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好きな写真について

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好きな写真とは? その問いに対して、自問自答しながら考えているnoteです。
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2024年4月の記事一覧

好きな写真について #34

スナップ写真のワークショップ開催案内がTwitterに流れてくることがある。『すてきな切り取り方』といった宣伝文句を見るたび、あなたのすてきは私のすてきと必ずしも一致しないのにと思ってしまう。写真をどう撮れば良いか悩んでいる人に対して救いの手を差し伸べているように見えて、実は可能性を潰してしまう恐れがあることを真剣に考えている人は多分少ない。私たちは悩める子羊を救っているんだという意識があるから。残酷だよね。 ボクには写真を教えることなんてできないし、教えてもらおうとも思わ

好きな写真について #33

好きを意識していると、無意識の好きに気付けない可能性がある。 存在するものすべてを好きか嫌いで判断していたら、もう一生をそれに費やしてしまうだろうから、ボクたちは何も判断しないために存在すら意識していないフリをして自分を守っている。その意識していないものの中に、好きな写真が含まれていても不思議ではないし、きっと含まれている。では、なにがキッカケとなって感情の変化が起こり、好きな写真が現れるのだろうか。メカニズムの解明を1,000文字程度の文章しようとすることが無理な行為かも

好きな写真について #32

ボクがショア様の写真に憧れるようになってから、まだ5年くらいしか経っていません。だから読者の皆さまの中には、「ショア様??」という方もいらっしゃるだろうから、まずはこの写真集を読んでみてください。 本当にその辺の風景や、知り合いを撮っているような写真ばかりで、「刺激が少ないなぁ」という感想をもたれる方もいると思います。ボクはその刺激の少なさに惹かれ、同じように撮りたいと思える写真がたくさんありました。それまでのボクはSNSで1、2秒しか見てもらえない環境で如何にして興味を引

好きな写真について #31

父と母と一緒に喫茶店で桜を見た。 お昼に子どもたちと近所の公園で走り回った後、妻と子どもたちは習い事に出掛けた。実家に用事があったボクは、その時間を活用することにした。LINEで「あと1時間後くらいに家に行きます」と母に連絡すると、「駅まで迎えに行こうか?」とすぐに返事があった。ボクは、「桜を撮りながら向かいます」とメッセージを送った。「はーい」という返事を見ると、迎えに来てもらった方が良かったのかなと思ってしまう。 踏切を渡って一つ目の交差点にある桜はすでに満開だった。