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特集「猫、だって。」の振り返り|この特集をもっと深掘りしたい人へ

 はじめまして、広報うちこの兵頭です。
 先日9月号の発行を終えたのですが、一息つく間もなく、新しい取り組みに挑戦しています。その一つがこのnote。広報紙で伝えきれなかったモヤモヤなどをこちらで晴らすつもりです。非公式なので、自由な感じで町のことや広報紙づくりのことを書きたいと思っています。文章は雑になるかもですが、ご了承ください。
 
 今回は早速、9月号の特集「猫、だって。」の補足です。

特集の表紙(左)と、2~3ページ目

タイトルに込めた思い

 特集の「猫、だって。」というタイトル。自治体広報紙では珍しいですよね。実は雑誌のBRUTUSに「犬だって」というのがあって、いいなと思いました。言葉の余白が。寒そうな犬の表情と、小さく添えられたタイトルが共鳴し、「なんだろう」と引き込まれます。
 この特集を企画する前に心配していたのが、猫好きVS猫嫌い。多頭飼育崩壊などの社会的な問題もありますからね。正直、怖かったけど、各々の猫に対する感情のまま、特集に入り込んでほしいという思いがあって、このタイトルを採用しました。言葉の余白も最大限に生かしたい―― だから最初のページは、あえてタイトルだけにしています。

広報紙で「はしご」をかける

 町役場の仕事は公平・公正を求められるため、「漏れがないように」「誤解がないように」と職員は考えます。でも、その考え方が住民側と行政側の間に壁を作ってしまいます。住民側が知りたいことと、行政側が伝えたいことに隔たりができ、「伝わらない」という状態。その壁があること自体に気付かないと悪循環が続きます。行政嫌いとかも、その延長なのかもしれません。そこで広報係の出番です。私たちが特集や分かりやすい記事を作ることで、住民側と行政側にできる壁にはしごをかけ、「のぞいてみたい」「もっと知りたい」と興味を持ってもらうことが、広報紙の一番の役割ではないかと考えます。
9月号の特集も同じです。

野良猫に餌を与えること=悪いこと、なのか

 「お腹を空かせて弱っている子猫を助けたい、という娘のやさしさを大切にしたい」。今回の特集の取材の中で、読者に届けたいと思った言葉の一つです。一方、行政側からは毎年、9月の動物愛護週間に合わせて「無責任な野良猫への餌やりはやめましょう」とお知らせしていました。
 猫を助けたい側からの言葉と、猫で困っている側からの言葉ですよね。正直、私は後者側の考えでした。だから「娘のやさしさを大切にしたい」という言葉が胸に響きました。この両者の隔たりは毎年の啓発記事では埋まらない――。野良猫に餌を与えることは本当に悪いことなのか、そんな切り口で特集の取材が走り出しました。

この特集を作って気付いたこと

 今回の特集では多くの気付きがありました。
 猫好きな人も猫嫌いな人も、ゴールは同じ。野良猫のいない世界です。猫を愛する人は不幸な猫が増えないことを願い、野良猫に困っている人は不満の原因である猫が減ることを願っている――。地域のみんなで課題を共有し、解決法を知って協力すれば、いろいろな課題が解決できるような気がします。
 それと子どもたちの「子猫を助けたい」という気持ちに、私自身が真摯に向き合っていたかということ。弱い立場の者を助けたいという子どもたちの純粋な優しさを、大人たちが消しているのではないか―― 相手を思いやる気持ちを大切にしてあげて、育ててあげることができたなら、世界はもっとよくなっていくのではないか―― そんなことを自分自身が学ぶ特集になったと思います。

 花も木も
 町並みも、
 猫だって
 きれいな町へ

 この特集で伝えたかった内容の本質は、多くの社会問題と地続きなのではないでしょうか。
 

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