浄瑠璃姫物語の構成について

物語は大きく4つの内容から構成されている。

1,三河の国司兼高は海道一の遊君を妻にしていたが、子がなく、峰の薬師に祈って浄瑠璃姫を授かる。
2,牛若丸は金売り吉次に伴われ、奥州へ下る途中、三河の矢矧の宿に泊まり、浄瑠璃姫の御殿で催す管弦に笛をあわせ、一夜の契りを結ぶ。
3,牛若丸は再会を約束して別れるが、病気のため駿河の国吹上の浜に捨てられ、危篤に陥る。だが、源氏の氏神正八幡が現れ、姫に急を告げる。姫は侍女を連れて吹上へと向かい牛若丸を助ける。
4,奥州に着いた牛若丸はやがて数万騎を率いて都に上るが、浄瑠璃姫はすでに空しくなっていた。墓を訪ね経を読み、回向の和歌を詠むと、浄瑠璃姫は成仏した。

写本、絵巻…etc. により、様々な違いは見られるが、物語のストーリ展開において大きな筋としての以上4点については共通してみられる。


また以上の4点を指す際には次のように表す。

1,申し子
2,矢矧
3,吹上
4,五輪砕き

ただし、これらは物語のある地点を便宜的に示すもので、
内容の詳細については原典により大幅に差異がある。

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