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第十八話 シノノメナギの恋煩い
結局、ホテルまで行かずに常田の家。
そして、最後まではしなかった。何度もたくさんキスしてハグして……。
二人布団の中でくっついて寝る。
彼はボクサーパンツ履いて、わたしはこんな日に限ってグレーのキャミワンピとショーツ。でも可愛いねって言ってくれた。
わたしは断固して脱がない。脱いだらわたしの魔法が解けてしまう。彼が興醒めしてしまってはダメである。
「梛の肌はすべすべしてて柔らかい」
梛、呼び捨て……。
「お尻もいい形、柔らかいなぁ」
そこだけは自慢。それにちゃんとお尻専用のソープ使っててすべすべなの。寧々からもらった。
露出した肌を常田くんは触って、唯一柔らかい部分のお尻を下着の上から触って。絶対私に胸があったら胸触ってたんだろうな。
それにしても部屋、綺麗すぎるし、まず物が少ない、シンプルライフ。清潔感もあり、チャラ男のイメージは何だったのか?
数年間彼にまとわりついていたイメージとは……。人は見かけによらない。
「梛? なに考えてるの……」
「えっ、いやーそのー部屋が綺麗だなって」
「まぁね。昔から綺麗にしなさいって親に言われてたし、ごちゃごちゃだとつまずいて転んじゃうからさ」
なるほどー、昔からなのね。常田のお父様、お母様素敵な人だろうなー。
彼はずっと一人暮らしだし、もともと関西の子でこっちの親戚が近くにいるからときたらしいし。家族構成は一人っ子ではないとは聞いてたけど。
って意外と常田のことを知らないのに気づいた。
ギュウウって抱きついてきた常田。うなじにキスをしてきた。やらしい……。
「なんか梛、ほかにも違うこと考えてる」
「そんなことない、ただ微睡んでるだけ」
「ううん、違う。梛はモテるからさ。よく来るシソンヌの人」
「じろうさんに似た人ね」
「そう。あの人絶対梛のところにしか並ばないし、いかないし」
たしかに。
「でんさんもうちの息子の嫁にしたいとか言って……」
でんさん……まさかお見合いさせようとした話も言ってないよね?
「それに今度図書館見学に来る小学校のあの背の高い教師も梛さんにぞっこんで、梛にぐいぐい迫ってた」
!!! そんなとこまで見てたなんて。
どちらかというと私がデレデレしてたような気がするけど、それはバレてないよね。
「だから早く梛と結ばれて変な男がつかないようにしたかった」
かなりの独占欲ー!だんだんギューって握ってくる力強くなるし。
「ごめん、わがままだよね。でも梛は本当可愛いから……」
わたしは彼を見つめる。ああ、可愛い。可愛い。わたしも思いっきり抱きしめた。
そしてキス。何度も。彼はわたしのお尻を掴んで、互いに脚を絡めて……。
「はーい、ストップ」
危ない危ない。互いに息が上がって歯止めが効かなくなるうちに止めた。
「……お互いに気持ちよくなる方法見つけていこな」
……気持ちよくなる、方法? ど、どうすれば……。
「梛のことは傷つけたくない、それが第一前提」
……傷つける……か。あ、その、挿れるってやつ……。
気づけばもう12時過ぎてる。
「もう寝なさい、明日早番でしょ」
「うん……」
すぐにすーすー寝る姿を見て可愛いと思いながらわたしは寝れずにいた。
気持ちよくなる、方法……互いに? それ考えてたら寝られなくなった。
続く
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