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竹を知る台湾旅②青竹竹芸文化園に行く

台中から高速に乗って15分程度、その後「竹山」で高速を降り、田舎道を進み、細い山道を登って到着したのは、【青竹竹芸文化園】。

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竹山地域に根付く竹の生態保護と地方産業、そして教育をかね合わせた教育系テーマパーク、のような感じ。園内は緑に溢れて美しく、その中には100種を越える竹があるという。そして、その解説がものすごくおもしろい。そして質問にも1つ1つとても丁寧に答えてくれる。
竹の原産やそれぞれの用途、そしてこの場所にどういう経緯で運ばれ、育てられたのかまでを教えてくれる。成長が早く育てやすい竹だからこそ、太いものは船や屋根に、細いものは建具や家具にと、その特徴ごとに用途を選んで使うことができる。

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実の成る竹があることも初めて知った。しかも、48年に1度の周期で花が咲くのだという。私は英語に通訳してもらって聞いているので、きっと教えてくれたことの30%ぐらいしかわからなかったと思う。台湾語を知っていたら、きっともっともっといろんなことが学べただろうに、本当にとても残念。

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もともと竹山という地名は、日本統治時代にこの地域が豊富な竹の産地であることにちなんで、林圮埔という地名から「竹山」に改称された歴史がある。木炭生産は古くからあれど、台湾での竹炭作りの歴史は意外と浅く、2000年代になってから。日本から専門家を招いて竹炭技術を学び、新しい産業になった。竹炭は今や、防臭剤や食材の一部、水の濾過装置だけでなく、繊維、洗剤、そして医療分野の人工透析と、その領域は広がっているという。
竹炭ができる過程で、竹から蒸発してできた水は蚊除けの薬代わりになるという。どこまでも竹って合理的。それとも、人の暮らしと竹がとても相性が良いというべきか。スプレーで吹きかけてもらうと、燻された香りがほのかにして、それはちょっと、ベーコンのような、食欲を誘う香りだった。

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園の中には宿泊施設もあり、食事をすることもできる。そしてここには、泊まり込みで竹の自転車をつくる、という2泊3日の宿泊コースがある。自転車だけ販売する、ということはしない。どうしてか聞くと「壊れた時に自分で直せなかったら困るでしょう。だから自分で全部つくれるようになってもらうんだ」といわれて、ものすごく腹落ちした。

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すべての家具が、この山の中の木と竹で作られたダイニングルームは圧巻で、お昼にいただいた定食は、すばらしいごちそうだった。炭を燃料にして調理された、新鮮な野菜のおかずに、竹のおこわ、竹のスープ、竹炭入りの豆腐デザート。

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台湾の中での竹の歴史と、生活の中でどう関わってきたのかを学んだ。次は実際に加工という過程の最初の入り口に連れて行ってくれるという。
そういえば、この文化園の中で、人生で一番大きなカタツムリを見つけた。

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こんなに大きくて、なんだかちょっとおいしそうなんじゃないか、という気さえしてきた。
※追記:twitterで、Kinaさんに教えていただきました!このカタツムリは、もしかしたら「アフリカマイマイ」かもしれず、それは寄生虫の中間宿主として有名で、素手で触るのはとても危険で、触っちゃダメだそう!知らなかった……。

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