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「将を射んと欲すればまず馬を射よ」

広報戦略や計画の振り返りと来期の策定・アップデートを、いま数社で進めています。
どこも大枠が固まったところで、具体的な企画案出しなどに移ってきました。
各社共通して現行の法規制、過去から流れる世の中の先入観や空気感、競合との戦いの壁などを突破していくために
ロビイングや協会設立、スタートアップ界隈での突出した認知獲得や、言いたいことを代弁することに繋がる活動をそもそもしているKOL探しなどなど、まずは粒度バラバラに、大掛かりなものも含めて実施するネタ出しのブレスト会議が盛り上がります。

当然ながら、広報施策の方向性については、マーケチームとの連動も欠かせないのでマーケメンバーとのコミュニケーションも多くなっている。

そこで、あらためて感じたのが「ターゲット」や「施策」の考え方の違いです(当たり前ですが笑)

マーケティングや広告のターゲットについては多くの方が詳しく書いてくださっているので端折ります!
すごく綿密に細かくターゲティングして購買者に接触し、購買を促すか、或いは問い合わせを増やせるかを設計していきますね。

■空気感づくり にこだわる

一方、広報チームでは「いかに事業を進めていくのに課題となるものを取っ払っていけるか」あるいは「事業を優位に進めていくために、そのような市場への働きかけ・空気づくりをできるか」と業界単位であったり少しフワッと大きく捉えます。

新たな市場創出や、世の中をもっと良くするサービスを伝えていくためには、現在の「社会の不」を伝えないと成立しないことが少なくありません。

でも、その主張を「自社が」メディアで積極展開すると、或いは「導入企業に取材協力してもらい伝えると」、大事にすべき潜在顧客の決済権がある人の過去の功績を否定することになったり、顧客の歴史を批判するニュアンスが出てしまうこともあります。
そうすると、ステークホルダーの反感や誤解を招きかねません。

なので、そもそも「自社が世の中に伝えたいこと」を類似する主張で活動している人たちを見つけ、タックを組み(Win-Winになる)、世の中の空気を変えていけるか…などを考える。抽象的な会話なので、認識のすり合わせに時間がかかることもありますが、ピタッと合うと気持ちいい。

マーケティング業界でよく言われる「商品を売るには、顧客にとっての『価値』から考えよ」があるならば、
広報業界では将を射んと欲すればまず馬を射よといった感じでしょうか。

敵の大将を射止めようとするときは、先にその乗馬を射るがよい。目標をさだめて攻撃したり、わがものにしようとするときは、直接ねらうのではなく、まず周囲のものに打撃を与えたり、味方につけたりするのが上策であるというたとえ。

[使用例] 君よりも先輩の画家で、巴里で一緒だった多田三吉が細君をもらう時、「将を射んと欲すれば先ずその馬を射よ」の筆法で、その母に気に入られ[志賀直哉*蝕まれた友情|1947]

[解説] 軍事的な戦術としては、古くからどこの国にでもある発想でしょう。杜甫の詩「前出塞」には「人を射るに先ず馬を射て、敵を擒とりこにするに先ず王を擒にす」とあります。ことわざは、これを他の領域にも広く応用し、相手を意のままにする策としてとらえています。

コトバンク

それでは!

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