助成金作りの意外な盲点(25/100)
こんにちは、まえゆかです。
週末は甥っ子の誕生日会をしました。
甥っ子は、私が休職期間中に産まれ、早4歳。
4年前は人生の絶望の淵にいた気分ではありましたが、甥の可愛さに前向きなエネルギーをもらったのを思い出しました。
過ぎてみれば4年前の絶望も「そんなこともあったなぁ」くらいのものになっています。
渦中にいるとしんどさはかなりありましたが、抜け出せた今の幸せを今後もキープしていきたいなと思っています😊
さて、前回までは助成金制度の対象事業などについて詳細を書いてきました。
大枠の説明が済んだので運用面について書こうかなと思っていたのですが、重要なことを思い出しました!
「ちょっと待て」の声
競技団体へのヒアリングを終えて、必要そうなものも見えてきたので、具体的に運用面を考えるフェーズにさしかかりました。
どのような申請書にするか?
どのような形で審査するか?
どのような報告書にするか?
説明会をする際には、申請書だけではなく、申請するための要綱を作る必要もありますし、報告書のフォーマットを示す必要もあります。
できる限り競技団体の負担が増えない形を検討したいと思っていたのですが、そんな細々したことを考えている時に外部からのお声が‥
なんと‥助成金制度について「ちょっと待て」とのこと。
「助成金があると困る」
ん? どうゆうことだ??
競技団体の資金が不足しているから作ろうとしている制度。
欲しいという意見をもらっているのに、「あると困る」というのはどういうことだ‥??
その声は競技団体からでたものではありません。
競技団体に助成金を出している管轄の省庁などからのお声でした。
先に書いておくと、メンツを潰されるからって話では全くありません。
できるだけ簡潔に書いていきたいと思います。
私達は競技団体が必要だという声に耳を傾けて助成金の制度を作ろうとしていました。
しかし、その時点で、既に様々な助成金制度が存在していました。
競技団体にとっては資金的に十分でなかったり、必要なものだけど細かな基準に照らし合わせると対象外になってしまったり。
決して潤沢ではないとはいえ、それらの助成金は国、つまりは税金が財源になっているものがあったのです。
この時でいうと、例えば大会の助成。
国際大会を開催するときや日本選手権レベルの大会を開催する際にはTOTOなどの売上から支援される助成金があります。
管轄は日本スポーツ振興センターで、厳密には税金ではないのかな‥ちょっとそのあたりは詳しくないのですが、公のお金であると認識してください。
その他でいうと、この頃からは強化費と呼ばれる選手の競技力向上のための助成金がかなり増額されていたのですが、これらは国の助成金なので処理がめちゃくちゃ大変。
移動においては航空券の領収書のみでは精算できず、搭乗証明書ないしは保安検査場を通過した時に発行されるレシートのようなものの添付が必要で、空出張ではないことを証明できる資料が必要になります。
宿泊もホテルが発行する宿泊証明書が必要で、領収書が不要な公共交通機関や車移動の場合は、請求金額と同額であることを示す乗換案内やGoogle mapなどの経路図の添付が必要だったり。
難しい作業ではありませんが、競技団体によっては億に近い金額分処理するのです。
数百万円分だったとはいえ、一人数万の処理でも100枚以上の精算になります。
決して楽な作業ではなく、それらを事務局員がこなすとしてもかなりの工数を必要としますが、これらは全て会計監査院のチェックも入ったりで、正しく処理しないと不正会計の烙印を押され、返金になったりしてしまうものです。
正しく処理されないこと自体が大きな問題となるため、これらの強化費を処理するための事務局員を雇用する費用なども、ちょうど2015年頃から対象となっていたのです。
でも、なんで困るんだ??
足りないところにでる新たな助成金が作られるのは悪いことではありません。
しかし、「ちょっと待て」の声の主からは、
同じようなものに助成されては困る
とのこと。
いやいや、足りてないんだから。
うちが出してもいいじゃない。
そう思ったのですが、現実は違うんですね。。。
再度言いますがメンツを潰されるからって話ではなくてですね、もっと重要なことだったんです。
民間が助成するなら国からは不要と判断されて、財務省が助成金の予算自体をカットしてしまう
というのです。
な、な、な、なんと・・・・・
足りないところに補填するのに、補填したら大本の予算がなくなるだと・・・?!
そこを補うほどの予算は当然ありません。
財務省〜〜〜〜っと突っ込みたくなる気持ちは一旦置きまして。
予算カットされたらその後の復活はかなり難しいことが推察されます。
我々は時限組織なので結果的に競技団体にとって不利益になることをするわけにはいきません。
ストップの声を出してくださった担当官も、助成制度についてネガティブなのではなく、どうしたら棲み分けできるのかについて時間がない中で丁寧に対応してくださり、なんとかまとめることができました。
出すものと出さないものを明確に
結果的に、競技団体の望み100%のものはつくれませんでしたが、ベターなものはできたのではないかなと思っています。
結果的に我々の助成金は、強化活動に関するものと競技大会に関する費用は一律対象外としました。
強化活動には出さない
強化費はあればあっただけ、競技団体にとってはありがたいものですが、既に国から多くの強化費が支給されていることと、この助成金で強化活動に関する事業も対象にしてしまうと、強化活動に注力してしまって、2020大会以降にレガシーとなる組織体制は作れない可能性もあると考えたからです。
少ない人材の中でお金があるならば、やはりメダル獲得に注力したくなりますよね。
それはとっても大事なことですが、それは協賛金を取りやすい部分でもあります。
組織の体制づくりのために協賛してくれる企業はあまりないでしょうし、これらが対象になる助成金も少ない。
だからこそこの助成金は、持続可能な団体運営をするために必要な事業に対して助成金を出すものと定めました。
競技大会にも出さない
競技大会も一律対象外にしたのは、そちらも既に助成金があるからが一番の理由です。
しかし、競技団体側からは国際大会や日本選手権などの大きな大会は助成対象となるが、地方予選などの小規模な大会は対象とならないと聞いていました。
競技団体側のニーズとしては、小規模とはいえ実施する必要のあるもので、これらの大会の資金集めが大変なのも充分に理解できました。
そのため、助成金制度をスタートした後にも何度もこれらの大会への助成申請があったのも事実。
厳密には対象外であると言えるのですが、そのあたりは結局、外部からの見え方が難しいということで‥
クリアな線引ができなかったため、苦渋の決断での対象外の事業としました。
しかし、大会が一律でダメと言うわけではなく、健常者がレクリエーションとして参加したりする大会形式のイベントは、普及啓発活動として一部助成を認めました。
対象外なのは、競技団体主催の公式大会。
線引がわかりやすいものは対象にするという運用にし、説明できる体制を作りました。
事務局員の兼務は認めない
強化事務の事務局員の人件費についても国からのお金が使用できる状況であり、パラサポの助成金で出そうとしていた事務局員の人件費と同じものに見えがちです。
強化活動は一律対象外としているため、強化事務を担当する方も対象外。
申請書を出すときには何の役割をする人かを示していただき、強化事務と書いてあれば不採択になる旨を説明しました。
パラサポの助成金も国からの強化費も、人件費の金額としては充分と言えるものではないため、2つの助成金で1人の優秀な人材を雇いたいと考える団体もありました。
しかし、公的な助成金は他の助成金と混ざるのは基本的にNG。
強化事務をやってる時間と事務局業務をやってる時間は別だと言われても、そういったのって明確に線引はできないものなので‥
助成金が混じっているように見えてしまうことが避けられないため、兼務の申請は対象外としました。
つまり、人件費は出すけれど、強化費で人件費がでる人とパラサポで助成する人自体も分けることにして、お金が混じらないように整理しました。
こうしてなんとか整理がつき、あとは手続き方法などを記した要項やフォーマットの書類づくりを残すところとなりました。
シンプルにはしきれない
競技団体側からは事務的な作業の負担が一番大変だと聞いていたので、できるだけ簡素に、性善説に基づいた申請書類を作りたいと考えていました。
しかし、ひとえに競技団体といっても年間の事業規模が数百万のところから億のところまで‥
体制も競技人口も異なる中ではシンプルにしきれない部分もあり。。
時の流れによって外部環境が変わったりもしたので、制度は途中で改編したり。
できるだけ簡素にはしたけれど、競技団体の側に自分が回ってみると、使いにくいなぁと気づく部分もあったり。
とりあえず、実際にどんな制度だったのかについては次回以降に書いていけたらなと思っています。
今回は全てスマホで書きましたが、他のリンク参照したりするとやっぱりPCのほうが書きやすいですね😂
次回はちょっと、過去を思い出しながら書くと作業的に大変なので、スマホでは難しそう‥🥲
また週末になるかもしれませんが‥気長にお待ち下さい😊
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