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ドリップバッグのパッケージについて

ペルーに伝わる大地の女神
パチャママ(Pachamama)

先住の人々の言葉であるケチュア語・アイマラ語で「母なる大地」を意味するアンデスの古い神話に現れる代表的な女神です。
豊穣を司る大地の神であり全てのものの母親とされ、マチュピチュで有名なインカ帝国の時代にはすでに信仰されていました。

インカ帝国のころには、太陽(インティ)と大地であるパチャママを崇拝していたことは古代遺跡に残されています。
のちに大西洋を渡ってきたスペイン人のコンキスタドール(征服者たち)によって征服されるとカトリシズムを強要され、異端とみなされた現地の信仰は暴力的に抑圧されるようになり、土着の宗教的シンボルも徹底的に破壊されたようです。
しかし、パチャママへの信仰はキリスト教の聖母マリアとの習合によって生き延び、現在でも豊穣を司るものとして崇拝されています。


パチャママは地中または山の中に住む小柄な老女として表現されます。
きわめて細いビクーニャ(アルパカやリャマの仲間)の繊維で織られたアンデスの伝統衣装をまとい、さらにいつも紡錘でビクーニャの毛を紡いでいる姿で表されます。一方で、最近では人生の最盛期にある若く勝達な女性として描かれるパチャママの姿も一般的になっているようです。

アンデスに住む人々は、祝い事や祭りのときに酒を飲む際、グラスから少量の酒を地面にこぼしてから飲む習慣があるそうです。これは、良い酒が出来たことをパチャママに報告し感謝するための儀礼であると言われます。
なお、室内で床が汚れるのを嫌う場合には酒をちょっと指先に付けて一滴程度床にたらすということも行われるようです。


パッケージには、女神様の可愛いおばあさん姿と若いお姉さん姿をキャラクター化しました。
また、報告と感謝の祈りのためにお酒を床にこぼす習慣をデザイン化して飾り枠としてパッケージに織り込みました。

コーヒーと共に、産地の物語や風習にも思いを馳せて
味わって頂けましたら幸いです。


≪参考ページ≫


コチラの商品パッケージについてのエピソードです。
ペルー産3種類のパッケージを担当させて頂きました。


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