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弥勒の月 (文芸)



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あらすじ

「おれは、退屈してたんだ」
 吹きつける風に乗って、信次郎の呟きが聞こえた。風の向きが逆なら聞き取れなかったかもしれない。
「親父のように生きて、死んでいくのかと思うと退屈で堪らなかったんだよ」(本文より)
闇深き世界に漂う憐憫の情が胸を打つ。

小間物問屋「遠野屋」の新妻の溺死体が見つかった。
平凡な世にいらつく、若き異能の同心(おおざっぱに言うと、警察官)・信次郎は、妻の遺体を前にしても冷静な遠野屋の主人に違和感を覚える。
──面白えじゃねえか。
信次郎は食らいつくことを決意する。
彼の常軌を逸した捜査線上に浮かび上がる真実とは?
同世代感覚の時代小説!


感想

時代物はあまり好んで読まなかったが、これは好んで読みたくなる良作!
一度読み始めたら止まらない!
口の悪い冷めた皮肉屋の主人公が新鮮でそれもまた良かった。


読了日・感想・借りた場所

読了日:2010年11月19日
評 価:★★★★★
場 所:当時在籍してた大学近くの図書館


備考

単行本で読んだけど、版元ドットコムさんに単行本の画像が無かったから小説の方の書影にした。


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