五度目のはじまり
昨日、Twitterでなんとなく書いているうちに、これは読み返せるようにまとめて書いておいた方がいいなと思ってここに書いています。
今日、イラストレーターとして開業して5年目です。
年始に開業届を出しにいくなんて、当時の自分は気合いが入っているなあと毎年思うのですが、実際、気合いが入っていたように思います。いまは更新していないFacebookに、「一生の仕事として、がんばります!」みたいなことを書いていたので、毎年Facebookから「○年前の今日、こんな投稿してたよー」とリマインドされて、そのたびにおっと思います。
なんとなく、Twitterをひらいて自分の名前で検索したら、話題のツイートのほうに、いままでの個展や本やわたしの仕事のことを書いてくださった言葉が並んでいました。2018年のにじ画廊での個展のこと、2019年のHB Galleryでの個展のこと、『花と言葉』をさまざまな書店でお取り扱いいただいたこと、はじめて言葉をまとめて作った詩集のこと。
日々のできごとで、めまぐるしく記憶は上書きされてどんどん忘れてしまいますが、たしかにそこに誰かとの交流があって、贈られた言葉があったことが思い起こされます。忘れてしまっても、できるだけたくさん思い出せるような場所があるのはいいですね。みなさんの言葉や写真を眺めていて、そこにたしかなものがあった。 そう感じました。
恥ずかしい話ですが、わたしはあんまり絵がうまくないのでうまく見えるよう、よく見えるようにがんばらないとといままで思っていたところがあります。でも、なんだかどうでもよくなりました。それよりも心ふるえたものをちゃんととらえられるほうが自分の心にとって大事なのだと。ひさしぶりに散歩した帰り道に、暮れていく空を眺めながらそう思いました。
写真にもとらえられない、人間の目がとらえた一瞬のうつくしさを、できるだけ紙に、土地に、誰かの心に、留めておきたい。それを仕事としてどう進めていくかは別のステージで考えるとして。これはちいさな希望のような話です。
大晦日、箱根へ行きました。
日が暮れて、深まっていく夜に聞いた、姿の見えない電車の獣の鳴き声のような轟音、そこからはっきりとひらかれた世界をわたしはできるだけそのまま紙に留めておけるようになりたい。そう切に思う年始でした。
年始から思いがけず体調を崩して病院へ行ったことも、そう思わせる大きな要因かもしれません。生きるのはかぎりがある。人間として生きる自分を養生しながら続けていくために、自分がすべきことをもっと自覚的に選びとっていっていいんだなと思いました。
正月気分も薄れはじめた5日ですが、なんとなく消化のよいものを食べてじっとしています。ここにきてちょっとがくんと来てしまったようで、いつもなら散歩に行きたくなるような天気なのに、家にいたいなあと思う自分に気がつきます。英気が養われるのを静かに待っているような、いまの自分の体のありようをそんなふうに感じます。休んでいいんですね。
あらためて、わたしの作るものを見てくださるみなさまと、関わってくださるみなさまへの感謝の気持ちがつのります。きっと今年もみなさまに頼ることがたくさんあるはずです。そうやって力をお借りしながら、今年もできるだけ、よく、生きていけますように。
みなさまの健康と、みなさまにとって明るい年となることを心から祈っています。暗いニュースに心まで曇ってしまいませんように。
*
みなさまへのお年賀の代わりに、こちらの絵をネットプリントできるようにしました。よかったらプリントしてお楽しみください。
セブンイレブンのコピー機でプリントできます
(操作方法はこちら)
予約番号:62180249
はがき/カラー
2023/01/10まで
*
また書きますね!
いつもお読みいただきありがとうございます。いただいたサポートは、これからの作品作りに使いたいと思います。