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黄斑上膜&白内障(3) 手術 2024年3月29日



手術前


3月29日。雨
6時起床。
朝一番の手術なので、朝食なし。水分は7時までと言われていたのでカフェオレで一服。

7時過ぎに看護師さんがいらして、点滴用のカテーテルを左手に。
手を動かしやすいように手首近くの血管にしました、とのこと。
こういうとき血管が浮きやすい体質なのは我ながら優秀。

目薬が5種類あります。


これを時間によって組み合わせて差します。
間違えないように、キャップの色と用紙の色があわせてあり、そこに目薬を並べるようになっていて、おっちょこちょいの私には本当に助かるシステム!

8時45分。
呼び出しがあり、徒歩で病棟内の処置室へ。
なんの処置をされるのだろうと思ったら、車椅子に乗せられました。
そして血圧測定。

140/80

人生最高値!
140とか、私、生きてる?
これ、手術できるの?大丈夫?
自分では平気なつもりだったのに、血圧計は嘘つかないのね!

看護師さんは慣れた様子で
「ちょっと緊張してますね」
と。
そして瞳孔を開く目薬、麻酔の目薬をさされました。

この「処置室」で手術するのかな?それにしてはわりとオープンなつくりやなぁ、隣におじいちゃんいてはるし…
などと思っていたら、では行きましょう!と車椅子を押されました。

エレベーターに乗って連絡通路のある階へ。
そこからさらに手術室のある棟へ。

もうどこを通っているのか全然わからないけれど、めちゃ厳重な扉をあけたそこには「手術室」の扉がずらーっと並ぶ異世界が広がっていました。
やだ、なにここ、ドラマで見るよりずっと本格的(当然)。

「ちょっと待っててくださいね」
と手術室の中待合のようなところで待っていたところへ主治医到着。

ハイビスカス柄…
パステル調のハイビスカス柄のオペ着。

かわいい♡

こんなところにも患者を緊張させない配慮?
小児科におけるアンパンマン的なやつ?
体調のことなど聞かれ、いざ出陣!
手術室へと乗り込みました!

手術室

大腸内視鏡手術の時の部屋はとても狭く、普通の診察室程度でしたが、
この眼科の手術室はめちゃくちゃ広くてびっくり。

そして若干寒い。

部屋の中にはJ-POPがかかっていました。
誰の選曲?
リクエストできた?
ならKing Gnuがよかったわ。


医療事故を防ぐために、氏名・生年月日・手術する目の左右の確認。
そして車椅子から手術台へ移動。
歯医者さんの椅子のような感じで、頭を乗せる部分がくり抜かれたベッドで、頭を置いたあと改めて位置が決められました。
姿勢としては楽ちん。
ただ肌寒いので、足元に毛布をかけていただきました。

この時マスクをしていたのですが、マスクが喉元に当たって息苦しく感じたので、端を折り返してもらいました。
こんな感じで、不都合があればその都度口頭でお願いしました。

左手に血圧計、右手に酸素計、胸に心拍数を測るシールを貼られました。
これがあるので、手術時の衣服は襟元が大きく広げられるもの、という指定がありました。

髪の毛が落ちないように不織布のヘアキャップを被せられ、右耳には耳栓がはめられました。(消毒薬がかかるため)。

続いて消毒液で右目がじゃぶじゃぶ洗われました。これは少ししみました。
その後、顔にシーツがかけられたらしい(術前に渡された手順書に書いてありました)けれど、それはあまり気が付きませんでした。

追加の麻酔の目薬が差されました。
そのあと、注射の麻酔(のはず)、でも「なにか当たってるな」くらいの感覚。すでに何も見えません。

若手Dr.が「目をあけますね」と言って、何かの器具でまぶたをグリっと固定しました。
金属の靴べらのようなものを目の淵に当ててるような感覚(この辺、自分では見えないので)。
「これで瞬きはできなくなりましたからね」
それはそうだ、手術中にまばたきなんかされたら大変ですよね。

それと、手術前に「まつげは切るんですか?」とお尋ねしたら
「今はまつげを切ることはしません」とのこと。
助かりました!

超音波白内障手術

そして手術開始。
完全に部分麻酔なので、耳元の会話もはっきり聞こえました。
「一点を見つめる」ことに集中。
でも光が見えるほうがだんだんどこかわからなくなったりも。

まずは白内障の手術から。

手術説明書より


一言で言うならレンズ交換ですね。
私の右目は人工レンズになります。
天然物だと、ピント調整ができますが、人工物はそれができません。
左目の見え方に合わせたレンズで、手元は老眼鏡必須ですが、中遠距離はわりとみえるらしいです。

なすがまま。

天然物を人工物に替えるのって一体どうやるんだろうと思いつつ、でも想像したら震えが来るので、なすがまま。

白内障の手術中は、夢かわの世界でした。
ピンク色のワールド、その中に3つの穴があり、オレンジのムンクの叫びがずっと見えている不思議な世界。
陽キャラのムンク。
痛みは全くありませんでした。

白内障の手術は10分ほどで終わる、と聞いていたけれど体感ではもう少し長かったような気がします。

硝子体手術


次の硝子体手術になった途端、それまでのパステルカラーの世界が一気に銀河系宇宙になりました。
スター・ウォーズのテーマが脳内再生。
時折、エッシャーのだまし絵のような階段状のものが見えたり。

眼球が引っ張られるような感覚。
硝子体内のゼリーを吸い取り、空気を送る穴、光を送る穴、網膜のぶ厚くなった部分を剥がす機械を入れる穴。
3か所穴があけられている、というのは自分ではわかりません。


手術説明書より

網膜に張り付いた膜を除去する作業。
耳かきで耳掃除するような感じなのかなぁ。
この手術も痛みはありませんでした。

が!
一瞬緊張が走りました。
「網膜に穴が見つかったのでレーザーを当てます」と。

オプション発生。

術前の検査では見つからなかった網膜の穴が右目の右の奥にあったので、レーザーで焼く作業追加。
レーザーで焼いた部分が火傷になって穴を塞ぐというわけです。

だれ、そんなこと思いついたのは!
その後、網膜全体を確認する作業へ。
これが少し痛かった。

「痛かったら麻酔を追加します」
と言われましたが、我慢できる程度の痛みでした。

眼球のぐるりをなにかがなぞっているという、そうそう経験することのない感覚。
痛みがないのでこの感覚を楽しみました。

硝子体手術は60分から80分程度かかるという説明でしたが、こちらの手術は思ったよりは早く終わった感覚がありました。

手術は無事成功。

体につけられたあれこれが外され、手術台から車椅子へ移動。
主治医に思わず
「思ったより怖くありませんでした!」
などと言ってしまい笑われました。

再び手術室の中待合のようなところで病棟の看護師さんの到着を待ち、主治医と談話。
網膜の穴はレーザーで防げたので、心配していたガス注入はありませんでした。

新しいレンズに慣れるまで時間がかかるので、眼鏡はまだ作らないように、とか、感染症予防のためのあれこれ(後述)、とか。

「新しいレンズに慣れる」というのは、私の水晶体にレンズが物理的に馴染むことなのかと思っていたらさにあらず。

脳の認知レベルによるものとか。

なので、年齢が進んでからの手術だと、新しい視野を脳が処理できるようになるまで時間がかかるそうです。

手術室外の中待合に病棟の看護師さんがお迎えに来られたので、再び車椅子で病室へ。

手術後

10時25分 病室着
体温、血圧に問題がなかったので、点滴の針が抜かれました。
11時25分までベッドで安静に、という指示。
お手洗いや水を飲むのはOK。

いつのまにか眠っていたようです。
男性看護師さんが来られて
「お通じは?」
と聞かれ、オトメゴゴロがちょっとアレしたり。
「快調」と答えましたけどね。

昼食。
麦ごはん150g、赤魚の西京焼き、ゼンマイの煮付け、長芋とオクラの和物、水ようかん。

起きて歩き回って、背筋がゾッとしたこと。
右目の視界に丸い、黒いものが見える!!!
こ、これは一体??

目を動かすと視線に連動して動くように見えてそこまで連動していない。
視界の下半分の位置にずっと黒丸がいる。

ナースコールしたほうがいいのかな。
でも痛みはないし、ほかは目を閉じた時に見える時と同じような見え方だし。

コーヒーを淹れるついでにナースステーションに行き、症状を伝えたところ、特に慌てた様子もなく「様子見」とのことでした。
めちゃ気になるけど!!

目はまだ脱脂綿で覆われているので、どうなっているかは不明。
眼球内の手術だったので、まぶたに変化はないとは思うものの、眼瞼下垂が良くなってたりしないかなぁ、などと期待も。

目を休めるために、テレビ、スマホは見ずにラジオを聞きながら横になっていました。
3時過ぎまでお昼寝。

もう麻酔は切れていましたが、痛みは全くありませんでした。
ただ、目の中の黒丸だけが気になります。
なにこれ?

夕食
青梗菜、もやし、ベビーホタテのおひたし、揚げだし豆腐、牛肉と芋のうま煮。ご飯150g。
相変わらず美味!!
ほんまに美味しい。
これで一食490円、毎日食べたい!!

21時。
術後の目薬。
脱脂綿からアイパッチに代わりました。
目の中の黒い丸は大きくなるようなら言ってください、とのことでした。

こうして手術当日は穏やかに終了。
お向かいのベッドから時折聞こえるイビキがアレだけど。
いや、私も自分で気が付かないだけかもしれないけれど。
でも私にはアレがあるし!


眼科は短期入院が多く、人の出入りが激しいのですが、年度末の週末にかけて手術しようなんて人はあまりいないらしく、病棟はひっそりとしていました。

つづく


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