【無料】雨上がりの空に雲の切れ間は似合わない
自分の中で迷いましたが、やはり文章として自分の気持ちを残しておこうと思いました。
雨上がり決死隊さんの解散に関して…
心の中でとどめておけばいいのは分かっております。
オマエごときが何を言うとんねん?とセルフツッコミしてしまうほど、雨上がりさんは偉大すぎるお笑い界のトップランナーです。
本来ならこんな形で解散するようなコンビではなかった。
ボタンの掛け違いは人生そのものを変えていく。
10年前に雨上がりさんがこんな最期を迎えるなんて誰も想像できなかった。
いや、10年前どころか、つい最近まで。。。
あの騒動があってから宮迫さんはテレビに出られなくなりました。
いわゆる芸能人が不祥事を起こした際の謹慎とも少し状況は異なります。
それぞれの立場からの主張や事情もあり、一筋縄ではいかない複合的な要素入り混じる状況になったのは想像できる範疇だとは思います。
テレビに出られなくなった宮迫さんはYouTubeに活路を見出します。
宮迫さんがYouTubeを始められたことから複雑な気持ちが続いていたと蛍原さんもおっしゃられていたように、宮迫さんのYouTubeでの活動が雨上がりさんを解散へ向かわせました。
昔なら何かしらの事情でテレビに出られなくなった芸能人は事実上なすすべがなく途方に暮れるしかなかった。
だけど、今は時代が変わり、誰でもすぐに始められるYouTubeなどのプラットフォームが数多存在します。
テレビに出られないのならネットメディアが活動の選択肢に入ってしまうのは自然な流れだと思います。
先述したように、自分ごときが語れるようなことではないですが、どうしても1つだけ言いたいことがあったので文に残しておくことを決めました。
なぜ、宮迫さんは1人でYouTube活動をやらなかったのか?
これは宮迫さんがYouTubeを始められた当初から一貫して私が思い続けてきたことです。
人気ユーチューバーとのコラボを連発し、お笑い界のトップランナーである宮迫さんが驚くほどナチュラルに降りて行く姿は不自然極まりなかった。
「降りる」と表現すればユーチューバーに失礼かもしれませんが、「降りる」が適切な言葉です。
プロの世界で30年のキャリアを持ち、お笑いの世界でトップクラスに君臨し、芸人さんからも高い評価をされている宮迫さんが、なぜユーチューバーの力を借りなければいけなかったのか?
もちろん、トップユーチューバーはYouTubeの世界で結果を残し、撮影編集もこなせるマルチな才能にも長けており、そのスキル自体は素晴らしいのですが、
それと雨上がり決死隊の宮迫さんが絡みに行くのは話が違います。
まだ私が駆け出しの頃、深夜のコント番組に見習いでつかせていただいていた時期がありました。
その時、宮迫さんがゲストで来てくれた時があったのですが、私は悶絶して腹が千切れるくらい笑い転げた記憶があります。
「雨上がりの宮迫おもろ!!!」まだ、20代の前半だった私は心の中で叫び倒した思い出があります。
小さな部屋に簡易的なセットを立ててのコント番組だったのですが、あの近い距離で宮迫さんの力を目の当たりにさせていただいた貴重な経験。
未だに忘れられないほどに宮迫さんは面白かった。
それなのに、、、なんで???
あれだけ面白かった人が1人でYouTubeを始めなかったのはなぜ?
もちろん、YouTubeにおける数字の諸々は面白さと比例しないのは知っております。
トップユーチューバーを巻き込めば、それなりの数字を見込めるのは間違いありません。
ユーチューバーのファンからしても話題にもなるでしょうし、数字的な観点だけを考えればメリットがあるのは理解できます。
さらに、宮迫さんの芸風との相性もあります。
宮迫さんは誰かと絡みながら展開を作ることを得意とする方なので、カメラに向かっての1人語り向きじゃないことも分かります。
相手の話を引き出したりツッこみながらリズムを作っていく方なので、動画を作る上でトーク相手が欲しかったのだとは思います。
でも、そうであっても…
数字じゃないところで勝負してほしかった。。。
いや、あえて言います。
YouTubeを始めるならば、絶対に数字じゃないところで戦うべきだった。
YouTubeを手伝ってくれているスタッフの生活など様々な事情もあるのかもしれませんが、数字だけを闇雲に追い求め始めたら、それはもう立派なユーチューバーです。
ユーチューバーがどうのこうのではなく、宮迫さんはプロのお笑い芸人です。
プロのお笑い芸人がプロである所以は…
目には見えないもので心を震わせることにあります。
世の中には可視化できないけれど、なぜだか魂を揺さぶってくるものがあります。
「なんかよく分からないけれど凄え!」
「うまく説明できないけどめちゃくちゃおもろい!」
理屈や論理などを超越し、ダイレクトで観る者の心に届かせる表現の世界…
それを正真正銘、プロの世界と呼ぶのです。
そして、プロの世界での表現を何十年にも渡って高水準でやり続けてきたのが雨上がり決死隊の宮迫さんです。
プロの世界で通用しなかった人がペコペコしながら降りていくのとは訳が違います。
人々の心を震わせることのできなかった人が、魂を売って目の前の数字を追い求めるのなら理解を示せます。
ああ、、それしか方法がなかったんだな…と、哀れみの目こそ向けますが道筋としては理解できます。
だけど、宮迫さんは違います。
宮迫さんは間違いなく面白かったからです。
宮迫さんがプロの世界においてトップランナーであったことは純然たる事実なのです。
自分ごときが言及するのは筋違いですし、失礼なのは百も承知です。
ナルシストだとイジられることも多かった宮迫さんですが、もし、宮迫さんが本当に"エエ格好しい"ならば…
誰の力も借りずに1人で地道に戦っていくことが1番カッコ良かったと思います。
仮に、あのタイミングで宮迫さんがYouTubeを始めたにせよ、、、
闇雲に数字を追い求めず、自らのお笑いスキルだけを体現しようと1人で誠実に動画制作に取り組んでいれば…
未来は変えられたのかもしれない。
実際のところはもっともっと複雑でしょうし、簡単に説明できるような結論じゃないことは当然推測できますが
私一個人の思いとして、何か大切なものを深く考えざるをえませんでした。
人生に必要なのは
何人から支持をされているか?ではなく
誰から支持をされているか?
人生に求めるべきは
何人から信用されているか?ではなく
誰から信用されているか?
人生を語れるほど長く生きてもいませんし、自分ごときまだまだ未熟な若輩者ですが、ブレてはいけない信念を一つ。自らの手の中に入れてギュッと握り締めます。
雨上がりの空に雲の切れ間は似合わない。
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