自蔵

ひとりになるのはこわいけど

もっとよくなるために

いまはここにいて

いぬみたいに

いきてる

つらいことが

ゴミ集積場に貯まって

おじさんがいる

誰にも必要とされない

目を背けられる

おじさんが

こっちを見て

笑う

夕陽が斜めに刺して

鉄のにおいがする

「底辺だよ。ああはなりたくないね」

と隣に座る男が言う



もう一度

触れたら血が出そうな程に

孤独を研ぎ澄まして

いけば

飛行機に乗って

砂漠で王子様に会った

アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリみたいに

夢の中を泳いでいく

おじさんに

なれるかもしれない



汚くなった

僕は

路上にいて

掌を合わせ

生きてることに

感謝し

永遠の死に焦がれ

涙する

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