ユージン

都内で働くコピーライターです。企画やデザインもしています。つくることがすき。

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マガジン

  • ハンフィクション〜あったかもしれないB面の物語〜

    • 7本

    自分の周りで起きた出来事が カセットテープのA面だとしたら、 その裏では、自分の知らないB面の物語が 密かに巻き起こっていたかもしれない。 ノンフィクションでもなく、フィクションでもない。 半分ほんとで、半分妄想。 これはそんなハンフィクションのお話。

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行き場を失った愛情は、どこへいくのだろう。映画『君が君で君だ』

好きで、好きで、大好きすぎて、 どうにかなりそう。既に付き合ってるカップル同士であれば、 のろけ話はどうぞご自由に。という感じだが、これが片思いとなれば、話は別だ。 特に、男子の片思いの場合は。 映画『君が君で君だ』の試写会に行ってきた。 まずは、あらすじを読んでほしい。 大好きな女の子の好きな男になりきり、自分の名前すら捨て去った10年間。 彼女のあとをつけて、こっそり写真を撮る。彼女と同じ時間に同じ食べものを食べる。向かい合うアパートの一室に身を潜め、決して、彼女に

    • 知らない古書店が閉店しました。

      就職して最初の研修は、テレアポ100件だった。 そういう会社があるらしいよ、というのはどこかの噂で聞いていたものの、都市伝説とかどこか遠くの国のお話くらいに思っていた。 まさか自分がそのお話に該当するなんて予想もしていなかった。 どうやって集めてきたんだってくらい膨大な顧客リスト。何千行もあるExcelファイルに唖然とした。 その長さを確かめるように、人差し指でマウスホイールを何度も転がした後、僕は途方もなく長い修行になることを覚悟し、1人1台支給された固定電話

      • 新宿キャッチ&リリース

        ごー、ろーく、なーな、8回目。 まだまだいけるぞ〜頑張れ〜。 先に訂正しておくと、 これは筋トレの回数を数えている訳ではい。 なにせ私は今、バイトの真っ最中だ。 寒空の中、新宿の路上でベンチコートを着て立っていると言えば、多くの人が察してくれる。そう、居酒屋のキャッチである。 そんな私が、いま何を数えているかというと、道路の向かいに見える男が、ナンパに失敗する回数を数えている。 見知らぬ人に声を掛け、ほとんどの人間が怪訝そうな表情をして避けていく。そして、また声を掛

        • いつもの店のいつもの席で。

          人は、お決まりの場所があると安心する生き物だと思う。 いわゆる、行きつけ店がそれに当たるが、行きつけの店の中でもさらに局所的なベストポジションがある。 たとえば、ファミレス。入り口からまっすぐ進んだ右側のドリンクバーから1番近いソファ席。地元のデニーズで言えば、そこがぼくのお決まりの席だ。 空調の効き加減が絶妙で、溜まった仕事を片付ける時や読書をしたい時、お腹の弱いぼくでも長時間居座ることができる席がそこなのだ。 ぼくの場合、居心地良さは空調設定が第一条件だけれど、居

        • 固定された記事

        行き場を失った愛情は、どこへいくのだろう。映画『君が君で君だ』

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        • ハンフィクション〜あったかもしれないB面の物語〜
          7本

        記事

          おねだられライスペーパー

          ---------------------------------------------- ※これは「おねだりライスペーパー」を別視点から描いた”B面の物語”です。A面の物語はコチラから。 -------------------------------------------- 我が家には 子どもたちに嬉しい制度がある。 誕生日には本人の食べたいものを 何でもリクエストしていい、というものだ。 普段どうしても同じような献立(それも冷凍食品で済ませてしまうことも多々

          おねだられライスペーパー

          何者かになんてなれないよ。

          あなたは、あなたになるんです。 グサッと胸を刺された感覚と同時に、 救われたような気もした。 -------------------------------------------- コピーライター、デザイナー、Webディレクター。並べられた耳触りのいい肩書きだけが、ぽかんと宙に浮いている感覚だった。 取材をして原稿も書く、サイトのディレクションもデザインもする、人手が足りなければコーディングだってする。 部署が変わる度、 仕事内容が大きく変わり肩書きも変わる。

          何者かになんてなれないよ。

          I Love Youの定義

          夏目漱石は、「I Love You」を「月が綺麗ですね」と訳した。 あまりにも有名な言葉だ。 当時の夏目漱石は、愛とは「共有」である。と定義したのではないか。 コピーライターの阿部広太郎さんは、そう話した。 ボクはいま、「言葉の企画」という講座に通っている。 阿部さんが講師を務め、言葉の力を学び、実践する半年間の連続講座だ。 第1回目のグループワークでは、 先ほどの夏目漱石の言葉を例に出し、 2018年、今のあなたなら、「I Love You」何と訳しますか?というお題

          I Love Youの定義

          僕が、ライブハウスに行く理由。

          5月17日 恵比寿LIQUIDROOM。 4年ぶりのライブハウスだった。 学生の頃はよく通っていたけど、社会人になっていつの間にか足が遠のいていた。 いま考えると、ライブの高揚感のあと現実に引き戻される感覚や、 キラキラして夢を語っていた学生時代と今の自分とを比較して襲われる虚しさから、無意識に背を向けていたのかもしれない。 そのせいもあり、社会人になってから音楽はダウンロードしたり、YouTubeで聴いたりして、ライブとは一定の距離を置いていた。 それでも、今回ライ

          僕が、ライブハウスに行く理由。