第二十三話:ウガンダのミュージシャンとデート

 連絡先を教えたものの、連絡なんて来ることはないだろうと思っていたら、なんと翌日知らない番号から着信があった。電話に出てみると、なんとJose Chameleonだった!!

 もうそれだけでもビックリなのに、来週の日曜日にご飯に行こうと誘われた。嬉しかったのでショーンに話すと、否定的な意見を言われたので、当日はひとりで出かけることにした。

 待ち合わせ場所は、カンパラでは有名なファーストフードのお店だった。午後2時の待ち合わせだったので、時間通りについて飲み物を飲みながら待つことにした。もう待ち合わせ場所に着いていることだけメールした。彼からは、向かっているよとの返信があった。


 それなのに30分経っても来ない。


 さらに30分経っても来ない。まあ有名人だもんな、と少し諦め気味になってくる。


 何度も連絡するのは気が引けるし、かと言ってここで帰ってしまってよいものか、、。そんなことを考えながらもどんどん時間が過ぎていく。


 2時間くらい経っただろうか、黒い大きな車が店に横付けされて、Jose Chameleon本人が運転席から顔を出して、助手席に乗るように促された。後ろの席には彼のボディーガードともう一台の車には友人たちが乗っていた。

 みんなでイタリア料理に行こうということになった。何よりもJose Chameleon本人が運転して来たことにまず驚きだったが、それよりも驚いたのは、彼の気さくなふるまいだった。道端でだれかがJose Chameleonだと言われれば、窓を開け挨拶!!ヒット曲をアカペラで歌ってあげたりして、みんなも大盛り上がりだった。彼の行く先行く先で歓声があがっていた。

 ウガンダに来て以来に食べた、本格的なイタリアンは本当に美味しかった。残ったパスタとピザもお土産にと包んでもらった。彼は次の予定もあるということで、カンパラの乗り合いタクシー乗り場まで送ってもらった。

 それからも何度か連絡は取り合って、地方のコンサートに一緒に同行してくれないか(奥さんは一緒に来ないからとの注釈付きだった)?と聞かれたが、その時に色々なごたごたに巻き込まれるのはもうたくさん!と思って断ってから、まったく連絡が来なくなった。

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