見出し画像

「畳で日本を元気にする!」 福岡県住みます芸人 畳屋ラッパー Mc Tatami さん

吉本興業(福岡よしもと)所属。畳業界を盛り上げる活動をする異色のアー ティスト!そして実は福岡県朝倉市で100年以上続く徳田畳襖店の4代目後継者でもあるんです。平日は畳屋!週末はラッパー!そんな Mc Tatami さんにお話を伺いました。


【Mc Tatamiこと徳田直弘さん Profile】

出身地:福岡県朝倉市
活動地域:世界
経歴:2013 年より徳田畳襖店の4代目後継者として修行中。
現在の職業及び活動:畳屋ラッパー&畳職人
座右の銘:出会いに感謝


畳で日本を元気にする!
Q1.どのような夢やビジョンをお持ちですか?

Mc Tatami:「畳で日本を元気 にする!」と常に言っています。
「畳×ラップ」を 1 番メインでやっているんですが、畳を使っていろんな人たちを幸せにしたいです!  
畳業界は、イグサ生産農家・畳おもて製織者・畳店・材料問屋・畳縁製造... といろいろあるので、全部ひっくるめてもっと元気にしたいです。
畳屋ラッパーとして、聴いてくださったお客様に元気を与えられるような人になりたいという思いがずっとビジョンとしてあります。

記者:ラップを聴かせて頂きましたが「♫俺は畳屋生まれ フローリング育ち ...♫」と仰られていましたね。畳屋でフローリング育ち、(笑)

Mc Tatami:そうなんです笑。逆にフローリング育ちだったからこそ畳の良さに気づけたと思うし、年々畳の需要が減っている現状があるので、体験談を語り畳の良さを見直してもらいたいという気持ちがあります。
間違いなく畳がないと日本人生きていけないと思っています。
 畳の勉強をずっとしていて、最近「畳アンバサダー」に認定されました! 実は昔から畳と赤ちゃんや子どもの関係性が密接にあり、それが人間の体 をつくっているんです。
1つ例を挙げると、畳は目は凸凹しているじゃないですか?それが赤ちゃんの手にしっかりと絡み滑りにくく、体を支えることができます。
実は自然に体幹トレーニングを行なっているんです。体幹が鍛えられることによってハイハイが速くなり運動機能や身体の機能がしっかりしていくという専門家(山野 井先生)の実証結果も出ています。その基盤があって小学生や中学生につれて足が速くなったり、ちょっと躓いても脱臼しない丈夫な体づくりに繋がっているんです。
 赤ちゃんの指先は本当に繊細なので畳の凸凹に常に触れることで脳に刺激を与え活性化し、0~3歳くらいまでにしっかりと畳の上でトレーニングす ることで五感を鍛えることができるのです。

記者:良いことだらけですね。 最近、子どもたちの低体温や運動機能が低下しているとよく聞くのですが、フローリング育ちと関係しているんですかね?

Mc Tatami:関係しています。 日本人の体をつくるのはやっぱり畳だと思っています。そういう意味でも畳を広げ日本を元気にしていきたいです!

画像1


『九州畳万博』を博多駅前で開催したい!
Q2.その夢やビジョンを具現化するためにどんな目標や計画を立てています か?

Mc Tatami:毎年一言で言える目標を掲げていて、2019 年は「変化」と決めました。 
「変化をさせる!」という年に、何にお金を使うか...「お金の使い方」を考える中で、5 年ほど前から食用イグサを使ったものを何か作りたい!という想いをずっと持っていたので、今年はそれにお金をかけよう!と考えていました。
そんなある日、「あなたの才能に100万あげます!もし、あなたが優勝したら何の活動費にあてますか?」というテーマでパフォーマンスとプレゼンをする、福岡よしもと主催の九州BIGエンタメオーディションを知りました。
 「面白いやん!」と思い、すぐにエントリーしました。 九州はイグサの産地なのでそれを生かしたイベント「九州畳万博」を博多駅前で開催したい!という想いをプレゼンしたんです。
 その中でマルシェの人たちに、食用イグサを使ったカレーやパスタ、チョコやクッキー、お茶などを出してもらい、お客様が座るところも、ステージ上も畳を敷いて、そのほかには畳の手縫い体験ブースなど、やりたいことを算出したら賞金の100万円の中では収まらないので、スポンサー枠をつけてやりたい!とプレゼンしました。
結果として、そこでは優勝者は出なかったのですが、「その代わり違う形で支援をしたい人が1組います!」と言う発表があり、有難いことにMc Tatami の名前を挙げていただきました。
その後、吉本興業(株)様と話すチャンスを得ました。今後の展開や畳に対する想いを話していく中で、畳業界全体の社会問題を一緒に解決できると 思い、ビジネスパートナーシップを組ませてもらってスタートを切りました。 お互いのできることを上手くマッチングさせ、小さなことからコツコツ積み重ねていき目標としては2〜3 年後には、「九州畳万博」を開催したいなと思っています。今年は目標計画であった「変化」「食用い草を使ったものの商品化」に集中して動いています!

記者:畳業界全体の抱えている社会問題を解決していくということですが、とってもクリエイティブで楽しそうですね!

Mc Tatami:ありがとうございます!100 年以上続く畳屋で新しいことを取り入れるノウハウもなかったので、普通の畳屋ではなく誰もやっていないようなことをずっと考えていました。
2012年に歌う畳屋になると決意し、2013年4月から歌う畳屋になった時から、クリエイティブで楽しいことを常に取り入れてやりたいと思ってきました。 これから始まるプロジェクトも楽しくやっていこうと思います。

未来に生きるお金を使いたい!
Q3.その目標や計画に対してどのような基本活動をされていますか? または大切にしていることは何ですか?

Mc Tatami:100年以上続く畳屋の4代目としての仕事と、福岡県住みます 芸人の畳屋ラッパーMc Tatamiとしての活動をしています。 
住みます芸人は全国47都道府県にいて、もともと地方創生のために 2011年に始まったプロジェクトでした。 活動にあたって少子高齢化や後継者不足などの様々な社会課題と直面し、そんな時にノーベル平和賞を受賞した経済学者のムハマド・ユヌス博士と吉本興業(株)が2018年に手を組んで、SDGsソーシャルビジネスで社会課題を解決する「ユヌス・よしもとソーシャルアクション株式会(yySA)」が設立されました。
その中の取り組み事業として「福岡県住みます芸人の畳屋ラッパーMc Tatami」が「yySA」と手を組んで熊本県産の食用イグサを使用した「畳あめ」を商品化。
SDGsは持続可能でないとならないので、まずは少額で出来る畳あめを販売し、利益を上げたら次の事業に回して社会循環を起こし、社会課題の解決に向けて小さな事からコツコツとやっていきたいと思っています。

画像2

個人として大切にしていることは、普段からお金の使い方を考えています。 お金がいっぱいあればいいですが、自分が出来る範囲で無いなりの考え方があるのでお金の使い方は気をつけています。 例えばホテルに泊まる時も、普通のホテルに泊まったら8千円くらいしますが、どこでも寝れる特技があるのでネットカフェや 2千円位のカプセルホテルに泊まり差額の6千円を貯めていき、畳が使われている最高峰のホテルに泊まるんです。
去年は東京大手町にある「星のや東京」に泊まりました。1泊10万円くらいするんですが、玄関から畳、エレベーターも畳、廊下も部屋もロビーもすべて畳なんです。 どんな所にどんな畳を使っているのか、畳の厚さや手入れを見たり、最高のおもてなしを受けたり、そこから「人間力」「仕事姿勢」「畳をどう伝えるか」などを感じてインプットしています。
2018年に、友達に誘われてフランスに9日間行きました。ヨーロッパは行ったことはありませんでしたが「畳を世界に持っていきたい!」という想いがあるので、経済産業省が管轄している日本の工芸品などを取り扱うショップを知人のジャーナリストに繋いでいただき、パリ在住のデザイナーとも話す機会を得ました。ショップオーナーに通訳に入ってもらいながら、畳のPRなど、デザインについて1日学びました。
そして、朝倉と畳を盛り上げたい想いがあるので、フランスでの地方も見てみたく、ワインで有名な地域のブドウ畑やワイナリーも見に行き、現地のレストランシェフに地域の特性を生かしたものをどういう想いや考えで使っているのかを聞いたりしました。 お金はかかりましたが、そこに投資するだけの価値はありました。
未来に生きるお金を使いたいので、基本的に常に学ぶ姿勢でお金の使い方を考えています。

記者:一貫して畳業界と朝倉という地域を盛り上げたいという中心軸の元にお金の使い方を考えられていらっしゃるんですね。

Mc Tatami:そうです。そしてもう1つ、畳業界の弱点はPRが弱いところです。これからいろんなメディアで発信し、自分のところだけが儲かることが目的ではないので、畳を広げ日本全国の畳業界を盛り上げ、世界にも広げたいと思っています。

人のためにも世の中のためもなる!
Q4.夢やビジョンを持つようになったきっかけや発見は何ですか?

Mc Tatami:もともと畳屋を継ぐ気は無かったです。不動産のテナントや賃貸 マンションを見ると洋室ばかりで和室は20あるうちの1つくらいで廃れていっているのがわかりましたし、スマホなども出て時代がどんどん変わっていたので、伝統よりも最先端のものが安泰だろうと思い、一部上場の半導体関連メーカーに就職したんですが、ちょうどリーマンショックで時間は削られ給料も安くバイトしていた方が良いのでは?と思うほどの初任給でした。
働いても好きなものも買えずに、社会の厳しい波を感じ会社を辞める決断をしました。
悔いのない生き方がしたい!挑戦して生きたい!と思い、それから派遣で入れる時給のいい仕事をしてお金を貯め、前々から行きたかったボーカルスクールにバイトしながら通いました。 ライブ活動やオーディションを受けていたのですが、それもなかなかうまくいかず「何もできてない!なんで俺は音楽をやっているんだろう?」と思ってい た時に、普段からお世話になっているボーカルスクールの先生に小さな畳の敷物を感謝の気持ちとしてプレゼントしたんです。
なんで畳を持っているのかと聞かれ、畳屋の4代目である事を話すと「何で畳屋にならないの?これから高齢化社会になってくるから、みんな畳を求めるようになるし、日本文化が見直され畳の時代が来るよ」と言われました。
そして「畳の歌を作りなさい!」と助言を頂き、1曲、作ってみようと思い、畳の歌「愛され畳」を制作しました。 そこからいい事がどんどん巡ってきて、「100 年続く畳屋の4 代目です。」と オーディションでは言い続け、畳の歌をライブで歌ってみると、すごく反応がよく、畳の歌でも人を喜ばせることができるのなら、人のためにも世の中のためもなるな!と思い「俺は歌う畳屋になって、畳を広げ畳業界を盛り上げ る人なるぞ!」と決心したんです。

記者:先生の一言からはじまり、畳の歌で人を幸せにできる道が見えたんですね!

画像3


根っからの恥ずかしがり屋。
Q5.そのきっかけや発見にはどのような背景がありますか?

Mc Tatami:子どもの頃から畳は常日頃から身近にある空気みたいな存在でした。
2代目の祖父も3代目の父も「別に畳は継がなくてもいい。人に迷惑をかけなければなんでも自由に好きなことをやっていい」と言う人で、自由な発想の中で生まれ育ちました。
ですが音楽に対してだけは反対され、やってもないことを出来ないと否定されるのが嫌で、やりたいことをやるお金は全部自分で稼いだお金でやろうと思いやってきました。

記者:なぜ、なんでも自由にやっていいというお祖父様やお父様は音楽には反対されたんですか?

Mc Tatami:それは自分は根っからの恥ずかしがり屋で保育園では先生の横に隠れるような存在だったからだと思います。
今でも会議室とかで1人ずつ自己紹介とかあるとドキドキして嫌ですね笑。
 そういう性格を知っているから辞めた方がいいんじゃないかと反対したのだと思います。
だけど自分はずっと芸能の道をやりたかったんです。小学4年生の時に天神のイムズ前から福岡天神駅を見た時に、ステージから大勢の人を見ている感じがして「俺は有名になりたい!有名になって見ている人を幸せにしたい!そのためには芸能が必要だ!」と思ったんです。そんなに人前に出る方じゃないし喋る方じゃないので想いを内に秘めつつも「俺はいつか有名になる」ということを常に姉には言っていました。笑
そんな思いを持ち続けながら高校2年の時に「福岡レゲエ魂」というフェスで福岡や九州各地出身のアーティストが地元の歌を歌っている姿を見て「こういう大人になりたい!」と思い、そこから音楽を始めました。
 今でも性格の根っこは、恥ずかしがり屋なので自分から声をかけたりは得意ではありませんが、畳と書いた帽子を被ったり畳のネクタイすることで向こうから声をかけてもらえたりするので、それも全部恥ずかしがり屋からきているのかなと思います。笑
今では「畳屋ラッパー」という最強の武器を手に入れたと思っています。

記者:とてもインパクトがあって一回見たら忘れないですよね!笑
恥ずかしがり屋も上手く活かされていて、さすがですね!

**********************

畳屋ラッパー Mc Tatami さんに関する情報はこちら
↓↓↓↓↓

home page
https://www.tatamisinger.com/

Instagram
@tatamikun

Facebook(徳田直弘)
https://www.facebook.com/tokuda.naohiro

**********************

画像4

【編集後記】
今回、インタビューを担当させていただいた岩渕、風見、吉田です。 人を笑顔にさせるその奥に畳を広げ日本全国の畳業界を盛り上げ日本を元気にしたい!そして世界にも広げたい!という真っ直ぐな思いや意思を 感じるインタビューでした!
Mc Tatamiさんの今後のご活躍に目が離せません。是非世界に畳を広げていただきたいです!

**********************

この記事はリライズ・ニュースマガジン“美しい時代を創る人達”にも掲載されています。
https://note.mu/19960301/m/m891c62a08b36