばさんがジャーと紙コップを取り出し、その仲間たちに何かをふるまい出した。みんなにこやかにおしゃべりをしている。すると1人のおじいさんが私の方にやってきて、その紙コップを渡してくれた。

それは芋の餅が入ったお汁粉で、どくどくと喉に流し込むと、血糖があがり身体が起きていくのを感じた。健やかに体を動かし、朗らかに笑う人たちの仲間になれた気がして、コンビニのおにぎりよりも力がわいた。

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