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東京2020大会1周年記念イベント Day2

7月23日に東京の国立競技場で東京2020大会1周年記念セレモニーが、28日には立川ステージガーデンで競技体験イベントが行われました。これらのイベントは東京2020大会1周年記念 TOKYO FORWARDとして実施されました。

今回は前回の続きDay2です。

Day2.
TACHIKAWA STAGE GARDEN

7月28日(木)、東京都立川市の立川ステージガーデンにて、競技体験イベントが行われました。
競技体験はボッチャ、スポーツクライミング、視覚障害者柔道が行われ、デジタル競技体験として、VR車いすレーサーやAIを活用した体力テストが実施されました。


今回も東京には前日入り。羽田空港から品川・新宿を経由して立川へ向かいます。
立川という街を訪れたのは今回が初めてでした。というか、東京を訪れて23区外に出たこと自体が初めてのような気がします。

立川駅について最初の印象は「人が多い」でした。
もちろん、東京は人が多いところだというのは知っていましたが、23区を出ればそうでもないだろうというのが勝手な印象でした。今回もまた世間知らずを思い知ったわけです。

翌朝、駅に集合し立川ステージガーデンへ向かいます。日光の眩しさに耐えつつ、街を見渡しながら歩いていたのですが、想像していたよりもずっと綺麗な街です。聞いたところによると、再開発だか区画整理だか、都市計画だかによって整備されたそうで、以前に比べると格段に綺麗な街になったのだそうです。

目的地には10時ごろ到着。控室に案内されました。

控室

まずは着替えと打合せ。
打合せは会場にて行いました。

柔道の競技体験スペース

今回の柔道体験スペースの運営は北京パラリンピック日本代表の初瀬勇輔さん、東京パラリンピック日本代表の小川選手と私、そして東京学芸大学柔道部の学生さん4人、そしてたくさんのイベントスタッフさんで行われます。

自己紹介やおおよその流れ、役割分担などを確認し、準備します。進行は初瀬さん、他の選手・学生が実演というのが大まかな役割分担です。

開場は11時。準備と言っても私にはそれほどやることがないので、フラフラと遊びに出かけます。
興味はあれど一度も体験したことのないボッチャを可能ならば少しやってみたい…そんな期待を胸にボッチャチームの控室へ。

初瀬さんの紹介でボッチャチームの控室に入ると、なんと!廣瀬隆喜さんがいらっしゃいました!!
廣瀬さんは東京パラリンピックでも大活躍された選手で、ボッチャを知っている人なら全員知っているのではないかというほどの有名な選手です。

一緒にいらしたチームスタッフさんにイベント開始までの時間で少しボッチャを体験させてもらえないかとお願いしてみたところ、なんと、廣瀬さんがお相手をしてくださるとのこと!
これ以上ない貴重な機会を得ることができました。早速会場に移動して体験スタート!

ボッチャを体験!

廣瀬さんと会場に控えていたイベントスタッフの皆さんと一緒に、1ゲーム。
残念ながら十分な時間がなかったので、私は1球しか投げられませんでしたが、なかなか良いスローができたと思います(笑)

元々ボールを投げるのは運動の中では比較的得意な動きですし、ジャックボールが白いのも見えやすくて助かります。後者は地の色に左右されますが。ボッチャをプレイする上で唯一問題とするならば、赤と青のボールの見分けがつきにくいことでしょうか。
これも用具によるのかもしれませんが、ボッチャの青いボールはかなり濃い青なので、私の場合は赤と見分けがつきづらいですね。

しかし、ボッチャの楽しさの前ではそんなのは些細なこと!
廣瀬さんは一球ごとにどう投げるべきか、どの位置から投げるのが良いかなどを解説してくださいました。考えれば考えるほど面白い! いつかまたじっくりボッチャをする機会があればと思います。

さて、時間が来たので本業へ。
柔道の体験は1回20〜30分。1回あたり6人の参加者を募り、柔道着の上衣を着せ、帯を締めてもらいます。
まずは全員で座礼。初瀬さんが我々の紹介、視覚障害者柔道の紹介をします。視覚障害者柔道の特徴や面白さを簡単に。
次に軽く準備運動をしてから、技の練習。前半の回では大腰。後半は大外刈を実演しながらレクチャーしました。実演は私と小川選手で行い、学芸大の学生さんが受けてくれました。
技を教える時は手順ごとに区切って説明します。例えば大腰ならば、
1.相手の背中に右手を回す
2.右足を相手の右足の前へ
3.腰を回転させながら左足を右足の後方へ
4.相手を腰に乗せ投げる
このように分解してゆっくり動きながら説明します。

柔道経験者ならわかってくれると思うのですが、ゆっくり技に入るのはすごく難しい。多少のバランスの崩れをスピードで誤魔化している節があります。本来はゆっくり入っても十分にバランスを取れるのが一流でしょうが、私の習熟度はそこまで達しておらず…
しかも投げるとなるとさらに難しい。しかし、私は非常に綺麗な大腰を決めることができました。なぜか、受けてくれた学生の受け方が超上手い! 綺麗に飛んでくれました。

今回幾度となく私のヘタクソな技をキレイに受けてくれた彼には感謝しかありません。特に後半は大外刈をレクチャーすることになりましたが、私はまるで大外刈ができません。なんとなくでやっていましたが、彼のおかげで参加者からは歓声が上がっていました(笑)

技のレクチャーの次は実際にやってみよう、ということで打ち込み。
参加者と選手または学生がそれぞれ組んで参加者が打ち込みをします。元気のある方は投げ込みまで。時々素晴らしいセンスをお持ちの方がいるのが驚きです。そういう方には「柔道を始めてみませんか?」…

ある程度技を覚えたら、今度はアイマスクをして打ち込み。
視覚障害者柔道の選手が皆全盲というわけではありませんし、全盲の選手でさえ普段の経験から得る感覚が人それぞれあるので、アイマスクをすることが必ずしも視覚障害の体験になるというわけではありませんが、やはり手っ取り早くてわかりやすいのがアイマスク。視覚障害関連の体験会と飛行機の国際線には欠かせないアイテムです。
ちなみに、私は機内ではアイマスクをせずに眠っています。

実際にアイマスクをするとやはり動きづらいようです。それでもその場で決まった動きをするだけの打ち込み。参加者の皆さんはすぐにアイマスクをしていない時と同じように動けるようになりました。

次に少し動いてみよう、ということで、まずはアイマスクを外して組み合った状態でお互い自由に動きます。こちらは技こそかけませんが、柔道っぽい動きを体験してもらおうと体捌きなどで参加者を軽く振り回します。参加者の皆さんはかなり力を入れて踏ん張る方や、逆にこちらを振り回そうという方もいらして、なかなか楽しかったです。
この動きの中で先ほどレクチャーした技をかけるよう促してみます。人によっては経験者かというくらい完璧なタイミングで技に入る人もいるので驚きです。
「柔道を始めてみませんか?」

ある程度動いたら再びアイマスクを装着。同じように動いてみます。
流石にこれは難しいようですね。ほとんどの方の足が止まります。その場でグッと力を入れて踏ん張る人がほとんどです。

先にも書きましたがアイマスクをすることが必ずしも視覚障害者柔道の体験になるわけではありません。それでも視覚に頼らずに動くということの体験は視覚障害者柔道の面白さや難しさを十分に体感していただけると思います。
また、晴眼者の柔道でも視覚に頼らずに動くという技能は非常に重要だと思います。そういう意味では視覚障害者柔道だけでなく、柔道そのものの面白さを体験していただけたのではないでしょうか。

体験会では最後に投げられ体験も実施しました。
高跳び用のマットが準備されており、希望する方は私がそこへ投げ飛ばすという斬新なメニュー…

大人の方々には一本背負で、子どもたちは背負投で投げました。
ここでポイントなのは、子どもを投げる時にはあえて高さをつけること。上向きにフワッと高く持ち上げてから投げます。
子ども全員を一括りにするのは問題ですが、これまでの経験則的に子どもは高く持ち上げると喜びます。たぶん。少なくとも今回は投げられたいと手を挙げた方々ですので、喜んでくれたはず。…喜んでくれてると私も嬉しいです。

集合写真、パラ柔道メンバーと学芸大柔道部の学生さん

体験会は全8回。各回の間で10〜20分の休憩を挟みましたがかなりの重労働でした。
特にお手伝いいただいた学生の皆さん、本当にありがとうございました!

さて、その休憩の間ですが、休んだり昼食をとったりなどしましたが、ずっと休んでいるはずもありません。
すぐ隣にスポーツクライミングの体験ブースがあります。体験しないなどということはあり得ません。
お昼過ぎ、たしか5回目の後だったかと思いますが、クライミングの体験もさせてもらいました!

それにしても…
未だかつて柔道着で壁を登った人類がいたでしょうか。会場に訪れた方からはどんな目で見られていたのかわかりませんが、周りの目など一切気にせず、柔道着クライミングの先駆者となるべく壁に立ち向かいました💪💪💪

スタート位置に足をかけます
スタッフさんの指示に従い手と足を進めます
反り返る面へ移行
手足がプルプルしました
ゴール!!

楽しい!超楽しい!
そしてきつい!難しい!
スタッフの方に一手一歩ずつ教えてもらいながら順に登り、初級のコースをクリアしました!

さらに少し難しいコースがあるとのことでチャレンジ。同じ壁ですが、赤いブロックのみで登るそうです。

この位置からスタート

よく見てみると赤いブロックはわずか数個しかありません。
写真のスタート位置から右足を大きく振り、左のブロックへ踏み出してジャンプ!
隣の面の赤いブロックを掴むそうです。

ジャンプ!

言われた通りにやってみました。
怖い!!難しい!
2度ほど挑戦しましたがダメでした…。赤いブロックに手をかけるところまでは行くのですが、そこで掴んで体を支えることはできませんでした。
もちろん、そう簡単にできるものではないのでしょうが、これで初級というので驚きです。
いつかリベンジしたいですね。


TOKYO FORWARD Day.2
なかなか慌ただしい1日でしたが、とても楽しい1日でした!

体験会で多くの人に視覚障害者柔道について知ってもらえたことはなにより嬉しいですし、体験してくださった方々が皆楽しそうだったのは本当によかったです。
今後はもっと多くの人に柔道・視覚障害者柔道の魅力を発信していきたいと思います。

「柔道を始めてみませんか?」


最近、ひとつの記事が長いのではと思い始めています。
書きたいことを全部詰め込みすぎでしょうか。思い出日記みたいなものなのでそれでもいいのですが、毎度投稿までに時間がかかりすぎているのも反省です。

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