2017年11月日記 ニコフェスト!
11月某日
イイニコの日。この度はニコフェスト! というフェス形式のイベントということで張り切って朝から幕張へ。
Aco Touches the wallsからまるっと全アーティスト、全コラボみさせていただきました。
ブルエンのボーカルの子が若々しいアナ大久保くんにしか見えず眩しい。NICOへのリスペクトが随所に感じられ、良き若者! と思う。若さは眩しい。
続くパスピエ、TK from凛として時雨、クリープハイプ、東京スカパラダイスオーケストラ、みんなかっこよかったです。初見のバンドもあったのですが、ニコフェストという一本の筋があるからか、ものすごいまとまりがあって目が離せず。いいものをみた!
そして大トリのNICO Touches the Walls。
配信番組『NICO Touches the Walls meets ジャンボリー ニコじゃん!』の思い出が走馬灯のようによみがえり、今この空間を震わせている人たちと同じ番組に出ていたのかー、という誇らしい気持ちと、感謝の念がぐるぐる浮かんできて、『天地ガエシ』のときには思わず涙ぐんでしまった。
『ニコじゃん!』に司会アシスタント・女子アナさんとして出演が決まったとき、私は俳優として結構な窮地にいました。パートナーが病に倒れ、自分が一家の大黒柱として昼夜問わず働かなければならなくなっていたのです。
「当分、表に立つのは難しいかも……」
ほぼ絶望、そんなとき、もともと知り合いだったスタッフ・喜多さんがディレクターの須藤さんに推薦してくれ、『ニコじゃん!』に出演することに。演劇じゃなくても、自分の培ってきたことを生かせる現場があるんだ、と嬉しかったです。
そして「バンドマン……実は尖った怖い人々なのでは……」と先入観をもって見ていたNICOの4人が、拍子抜けするほど気取らない良き人々であったこと (裏表が本当にない!)、毎月楽しく受け入れてくださった審判さん、スタッフさん、何よりも、素性のわからぬ謎の『女子アナ』を、あたたかく迎えてくださったNICOファンの皆さんの懐の深いこと。ありがたいことばかり。忘れられない人生の宝です。
ただただ、まっすぐに良い音楽をつくっ てこられたNICO Touches the Walls。「いい音楽をつくる」というシンプルで力強い歴史の中、その音楽が、存在が、バタフライ・エフェクトよろしく東京の片隅で苦しんでいた一俳優を救った、っていうことで。きっとこの会場にいる皆さんもそんなふうに救われたりしているのだろう、と思ったら音楽ってすごいな! と 宇宙規模の感動が 押し寄せてきました。
※数日後、すぐにラジオでブルエンとNICOを連続で流した様子。ラジオの選曲は楽しかった。
11月某日
範宙遊泳をみにいく。シンガポールに滞在してつくった作品。シンガポール、親が昔住んでいたので、 なんだかものすごく懐かしい気持ちで観た。「~~~(相手の言葉)!」「そうなの? じゃあ、それでいいよ!」と、違う言葉同士でコミュニケーションとっ ていたのを思い出して、本当に普通にあんな感じだったなあ、と。
あーこういう作品作り、もっと普通にあったらいいのになと思いました。言葉も人も国も、色々あるのが当たり前なんだし。
範宙を観ていると、わたしたちが本当に触れているものが舞台上にある、と思えて、つまり世の中にはフィクションのためのフィクションみたいな作品が多いってことかも、と気づかされる。ノスタルジー、それもよい。しかし私たちって今そんなところにいなくない? ってこと。
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*追記*2020/11/20
3年前のイイニコ。ご厚意で楽屋での関係者打ち上げもお声かけいただいたのですが、場違い感にソワソワしまくりの挙動不審ぶりを晒してしまいました……。またお会いできたら、そのときは爽やかにお話ししよう、と悠長に思っていたので、昨年の活動終了発表には驚きました。瞬間瞬間を大事にしないと、いつかまた、というのはかくも儚いものなのか。
日記が好きなので書き続けているわけですが、読んで、面白がっていただけたら、それほど嬉しいことはありません。いつもありがとうございます。