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現役ばりに特集のアイデア出してみた

皆さん、こんにちは!
今回のテーマは「特集内容のアイデア出し」です。

まず、私は特集記事を作る時、次の「4つの柱」を念頭に置いていますので、それを紹介します。

◎自治体はなぜ・何のために広報をするのか
◎広報をすることによって自治体をどのようにしていきたいのか
◎誰に何を伝えたいか(受け手は住民)
◎興味を持って最後まで読むことができる構成の工夫を・・・・・・ です。

例えばですが、全国広報コンクールで昨年2年連続日本一に輝いた『広報きたもと』。平成28年11月号で特集した「財政状況伝えるマン」は、自治体広報としては斬新な表現でしたが、上記の4つについてしっかりと考え抜かれた内容でした。(読んだことがない人はこちらから)

https://www.city.kitamoto.lg.jp/material/files/group/44/945_p01-36.pdf

ふざけすぎると足を踏み外すこともあると思いますので、アイデア出しをするときは「4つの柱」をしっかりと心にとめておいてくださいね。

【題材は『広報うちこ』来月号の特集】

さて、アイデア出しの方法です。
今回は、広報うちこの令和6年2月号で特集予定の題材をもとに説明したいと思います。以前は忙しくて投稿できなかった、リアルでナウなやつです。実際に作るのは私の後輩のKさんですが、「兵頭ならこう企画する」というのが、参考になれば幸いです。

【特集のテーマは?】

内子町内の伝統文化施設3館が、町民のみ期間限定で無料になるので、それを皆さんに周知してほしい、というのが2月号の特集のテーマだそうです。

えーっと、まずどんなことをしているか見せてしまうと、こんな感じです。

なんじゃこりゃー

そこら辺にあった裏紙にグチャグチャーって書いています。
多分、マインドマップとか、マンダラートみたいなものを自己流でやっているんだと思います。すごいねー(笑)。

基本的に感覚で作っているので、ロジック的ではないのが申し訳ないですが、順を追って説明します。

【1_スタートとゴールの設定】

4つの柱を念頭に、スタートとゴールを決めます。

きれいにしてみる

今回はテーマが「伝統文化施設3館の入場無料」なので、そこをスタートラインに設定します。通常は「何を特集するか」がスタートになります。そのネタを見つけるのが難しいのですが、そこは置いときます。

ゴール設定も最初はシンプルに、「無料期間中に施設に来てもらう」とか、「各施設の魅力を知ってもらう」とかでokだと思います。後でいっぱい考えるので、思いつきをパパッと書くのがコツかもしれません。

【2_誰に何を伝えるか】

4つの柱の中の「誰に何を伝えるか」からアイデアを出していきます

思いついたことをメモするだけ

「誰に」は、基本的に住民の皆さんになるのですが、もっと具体的に絞り込みます。今回なら、「旧内子町以外に住む若者で、まだ施設を訪れたことがない人」のような感じです。このペルソナだと、歴史民俗資料館などは、「あることも知らない」という可能性さえあります。これをゴールにどう導こうか、って脳みそをグルグルと回し始めるのです。

次に「何を」は、各施設のことになりますが、こちらももっと具体的に「建物自体の魅力」「施設や展示の面白さ」とか、「館内にある映えスポット」「施設の面白いエピソード」などと、思いついたことを書き込んでいます。

【3_どのように伝えるか】

レイアウトや伝え方などのアイデアを、先ほど設定したペルソナに刺さるように考えます。「旧内子町以外に住む若者で、まだ施設を訪れたことがない人」だから、興味を引くところから始めなきゃ、ですね。歴史的・学術的なアプローチもありますが、それは玄人好み。それよりも気軽さやインパクトを重視した方が良いだろうと考えました。

おお、アイデア広がってるねー

それから、意外と内子町民でも市街地に足を運ばない人もいるので、「地図を付けて施設や駐車場の場所をわかるようにすることもいるかな」とか、「後の利用のことも考えて、いっそのことガイドブック的にしてはどうか」とか、伝える方法にも思いを巡らせます。

特集内に登場する人を変えることで、伝わり方も変わります。この流れなら、専門家や職員が登場するよりも、もっと身近な人ですね。ペルソナと同世代の人とか、同じように施設に入ったことのない人に体験してもらってインタビューする、なんてことも考えられます。

【4_さらにアイデアを広げる】

1~3のことを考えているうちに、いろいろなアイデアが浮かぶと思います。実行するかは別として、メモをどんどん取りましょう。

現役のときは本なども読んでいろんなメモを取ってました

私の場合は、「誰かに3つの施設を巡ってもらう」といのうが、一番に思い浮かびました。楽しそうな雰囲気が伝わるし、新しい発見や驚き、面白さも取材しながら探せそうです。

また「映えスポット」の紹介というアイデアから、公式インスタとの連携を発想しました。これもペルソナにバッチリ合いそうです。それから、この特集を考えている最中、「成人式で配布している無料チケットが、あまり使われていない」という情報をキャッチ。現役並みにアンテナ4本立ってますから(笑)。

話がそれましたが、つまり「無料」だけでは目的の達成は難しそうということです。期間中のイベントの紹介もした方が良さそうですし、担当者と協力してインスタを媒体とした投稿イベント、成人式を意識した着物の記念撮影など、もうひと工夫を加える必要性を感じました。

【膨らんだアイデアを凝縮した紙面に】

ここまで来ると紙面の雰囲気がある程度見えてきます。

「以前の特集で似たのがあったな」とか、「旅行雑誌とかが参考になりそうだな」とか、参考にしたい雑誌や広報紙も思い浮かんできます。時間があるのなら、どんどんアイデアを膨らませていきましょう。

ただし、これは骨子を作る前の作業。特集のイメージを自分の頭の中で膨らます工程です。いざ骨子作りや取材になると難しい部分も出てきますが、それはそれでいいと思います。多分ですが、使う言葉や表現が変わっているはずです。

私はこのアイデア出しの中で、各館無料なので「感無量」という言葉をメモしていました。ただのダジャレですな……。でも、無料期間の意義を「感無量」に近い、別の言葉で表現できたら、この特集はきっといいものになると思います。裏テーマは「感無量」。おし、これで行こう。その言葉を表現できるものを探しに取材先の奥深くまで潜入してきます。

いや、現役ちゃうけどね。

今回は以上です。


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