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アイドルに無縁だった48歳主婦のわたしが、まさかの「BTS沼」にハマるまで

48歳主婦。
まさかの「BTS」にはまった。

アイドルにはまる、だなんて、
もう一生、自分にはないと思っていた。

先日は、アメリカ、ロサンゼルスで開催された
BTSのコンサートのライブ配信を自宅で鑑賞。

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最後にアイドルにハマったのは高校生のときの「光GENJI」。その後は一切興味なし。世の中ではドルオタがいっぱいいるけど、自分は絶対にそんな風にならないと思っていた。いい年こいてキャーキャーと恥ずかしいったらありゃしない。

と思っていたわたしが、ついこの前の夏、うっかり韓国アイドルグループ「BTS」にはまってしまった。

いかにしてわたしがハマったか、何がそんなにツボだったのか、おばさんの心理を語ってみようと思う。

これ1回で終わらないかもしれないから、書けるだけ書いてみる。

友人がBTSにハマった話を鼻で笑っていた6月


確かあれは2021年の6月ごろ。
久しぶりに会ったママ友が、BTSにハマっているという話をしていた。

ヨン様こと「ペ・ヨンジュン」が登場して、韓国ドラマなるものが日本でブームになった第一次韓流ブームから、韓国系のエンタメには一切興味がなかった。たしか東方神起なんかも、そのあたりに登場していたと思う。

しかし、エンタメ系の会社に勤めていた時も、バカ売れするDVDやCDを見て「ふーーん」と思うだけで一切興味がわかなかった。

幼少期にハリウッドスターに憧れて英語を習って以来、思いっきり「欧米かぶれ」な私だ。

韓国の人のアジアンな顔立ちも好みでなかったし、言葉もなんだかケンカっぽく聞こえて語感も好きではなく、その印象はずっと続いていたので、見向きもしないまま今まで生きてきた。

その後も第何次だか知らないが、定期的に韓国エンタメは流行っているし、韓国ドラマもネットフリックスなどでヒットしていることもうっすら知ってはいたが、見向きもしていなかった。

なので、その友人がBTSのことをあれこれ話していても、「でも全員整形でしょ?」とか「全員同じ顔に見える」とかいってディスりまくっていた。


ちょっと見てみるつもりが沼の入り口


その後、大学生の娘さんがいる友人と話しているときに、「ママ友がBTSにハマっててさぁー。全員同じ顔だし、何がいいんだか」と話したら、友人に「娘に殺されるよ」と言われた。

よくよく聞くと、いまや大学生など若者は、日本のアイドルなど見向きもせずに、韓国のアーティストのほうが断然イケてる、という認識らしい。

わたしのアップデートされていない韓国の認識は「日本よりちょっとダサイ」イメージだったが、すでにそれは過去の話らしい。

同時に、そういえば中学生の息子が、ikonという韓国のグループが息子がやっている「FORTNITE」というゲームとコラボしていた時期があって、韓国の芸能が進化してるな、という認識は少し持っていた。

友人も熱く語っていたし、韓国の音楽シーンがどうなっているかも興味があったし、じゃあ、とりあえずBTSとやらを見てみて、顔の判別がつく程度までは鑑賞しようと思ったのが沼の入り口だった。


沼落ちするように仕込まれたさまざまなトラップ


日本のアーティストは許諾にうるさく、特にジャニーズはそのあたりに厳しい。

エンタメサイトの会社にいたときに、嵐のメンバーが主演の映画なのに、ジャケット写真さえ許諾が下りずに、映画のジャケット写真や劇中写真が使えず困ったことがある。

SNS、youtubeの台頭で、動画が拡散されることでヒットを生むようになってからは変化したと思うが、それでも日本はSNSなどが遅れていると思う。

海賊版なんてご法度だし、きちんとお金を払ってDVDを買った人や、お金を払ったファンクラブの会員だけが好きなアーティストの動画や写真にありつける文化だ。

だが、韓国はどうも事情が違うようだ。

youtubeの公式アカウントをはじめ、ツイッター、tiktok、インスタなどで、惜しみなくメンバーの情報を公開してくれる。

メンバーの裏の顔や、舞台裏のエピソードなんかも、公式アカウントからじゃんじゃんアップされるので、自然とメンバーの性格や位置づけなども知ることができる。

キレッキレのパフォーマンスをミュージックビデオで見た後に、舞台裏でふざける姿や完璧なパフォーマンスのために真剣に打ち合わせするメンバーの姿を見ると、その裏側の努力が素晴らしいパフォーマンスとして成果になっているのだな、と好感がわく仕組みだ。

そして、メンバー同士の仲良しぶりも見ていてほほえましい。仲良く楽しくしているのを見ているのは気分が良いし、メンバー同士の仲の良さが、パフォーマンスの一体感、完成度に影響している気がして、さらに好きになってしまう。

さらに、公式にはNGとされている動画の二次利用、加工なども、基本自由というか、普通に出回っている。そこで登場するのがBTSを支えるファンダム「ARMY」の活躍だ。


ファンダム「ARMY」の面倒見が良すぎる

さらに、わたしのような初心者が何か動画を見ようとしたときに、
「誰が誰だかわからない」という困りごとに応えるシステムも完備されている。

「ARMY」と呼ばれるファンたちが、BTSの良さを紹介するために、youtubeのミュージックビデオに手を加えて解説してくれる動画がたくさん存在するのだ。

はじめてBTSのミュージックビデオを見たとき、全員同じ顔に見えるので挫折しそうになった。だが、こんな初心者向けの動画があったので、見てみたら面白くなってしまった。


その中でも抜きんでてダンスが上手い「ジミン」というメンバーがいて、わたしはその子にくぎ付けになった。

すると、待ってましたとばかりに、「ジミン推し」かつ「ダンス経験者」のARMYが、ジミンのダンスがなぜそんなにすごいのかを、ダンス経験者の視点から解説してくれる。

ジミンのダンス解説は、この方のをよく見ている。字幕だけで心の叫びが聞こえてきて、さらにじっくり見られるので気に入っている。

スローモーションにキャプションを入れて、素人にもわかりやすくしてくれるので、ついつい見入ってしまう。

BTSがよく、「僕たちがここまで来られたのはARMYのおかげだ」と言っているが、確かにCDを買うとかの消費行為だけでなく、ファンがプロモーションまで担っているようなイメージだ。

ファンなのだから、商売っけなく推しの良さを伝えたいと思って、必死に動画を作ってくれているのだろう。その「好き」がダイレクトに伝わってくる。

しかし、ここまでファンを獲得すると、BTS関連の動画をアップしただけで、youtubeの再生回数も爆上がりする。もしかしたらそういった柳の下のドジョウ狙いで動画を作っている人もいるかもしれない。

だが、やはり純粋に「好き」を伝えようとしている動画に惹かれる。なんだかこちらまで暖かい気持ちになるのだ。

ダンサーが顔出しで解説しているものは、ダンサーの顔がメインになっていて、わたしは「BTSが見たいんだよ」というニーズに答えてくれない。BTSが好きな人は、ダンサーではなくBTSが見たいのだから、字幕だったらBTSに没頭できる。わかってらっしゃる。

惜しみないコンテンツの豊富さで楽しさ数倍


わたしがBTSを知った時期が、すでにコロナ真っ最中だった。ちょうどBTSもライブ活動が出来なくなり、英語曲でグローバルにチャレンジしようとしていた時期らしい。コロナで海外ツアーなどに行けない分、英語曲で世界中の人が聞きやすいような曲をリリースし、おうちライフを充実すべく、1曲のリリースに対して、ミュージックビデオを何種類も出すという戦略に出た。

これは事務所のマーケティング勝ちとしかいいようがない。だっておうちで好きなだけ無料で楽しめるコンテンツがあったら、みんな飛びつくだろう。

たとえば、英語曲でブレイクした「DYNAMITE」だけでもこれだけバリエーションがある。


オフィシャルMV

Choreography version

練習動画

ミュージックビデオのメイキング


アメリカの番組でのパフォーマンス


クリスマスバージョン


これはまだ一部。出演したさまざまな番組のパフォーマンスは逐一youtubeにアップされる。ライブ映像まで、一部公式アカウントからアップされる。

ついでに、ときどきゲリラ的にメンバー本人たちがアプリでライブ配信を行ったりする。ツイッターでは公式はもちろん、ARMYたちが逐次メンバーの動きをツイートする。BTSさえ追っかけていれば、コンテンツに飽きることがないようになっているのだ。

ファンサービスのパフォーマンス


マーケティングのすばらしさにも舌を巻くが、やはりメンバーたちの真剣な取り組みや、パフォーマンスのすばらしさに感服する。

BTSのメンバーは7人いるのだが、その中で、歌担当、ラップ担当、ダンス担当が分かれている。兼任もある。

ざっくり分ければ

歌(ボーカルライン) ジョングク、ジミン、V(テテ)、ジン
ダンスライン ジョングク、ジミン、J-HOPE
ラップライン RM、SUGA、J-HOPE

など、このパートはこの人たちがやる、という担当がある。

その中で、ダンスラインの3J(ジョングク、ジミン、J-HOPE)が、コロナ禍でファンサービスとして1分ちょっとのパフォーマンス動画をアップした。

そのキレキレぶりがとんでもなくてのけぞった。


軽々とこなしているように見えるこのダンス、実は裏側でストイックに何度も撮りなおしている舞台裏が数日後に公開され、好感度が爆上がりする。

そしてまた、この動画に魅了されたARMYたちが、見たい部分をきちんとスローモーションで紹介してくれる。

もはやアーティストとファンの連携プレーだ。完璧。

サクラを仕込むことはできても、混み入った動画編集作業に、ここまで感情移入しながら動画を作れるのは、やはり「好き」という気持ちでしかない。そのくらい見ればわかるのだ。相手の顔が見えなくても、発信している熱量で感情が伝わる、というのはわたしが昔から感じていることだ。

ワールドワイドな人気が納得のクオリティ

BTSは、ダンスパフォーマンス、マインド、仲の良さ、いろんな面でアイドルの域を超えているグループだと思う。

そして、今まで日本の芸能人が成し遂げられなかったグローバル、対米マーケティング戦略も素晴らしい。

リーダーのRMが英語堪能なこともあり、アメリカのバラエティ番組などにも積極的に出演してアメリカのお茶の間??を賑わせた。その様子もyoutubeで見ることが出来る。

わたしが彼らを知るまでに、すでに韓国アーティストとして全世界のライブツアーを行っていたようだが、コロナ禍に全編英語歌詞の曲をリリースし、惜しみないコンテンツ配信を行ったことで、グローバルでの人気が決定的になったようだ。

国連でのスピーチなど、世界のBTSとして登場することが増え、アジア人は絶対に無理だと思われていた、グラミー賞まで受賞した。完全に勝ちだ。同じアジア人として誇りに思う。

そのファン層の厚さも驚く。わたしのようなオバチャンもいれば、小学生もファンだという。

さらに驚くのがライブ配信で打ち込まれるコメントが多言語すぎること。韓国語はもちろん、英語、スペイン語、ロシア語、アラビア語、タイ語、、、、全世界にファンがいることがうかがえる。

だが本当にメンバーが真剣に取り組んでいるのが分かるし、デビューまでの辛い日々や、デビューしてからも「アイドル」とからかわれていたことなど、自分たちの苦悩も言葉にすることで、より共感を得るのだろう。

ああ、もう語り始めたら止まらない。何度かに分けて書こうと思ったが、とりあえずここまでは書ききってしまおう。

まだまだ伝えたいことはたくさんあるが、とりあえず、私が鳥肌が立つほど感激して、毎日のように見続けた「ON」のミュージックビデオをここに置いて、いったん締めくくらせていただく。

ようこそ、BTSの沼へ。
ぜひ一緒にこの世界を堪能しましょう!

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