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解読 電子リコーダー エレフェ Elefue 1:運指基本構造と音域編(シンプルモード)


前書き:エレフェ Elefueとは

TAHORNG(タホーン)による電子リコーダー。筆者が感じる特長は、

  • アコースティック発音体を持たず、イヤホン使用時は周囲への音漏れゼロ

  • 本物のリコーダー運指、簡略化したシンプルモード、両方を実装

  • オクターブホールにより3段階オクターブを簡易に操作可能

  • トランスポーズが半音単位で±12 で指定可能、非常に低いC1から非常に高いC8(仕様書に載っていない運指を使えばG8)まで発音可能

詳しくは文末の参考サイトから

運指表の整理、分解

附属の運指表を示す。今回はシンプルモードのみを扱う。

エレフェ Elefue 運指表 オリジナル

3オクターブの音域が2段に分かれているため、1段に1オクターブに再配置する。

エレフェ Elefue 運指表 並べ替え

すると、左手親指で操作する2つの音孔(オクターブ音孔と呼ぶ)と、他の指(左手の人差指・中指・薬指、右手の人差指・中指・薬指・小指)とが独立しているのがわかる。切り分けて描き直すとこうなる。

エレフェ Elefue 運指表 オクターブホールとその他の切り分け

オクターブ内の運指(他の指)は別途解読とし、オクターブ指定に絞って解読する。
なお、鳴る音高の表記は「国際式」とする。

音域:音高の範囲の定義(シンプルモード)

オクターブ操作音孔(左親指)

■■:標準(基準)
◯◯:1オクターブ低くなる
■◯:1オクターブ高くなる
◯■:1オクターブ高くなる(説明書には記載なし)

トランスポーズ(Transpose:移調)

同じ運指のままで、半音単位で発生する音高を高く/低くできる。初期値は"0"。"-12"と設定すれば、1オクターブ低くなる。"(+)12"と設定すれば、1オクターブ高くなる。

音色(Voice)

1~10で指定する音色によって、1オクターブ高くなるものや1オクターブ低くなるものがある。

音色ごとの音高

かけ合わせ

例えば、オクターブ音孔=■■=±0、トランスボーズ=0、音色=8=オクターブ相対=0、であれば、C4の運指によって 音高C4が鳴る。
オクターブ音孔=■■=±0、トランスボーズ=0、音色=0=オクターブ相対=+1、であれば、C4の運指によって 音高C5が鳴る。

次に、トランスポーズ=0、オクターブ相対=0でいったん固定した場合、
・オクターブ音孔=◯◯=-1、であれば、C4の運指によって 音高C3が鳴る
・オクターブ音孔=■■=0、であれば、C4の運指によって 音高C4が鳴る
・オクターブ音孔=■◯=+1、であれば、C4の運指によって 音高C5が鳴る

3つの機能の全27通りの組み合わせにより、合算オクターブ相対は最低値-3から最高値+3の7段階を取ることができる。
音色によるオクターブ相対が0の場合は、最低値-2から最高値+2の5段階を取ることができる。

オクターブ相対かけ合わせ 1
オクターブ相対かけ合わせ 2

国際式音高表記の実例を付記しておく。

低い側

  • C1:約33Hz、5弦コントラバスのC線、コントラファゴット・88鍵ピアノのほぼ最低音

  • C2:約65Hz、へ音記号下2本加線、チェロ・バリトンサクソフォンの最低音、ファゴットのほぼ最低音

  • C3:約131Hz、ビオラの最低音

高い側

  • C8:約4186Hz、88鍵ピアノ、ピッコロの最高音

  • C7:約2093Hz、普通フルートの最高音

  • C6:約1047Hz、ト音記号上2本加線

さらに発展

先述の音色・トランスポーズ・オクターブホールを固定した音域は、附属の運指表上ではCから始まり1オクターブ上のCで終わっているが、載っていない運指によってさらに高いGまで出すことができる。よって、表「オクターブ相対かけ合わせ 2」では最高音をC8と記したが、G8:約6300Hzまで出すことができる。詳細は「解読 電子リコーダー エレフェ Elefue 運指編」を見てください。

エレフェ Elefue 運指表 発展型イメージ

参考サイト


https://www.soundhouse.co.jp/contents/staff-blog/index?post=3281

以上


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