フランス日記：11月23日

ノルマンディー滞在3日目。

マダムから何度も「ディーブ・シュール・メール！」と言われるのだけど、なんか長い単語だし、それが動詞なのか名詞なのか分からないのでとりあえず復唱する。
復唱すると「そうディーブ・シュール・メール！」と言われるのだけど、それが何のことなのかやっぱり分からず、とりあえず出かけるようなので、わたわたと準備をする。

ディーブ・シュール・メールに到着

マダムの別荘のあるカブールから車で15分。

なんかかわいい村に着いたよー！

ノルマンディ地方の木組みの家は縦に細長い柱が特徴らしく、このおうちもその特徴がよく現れているものだとか。
と、言われても柱ってそもそも縦に細長いものなんじゃないのか？

中には入れません。中の作りが気になる〜。台所が見てみたい。

▼「ディーブ・シュール・メール」とは村の名前なのだった。

＜1066年に英国制服に乗り出した征服王ギョームゆかりの街を是非見にいらして下さい！＞

観光案内所の窓の隅っこに貼られていた。日本人観光客はモンサンミッシェルツアーのついでに訪れることがあるらしい。歓迎されていて嬉しいなぁ。（ちなみにこのQRコードリンクは死んでいた……）

現在のパリの街の姿は19世紀のオスマンによる大改造で作られたもので、大体の建物は古くてもそれぐらいの時代に建てられたもの（たぶんここのお家はもっと古いけど）。
なんとな〜く、18世紀、19世紀のパリの様子なら想像はできるんだけど、こんな風に11世紀の、しかも田舎の話になると、とんとついていけなくなる。歴史の教科書の年号と単語しか浮かばない（嘘です。それも怪しいです）。
こういうときに言葉の話だけじゃなくて、歴史・文化的な意味でも「非ネイティブ」なんだなって感じるよね〜。

かわいいお家が建てられた年代は古くても15世紀ぐらいらしい。

14世紀の邸宅を利用したワイン屋さんのある広場

かわいいお家ゾーンを抜けると広場に出ます。まず目に入るのがこの建物。

▼ルイ14世の家来の邸宅を利用したワイン屋さんらしい。

▼空がどんよりしてますが、これもノルマンディー地方の特徴。

今日は土曜日。広場の前では市場が開かれてます。うちのマダムもだけど、みんなこの市場を目当てに集まってきている感じがあった。
ウィストラムもそうだっただけど、フランスは時間や曜日によって市が立つのよね。そういうとこ好き。

おかしなお土産物屋さん

観光地といえばお土産物屋さん。

小さいのは2ユーロ、ちゅうくらいは3ユーロ、大きのは5ユーロらしい。
この写真、見るたび笑っちゃうんだけど、お店の前でマダムと「何これかわいいー！」ってキャッキャしてたら、中から店主のおじさんが「やあ！」と出てきて、ちょっと気まずかった。

15世紀からディープ・シュール・メールの人々の胃袋を支えてきたレ・アル

私がこの村で一番見てもらいたいのがこのレ・アル（Les halles）!
レ・アルとは市場っていう意味なんですけど、なんとここ、15世紀に建てられた木組みの建物。

（外観を撮り忘れたのでこちらのサイトからお借りしました。→https://www.emitravel.net/contents/village1.html　）

中はこんな感じ。

見よ！　どうだ！　古いだろ！

こちらも広場同様、土曜日になると市が開かれます。
お肉やチーズやお魚やお惣菜がたくさん売られていました。

こっちのお肉屋さんって、鳥まるごと、皮をはぎました！　ドン！　って感じで並べられてて、とても野性味がある。すごく月並みな言い方だけど「生き物殺して食べてるんだよな〜」というのをひしひしと感じる。
15世紀からずっとここで市場が開かれて、みんなが食材を買って、食べて、生殖してとそういうことがずっと続いていたんだな〜と思うと、なんか感慨深いですな。

ディーブ・シュール・メールはここです

（コロナのせいなのか「閉鎖」ってなってて不穏……）

おまけ

お家に帰って、夜の来客のためのパイづくり。
マダムと一緒に観ていた料理番組で、りんごをバラに見立てたパイづくりをしていてすごく美味しそうだったので一緒に作った！
うすーく切ったりんごを巻き巻きするんだけど、りんごをかなり薄く切らないといけないのに、結構な厚切りにしてしまったため大苦戦（マダムはうすーく切れていた）。

「とにかく巻くんだ！」ってことで「tournes tournes tournes（トゥルネ トゥルネ トゥルネ）！！」と二人してつぶやきながら巻き巻きしました。

おいしくできたよー！

今日も一日良い日でした〜。
Aujourd'hui, c'était une bonne journée.