第十三話:ウガンダ人の彼氏
私の20代でのアフリカ道中を語るにあたり、切り離せないのが恋愛話。なのでできるだけ包みかなさずに語っておこうと思う。(前提として、ウガンダだけでなく途上国では日本人の女性は相当もてる。日本のパスポートは最強だし、日本と言ったらお金持ちの国というイメージだし、何よりもアフリカでは色が白いだけでもてる。)
比較的厳しい家庭で育った私は高校卒業してからの恋愛に関しては比較的奔放であり、また20代は自分の寂しさを埋めるように常に彼氏が途切れないような恋愛をしてきた。ウガンダに来てすぐに電話で別れを切り出して、帰国したらもう一度話をしようということで別れた男性がいた。
最初の植林のワークキャンプで一緒だったロジャーになんとなく惹かれていたが、彼の英語能力が低く意思疎通するのがやっとレベルくらいだったのもあり、特にキャンプ中は恋愛に発展することもなく終わった。
携帯の連絡先を交換したというのもあり、連絡は時々とっており、また首都のカンパラに行った際に顔を合わせることもあった。何がきっかけになったかよく覚えていないのだが、私が病院の近くで一人暮らしを始めたころに付き合うようになった。サラさんもロジャーのことを好きだったようで、お互いが狙っていると分かったブシアでのワークキャンプ中には険悪な感じになったりもした。
このときには生活のレベルや収入などがあまりに違う人との付き合いが、こちらの常識では考えられないほど予想不可能で大変であると分かっていなかった。そしてすぐに知らされることとなる。
ロジャーはカンパラ近くに住んでおり、女性用の洋服を売る仕事をしていた。週に1回くらい、平日の夕方私の家に遊びに来たり、休みの日はカンパラのほうへ出かけたりしていた。時々お金をせびられたりしたが、少額なのでそこまで気にしていなかった。
ある日、いつものように平日の夜に遊びに来て、その日は珍しく泊まっていった。朝早く彼は出かけていき、私は一緒に家を出て裏にある共同トイレに、彼は表のゲートに向かっていくので、家の前のドアで別れた。私はトイレから帰ってきて、支度をはじめながらiPodがないことに気づいた。