大学院入試体験記(京大理物編)



はじめに

融解です、はじめまして!現在、大阪大学理学部物理学科の4年生で実験系の研究室に所属しています。このnoteではタイトル通り、京都大学理学院物理学科の大学院入試での体験を紹介します。阪大編もあるのでそちらもぜひ。
日記みたいな感じで気持ちをだらだら書いているところが多いので、結果だけ気になる方は最初だけ読んでください。

まず、気になるであろう結果について。
物理学第二分野の実験系を受験しました。志望欄は4つ埋められて、1~3つ目は研究室、第4志望は実験系全部?みたいなやつで出しました。受かったのは第2志望の研究室です
開示は出たら載せます。
TOEICは585点。かなり低いです!!
多分ギリギリ引っかかりました!w 院試体験記書いてる方って優秀な人ばっかりで、読んでもあんまり参考になんねー!と自分は思ったので、京大受けたいけど外部生だから不安だ!とか、院試ってどういう感じでおこなわれるのか知りたい、みたいな方の参考になったら嬉しいです。ほとんど過去問しか解いていないため、勉強方法については、他に院試体験記を書かれている方の記事を参考にしてください()

ちなみにこんな感じのスケジュールでした。
8/21 京大筆記
8/27 阪大筆記 & 京大筆記合格発表
8/29 阪大筆記合格発表 & 阪大面接(第1志望コース) & 京大面接
8/30 阪大面接(第2志望コース)
9/6 京大合格発表
9/9 阪大合格発表

京大は8/28,29の2日間面接があって、筆記合格発表の際に自分がどちらの日かわかります。来年以降はわかりませんが、今年は京大の面接2日間のうち2日目と、阪大の第1志望コースの面接日が被っており、時間が被ってしまう可能性があるので注意です。阪大は対面、京大はオンラインだったのでよほど運が悪くない限りはどちらも受けられるとは思います。

筆記当日までにやったこと

TOEIC受験

英語の試験が大学独自のものではなく、外部試験TOEIC(or TOEFL?)になったため仕方なく受けました。募集要項が出るころには申込期間が過ぎていたり、1回しか受けるチャンスがなかったりするので早めに受けましょう!(早すぎるとダメみたいですが)
自分は2回受けましたが、大学に入ってから英語をサボりまくっていたので全然時間が足りなくておしまい。あと教室に時計あると思ったのになかった…!(試験会場による)
配点は公開されていませんが、かなり低いと思います。英語が苦手な方は頑張りすぎずに、院試勉強の方に力を注いだ方が良いと思います。TOEICの結果を提出しなくても受験資格はあるみたいです。

ローレンツ祭参加

夏に開催されるローレンツ祭 (院試説明会)に参加しました。実際に先生や院生の方とお話しました。結構見学している人が多くてビビった記憶があります。普段の研究室の雰囲気はあまりわからなかったので、気になる方はアポとって見学した方が良いかも。
院生の方に、筆記はどれくらいとれたら受かりそうですか?と聞いたところ半分取れたらまあ受かると思うと言われました。実験系の最低ラインは4割くらいなのかな?先輩の開示結果とか、外部だと知る機会がほぼないので最低ラインが予想できなくて嫌ですね…
Twitterで開示を載せていた方がいましたが、実験系?の方で6割くらいあったと思います。自分は絶対にそんなに取れていない自信があるので、最低ラインはもっと低いと思います。実験でも人気のところだとそれくらいいるのかもしれません。受かった第2志望の研究室の先輩(多分内部)は、私と同じところを第1にして落ちて今の研究室にいると言っていました。

自分は勇気が出ず聞けませんでしたが、内部で出回っている(?)過去問の解答などもらえませんか?とか聞いてみると良いと思います。あっても外部の子に渡してくれるかはわかりませんが…(友達が聞いたところ、解答はあるが紙でまとめているので渡せないと言われたそうです)
あと住んでる場所によりますが、多分バスで大学まで向かうことになります。自分は慣れておらず、1時間近く河原町でバスどれ!?!?!?!となったので、大学までの道のりの下見という意味でも絶対行くべき。逆方向のバスに乗ってしまい、すぐ気づけたから良いものの、5分くらいで歩ける距離で数百円失ったのは今では良い思い出です。

出願

0次試験ですね。京大は「志望理由書」、「興味をもった物理」について2枚ずつレポートを提出しなければいけません。かなりだるかったです。どのくらい点数に反映されているのかはわかりませんが、時間をかけて書けるので頑張って書きました。面接で突っ込まれる可能性もあるので、あまり難しいことは書かない方が良いと思います。(理論の子は面接で書いたことを聞かれたと言っていました)

志望理由については第1から4まですべての研究室でまとめて2枚でした。1枚目の半分まで分野に興味を持ったきっかけについて書き、そこから2枚目の半分くらいまで第1志望の研究室に行きたい理由を書きました。書いているうちに研究についてより知れますし、受かりたいモチベが高まるのでよかったです。残りの半分で第2,3志望の研究室。ほぼおまけみたいなものでした。(結局受かったのは第2志望でしたが(^^; ))
興味を持った物理については、ちょうど授業で扱っていた内容について書きました。ほぼ式の導出になってしまい、これはあまり突っ込んでほしくないなーと思いながら提出しました。おもしろいなと思うことはいっぱいありましたが、2枚分書けるテーマで質問されても困らないもの、となると意外と難しかったです…

確か郵送での出願のみだった気がします。不備があったら困るので早めに出しましょう!簡易書留+速達で出さなければいけなかったのですが、速達をつけ忘れたことに郵便局を出てから10分くらいしたところで気づき、戻って速達をつけてもらいました。大阪→京都である程度余裕をもって出したので速達じゃなくても大丈夫だったと思いますが、めちゃめちゃ焦った~~

筆記対策(過去問ゼミ)

同じく京大理学院の理物を受ける友達と、京大の過去問ゼミをおこないました。8月くらいまでは週1、試験が近くなったら週2というペースだったと思います。過去問1,2年分くらいを各々解いてきて、解答の確認、難しい問題は解けた子に解説してもらうといった形式でした。
自分以外のメンバーが頭良すぎて、自分だけ解けてない問題があることが多くて病みましたww でも過去問ゼミのおかげでかなり問題が解けるようになりました!自分はかなり環境に恵まれました。このゼミのおかげで受かったと思ってます、感謝(´;ω;`)
院試勉強で気分が滅入ったときも、週1で確実に友達と話せる機会があるというのは、メンタル的にもかなり助かりました。外部の方は難しいかもしれないですが、周りに同じ大学を受ける人がいないか探して絶対に一緒に勉強した方が良いです。院試は団体戦かも!!(?)

外部受験は、過去問の解答入手がかなり大切だと思います。解答をネットにあげてくださっている方がおり、その方の解答を参考にしました。おでんさんのnoteです、とても助かりましたありがとうございます…!
https://note.com/inshikaitou/n/nb5f48ec6684d?sub_rt=share_sb

7月末くらいまで実験や研究室でのゼミがあり、思うように時間が取れなかったため過去問は8年分しか解けませんでした。過去問以外だと、過去問でわからなかった問題のうち重要そうなものについては、講義資料や演義の似た問題で復習しました。あと阪大の理物は物理数学が出ないのですが、京大は出るので対策が面倒でした。複数の大学院を受ける方は、大学によって同じ理学部物理学科でも試験範囲が異なるので注意ですね。
自分は学部での勉強をかなりサボっており、基礎がおしまいだったので問題をある程度解けるようになるまでかなり時間がかかりました。しかも京大の問題激ムズ!!!!理論の友達ですら苦労している問題が、自分に解けるわけないんだー!!結局筆記当日までにも全然解けるようになっていませんでした。5割目標でしたが、上振れたら4割取れるかも…くらいで、もっと早く勉強しておくべきだったー(;;)と後悔… 正直ダメ元で受験しました。
過去問でなくても授業の演義、参考書の問題などで基礎を固めておくだけでも全然違うと思います。大学院入試は学部より受かりやすいとか聞きますし、実際そうなのかもしれませんがあまり舐めすぎない方が良いです。

筆記当日

大阪からだと6:50には電車に乗っていないと集合時間に間に合わないので早起きが大変でした。友達とLINEで起床確認しました。大学近くのホテルに泊まった友達もいましたね。

席は受験番号順で、番号はおそらく出願順でした。たまたま隣の席と斜め前の席が友達だったので、普段のテストぽい感じで緊張せず受けられた気がします!周りが知らない人ばかりだと緊張すると思うので、友達と一緒に出願すると良いかも?
持ち物については、普通の試験とほぼ同じで良いと思います。水筒やラベルをはがしたペットボトルも机の上に置けました。夏とはいえ教室がクーラーのおかげで肌寒かったため、寒がりの方やお腹を壊しやすい方は上着をもって行くことをおすすめします。腕時計を持って行きましたが、しまえと言われました。教室に時計があったのでそれで試験時間を管理するため?他の教室では違うかも。試験時間が3時間くらいあるので、ちょくちょくお手洗いで退出している人もいました。
解答用紙、計算用紙は別になっており、計算用紙はよほどの文字の大きさでなければ絶対に余る枚数ありました。解答用紙は大問1つに1枚ずつで表裏解答可能、4-A,4-Bなど2つに分かれているものは大問4で1枚、ABで表面の半分ずつ(これは裏は使えなかった気がする)と、少し解答欄が狭めでした。字がデカい方は注意。

試験Ⅰが始まり、問題冊子を開いてさあ解くぞ!となったは良いものの、大問1の(1)からわからず頭が真っ白になりました…
半分取れたらまあ受かるだろうと聞いていたため、もともと全部埋めるよりも、とれるところを確実にとることを意識していたので何とか気持ちを切り替えられました。実際同じ大問でも途中から解けるものもあり、難しい問題はさっさと飛ばして簡単な問題を見逃さないことが大事だと思います。実験系は半分取れたら受かる(噂ですが)ので解けない問題があっても焦らない!諦めない!京大は試験Ⅰ,Ⅱがあり問題数が多いので、大問1つわからなくても他で十分巻き返せます。
試験Ⅰの解答用紙回収のときに前の席の子の答案がちらっと見えて、めちゃめちゃ埋めてあって自分の解答用紙のスカスカさに焦りました。理論と実験同じ教室で受けさせられてるので、多分その子は理論系だから自分はあんなに埋めなくてもまだ大丈夫、まだ終わってない!とお昼休み中自分に言い聞かせてました。試験Ⅱが終わった後、手応え最悪でもうだめだー!と思いました…帰りの電車で激落ち込みしてました。

面接

筆記が終わってから面接まで

1次試験(筆記)の合格発表は阪大の筆記の日の午後にありました。自分の番号があって、正直信じられなかった。嬉しさより驚きがデカかったです。京大ゼミの4人全員筆記通ってて、自分が通ったことももちろん嬉しかったですが、一緒に勉強してきた友達も受かっていたのがすごく嬉しかった!!ゼミでは教えてもらってばかりで、みんなの勉強時間を奪ってしまっていた自覚があったのもあり、友達も受かっていて安心しました。みんな私よりボーダー高いのに!本当にすごい。

出願の時に提出した「志望理由書」、「興味をもった物理」のレポートをもとに面接対策をおこないました。違う分野の子のレポートを見ても内容がわからないので、志望理由など無難なことしか聞けませんでした。理論の子は面接で、筆記で解けなかった問題について聞かれることがあるそうなので、解答の確認もしました。筆記の合否がわかってから面接までは時間がないので、筆記に自信がなくても一応面接対策はしておいた方が良いと思います。

京大は面接が2日間あり、筆記合格発表の時に自分がどちらの日で何時に面接を受けるのかがわかります。阪大の第1志望コースの面接日と、京大の面接日2日間のうち2日目が被っており、自分は被ってしまいました。最悪!面接順は、受験番号がかなりバラバラだったので自分の面接時間の予想はほぼ無理だと思います。
京大が第1志望でしたが、筆記の手応えが最悪だったこともあり、筆記が通っても面接で落ちる人がいること、受かったとしても第1志望ではなく、興味があまりない研究室かもしれないこと、を考えて京大阪大どちらを受けるかかなり迷いました。もちろん出願時点で面接が被る可能性があることはわかっていましたが、実際被ると焦りますね。結局面接は同じ日ではありましたが、時間が被らなかったおかげでどちらも受けることができました!よかったー!

面接当日

実際に聞かれたことを以下にまとめました。身バレ防止のため内容は一部ボカしてます。

第1志望の先生
・3分程度で自分がやった実験、興味を持った実験について説明して
・その実験手法で工夫したことは?
・実験装置の原理について教えて
・実験装置から信号を取得するまでの流れを教えて
・プログラミングはできますか、言語は?
・何か強みはありますか?

第2志望の先生
・研究室に入ったらどういうことがしたい?
・研究室の研究内容について、具体的に何に興味ある?

第3志望の先生
・研究室の研究内容について知っていることは?
・第1志望と研究内容がずれるが、うちの研究室でもやる気を持って研究できる?

合計15分程度だったと思います。提出したレポートや、筆記で解けなかった問題については全然聞かれませんでした。実験系は自分でやった実験について聞かれることがほとんどなのかな。3分程度と言われましたが長々と喋ってしまったと思います。特に時間を計っている感じはなかったです。最初に名前と受験番号、最後に併願先と複数受かったらどうするかという全受験生に聞いている質問もされました。
同じ研究室の先生がまとめて1つのzoomアカウントで入っていたので、先生の距離が遠くかなり聞き取りづらかったです。緊張もあり、聞かれたことがあまり頭に入ってこず焦りました。つまったらそれ以上突っ込まれることはなく、詰められるという感じではなかったですが、にこやかという雰囲気でもなかったです…
友達は先生から、この研究はあなたの興味にあってると思うのでおすすめですと研究を紹介されたそうです。合格確定演出⁉

合格発表

面接が終わってからというもの、筆記も面接も手応えが悪すぎて廃人のような生活を送っていました。起きていると合否のことを考えてしまい涙が出てくるので寝る、お腹すいたらご飯食べてまた寝る、眠れなかったらスイカゲームで暇つぶし(神ゲー。すっかりハマっちゃった)、を1週間近く繰り返してました。いやーつらかった。勉強してなかった自分が悪いんですが。はよ楽にしてくれいという気持ちでいっぱいでした。

9/6の12:00発表でしたが、昼夜逆転してて気づいたら15:00くらいになってました。結果より先にLINEを確認したら、ゼミの4人とも番号がある!!!!(これはめちゃめちゃ嬉しかった、全員が第1ではないけどみんな通ったのは本当にすごいと思う)と友達が言ってたのでどこかには引っかかったんだ!?!?!?!?とドキドキしながら結果を見たら、第2志望に受かってました。複雑な気持ちでした。全部落ちちゃったかもと思っていたので、どこかに引っかかってくれていただけでも十分嬉しいのですが、やっぱり第1志望に受かりたかったなー……………。家族も友達もおめでとうと言ってくれましたが、しばらく素直に受け取れませんでした。筆記であの問題が解けていたら、面接対策をもっとちゃんとしていたら、とかいろいろ考えてしまいますね…

阪大の第1志望も無事受かっていました。京大で受かったのは第2志望ですが、改めてHPを見るとおもしろそうな研究があったこと、研究・就職どちらにせよ京大は阪大より魅力的であることなどから進学先悩み中。合否から数日後に届いた書類によると、1月くらいまで悩めるので、全然すぐに決める必要はありません。

ここからは予想した倍率などについて書きます。あくまで予想であり、年によって変動が大きいと思いますが。一応書く。物理学第一分野第1志望と思われる受験番号の人が物理学第二分野にもちょこちょこ受かっていますが、その人たちは計算に入れていません。
物理学第二分野全体でほぼ1つの教室で筆記試験を受けたと思います。1つの机に20人だったはずなので多分80~90人くらい受けてたはず。筆記に通っていたのは実験、理論ともに25人ずつでした。そのうち3,4人ずつ面接で落とされていた人がいました。(面接受けなかったり、研究室の志望を1つしか出していなかったりするのかも) 筆記さえ通れば、ほぼどこかには受かるみたいです。各研究室の合格人数はHPで見た現在のM1の数と大体一緒でした。(今のM2の代は結構いっぱいとったみたい。)
理論と実験でまとめられているのでよくわかりませんが、倍率は大体1.6倍くらいなのかな?大学院入試も学部みたいに倍率とか最低点とか、配点とか出してほしいですよね!ちょっとでも情報あれば不安軽減されるのに~~

最後に

読んでくれてありがとうございました!同じ物理学第二分野実験系を受ける方など、もっと詳しく知りたい方がいればTwitter(@yukai0903)のDMなどで聞いていただければ答えられる範囲で答えます。外部だと特に不安な気持ちが大きいと思うので、少しでも自分の体験が参考になれば嬉しい!自分は第1志望に落ちてしまい悔しい思いをしたので、これを読んでくれた方は第1志望に受かると良いな。応援してます(`・ω・´)b


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