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「Addictions」について2

初めまして、福岡を拠点に活動しているバンドEvilgloom(エビルグルーム)でギター、作曲その他諸々を担当しているYuU(ユウ)と申します。

この度2023年2月22日(水)に我々の1st Full Album "Addictions"がリリースされました。

昨日はVoのDemiのリリック面での(思̶想̶強̶め̶な̶)セルフライナーノーツが公開されているようなので、
今回作曲者の自分からは音楽的な観点でゆるーくアルバムの楽曲の解説等をしていきたいと思います。

Vo.Demiの解説をまだ読んでいない方はこちらから↓↓↓


下のリンクから最新アルバムAddictionsをSpotify,Apple Music等各種プラットフォームで聴けるので是非聴きながら読んで見て下さい↓


-Evilgloomについて-


解説の前にそもそもこのバンドのことをあまり詳しく話すことが無かったのでこの場を借りて軽く紹介しておきます。

まずジャンルとしてはこの解説まで見ている人にわざわざ紹介する必要なさそうですが、
大まかにメタルコア系統に分類される事が多いです。
ただ最新アルバムではヘヴィミュージック全般とその枠も関係なく割と好き放題やってるかと思います。


Vo.Demiについてはもしかしたら知らなかった人もいるかもしれないですがEvilgloomの2代目ボーカリストです。(Dawg/Sickness1.3.9以降)
彼の解説にも記載の通りヘヴィな系統の音楽をあまり通っておらずリファレンスは完全にHIPHOPその他のジャンルなのですが、通常この手のジャンルに載せないような斬新なアプローチが逆に強みとして加入以降バンドとして個性が出せていると思っています。

また上手Gtの$ANA€-monについては自分が5.6年前くらいにしていたバンドから一緒に動いており、Evilgloomも準備段階からのメンバーです。
よく聞かれるサポート!?という肩書きについては諸事情で本人が外すことができないのですがプレイヤー以外でアートワークその他諸々をデザイナーとしても正規メンバー、それ以上の力を貸してくれてるキーマンです。


またDrのtsyについては前任ドラマーが脱退した後1年ほど各地のライブでサポートドラマーを経た後に正規メンバーとして加入してくれて今に至ります。
また、Evilgloom以外でも福岡拠点のREXAKEBONO PARKSメンバーとしてもアクティブに活動しており、異常なポテンシャルのドラムプレイを各地で見せてます。


あとBaのJustyは時々どこかにいなくなります。

#Justyどこだよ



Evilgloomを立ち上げた当初を振り返ると
「他と被ってないことを」だったり「まだ日本で誰もやってない事を」みたいな浅い気持ちでやってたところは否めないのですが、
活動を重ねて表現したいことがどんどん増えてくる中で可能な限りこのバンドでそれをアウトプットしたいと思う心境の変化もありました。

Tr.6 INTERLVDEのリリック「092 to the +81」ではないですが、"Cool Japan"という言葉があるように日本のカルチャーは音楽も同様に下位互換ではなく世界に誇れるものと常に思っているので、
そういう意味での挑戦的な思いもこのアルバムに込めたつもりです。



というわけで前置きが長くなってしましましたが、
ここから早速アルバムの楽曲ごとで解説をしていきます。

1.Gnarly

アルバム1曲目の楽曲はライブ感がある攻撃性に振り切った楽曲にしたいと思って作ったNu-Beatdown曲です。

この曲はライブIntro的な位置で少し前からセットに入れていたのですが、自分たちにしては珍しくライブを重ねる中でブラッシュアップさせた楽曲です。
またこの曲については楽曲面でのチャラさは無くしたく、他の楽曲で多用しているサンプルや電子音等は使わずウワモノの音もギターのみでという縛りで作りました。

因みにイントロから聞こえる超低音はワーミーのDive Bomb(音をめちゃくちゃ下げるモード)で下げたギターの音を更に逆再生させるなど割と変なアイデアを要所要所で入れています。


2.Anathema

この曲はTr.4 Buster Callの後に完成したのですが前者とは対照的に縦ノリを意識して作りました。
元々イントロはもう少し尺があったとのですがアルバム2曲目ということもあり勢いを止めないためにも今の尺ですぐ始まる展開になりました。

イントロや中盤のビートでPhonk要素が入っている為かTikTokビートダウンというコメントを何処かで見て笑いました。
実験的に取り入れたのですが意外とバンドサウンドとも相性が良く、曲全体としても違和感無く既存の曲にない雰囲気を出せたと思います。


3.Malignant

フルアルバム3曲目リードトラック、
MVも先日公開されました↓↓↓

この曲は割とアルバム後半に作ったのですが初期のデモはかなり構成が異なり、ほぼ別の曲でした。

MVで1番反響があったのはやはりサビのパートでしたが、やはり今作の1番の隠し玉的な要素になってます。

$ANA€-monの歌声は活動初期からメンバーも絶対に武器になると確信していたのですが、
サポートの肩書きもあり初期の楽曲のイメージともかけ離れていたため出す機会が無く数年温めていました。

そして年月が経ちアルバムを制作している中で
今が間違いなくそのタイミングだと思い、
展開を組み直して歌メロを入れる構成にした結果これまでの音楽性も含めてかなりの意外性を持たせれたかなと思ってます。

その他、展開も遊び心として0:46~のHardcore(Techno)オマージュの刻みなどバカなフレーズを入れたり、MVの雰囲気も想定して終盤はシーケンス多めなパートなども入れつつ聴いて飽きない展開を意識しました。


4.Buster Call

この曲は2021年にリリースしたミニアルバムKeterが完成した直後から作り出した、アルバム最初に出来た楽曲です。

因みに時系列としては前作KeterのTr.5のDoomedの後にできた曲です。
Doomedは前作の中では1曲雰囲気が違っていて実は今作のフルアルバム側にするべきか迷っていた時期もあったのですが、次回作の予告編的な意味合いも含めてKeterの方に入った今作にも関わりが深いトラックです。

話は戻ってBuster Callはライブでタイトルコールもできるライブの代表的な楽曲にしたい意図もありイントロも少し長めに尺を取りました。

前回リリースからこの曲のシングルカットのリリースまで少し期間が空いたため変化を分かりやすくDarkSynth、Drum'n Bass等の要素を強めに用い、逆にリフワークは敢えて難しいことはせずシンプルにしました。
シーケンスのパートも多いですがクラップなどでも勢いを止めずに1曲通してスピード感を出すのを意識しました。


5.(Lithium)

この楽曲は作曲者としては一番好きな楽曲で、
Buster Callと割と同時期に形はできていました。

近年のこの手のジャンルでのDrum'n Bassをウワモノやフィルとして使うバンドに対しての逆張りを10周くらい回って、この曲は中盤(2:19~)に徹底的にDnBのみで攻めるパートを組み込みました。
この付近に作った楽曲は全体的にUK付近のBass Musicからの影響が大きいと思います。

また、3:01~のベースフレーズは前作KeterのTr.1 Bhootのリフからセルフサンプリングしてます。
フックのドラムフレーズはDrum職人.tsyの自らを追い込むスタイルのアレンジで人力DnBとなってます。


6.INTERLVDE

Vo.Demiの解説にも記載されていましたが、
アルバムで曲名を見た人が再生しながらスキップしようとしたら全然Interludeちゃうやんけ!という狙いのビートトラックINTERLVDEです。

前作(Keter)にも092というビートトラックをいれていましたが、
今作は主にRussian HardbassやPhy Trance等のBass Musicを多用したビートで固めました。


この曲はシングルカットでゲリラリリースしておりバンドサウンドとは趣向が違うため刺さる人が絞られると思っていたのですが、
Evilgloomのリスナーは普段から色んな音楽掘って聴いてる人が多いようで想像以上に反応良くて驚いた記憶あります。
買っとけや俺らの万馬券て感じてす。

7.N.W.O

この楽曲は電子音が多い分リフで聴かせたい意図があり、ニューメタル色強めなリフワークを意識して作りました。

trap metalやhorrorcore等で度々使われる、
終盤でビートをテンポダウンさせてそのまま終わる展開の曲を聴いてる際に
自分らだったらこの後更に落とせるのに…とよくウズウズしてたのですが、
自分で作ってしまえばいいか〜と思い1:58~の展開はその意図で作りました。

またシングルカットで配信されていた時に勘のいい人は既にここまで気付いていたかもですがアウトロは「後々発表されるアルバムの次の曲(Glitch)に繋がる展開」というオチでした。


8.Glitch

元々自分は色んなアーティストのアルバムの目立たないところに1曲ぶっ飛んだトラックが入っているとアガるタイプなのですが、
その意図で書いた曲で今の音楽性で聴き始めたリスナーも完全無視した楽曲になりました。(すみません)
ただこの曲もSNS諸々で意外と反応良くて嬉しいです。

Tr.8 "Glitch"は個人的に初期に回帰してHollows(1st EP "Piu"Tr.2)Level 99のつもりです。
個人的にChugcore(Chug Collective)付近の病的なサウンドが好きなオタクに刺さればいいなと思ってます。

この曲は音源はもちろんライブで遊んで欲しい意図もあって、たぶんツアーは全公演セトリ入ると思うので沢山聴いて遊び散らしてください。


9.Addictions

アルバム最後のタイトルトラック、
この曲でアルバム"Addictions"がひとつの作品として完結しています。

近年のヘヴィミュージックシーン全体がヘヴィネス路線orメロディアス路線の二極化が進んでいる現状、どちらもレベルの高い合格点をオールウェイズ出したく書いた神田神保町店直系のタイトルトラックです。

この楽曲はBuster Call的な疾走感を取り入れつつストーリー性のある展開を意識して作りました。
脳内にエンドロールが流れた人がいたら狙い通りかなと思ってます。

またこの楽曲はサビのDemiのバースのパートと$ANA€-monの歌メロのパートは
それぞれ別々の日に集まって練っていたのですが、
実際に合わさったら掛け合いのバランスが最適解すぎて一瞬で固まりました。

アルバム全体で最後のレコーディングは確か大雪の中でこの曲の$ANA€-monのボーカルパートだったのですが終わってスタジオを出た瞬間見た光景も相まって少しだけ達成感に浸った記憶があります。


-サウンド面-

また、本アルバムのサウンドエンジニアは
Tsubasa Ishibashi(Geranium Studios)で、
何だかんだ始動時の1stの音源から手掛けてもらっており、今作は去年の上旬からアルバム通してMix,Masterをお願いしました。

約1年間のアルバム制作期間でしたが
彼のバンドの海外ツアーのスケジュールの合間にもぎりぎりまでブラッシュアップしてもらい、
早い段階でシングルカットで既出だった曲(特にBuster Call等)はかなりサウンドが変わっていることに気付いた人もいたと思います。
クリアかつ暴力的なサウンドでEvilgloomらしさをより際立たせてくれて感謝です。



というわけで、かなりの長文になってまだ話しきれていない部分もあるのですが以上が楽曲面での解説となります。

このシングルリリース主流の時代にマーケ的にはアルバムを出すメリットがあまり無くなっている現状ですが、やはりアーティストの1stフルアルバムは大事な節目の作品と捉えているので男の子のロマン的な感性だけに従って無事リリースに至りました。

アルバムリリースツアーも次は大阪、名古屋、福岡と始まったばかりなので是非アルバムを聴き込んで各地の会場でご来場お待ちしております!

最後まで読んでいただきありがとうございました!

YuU(Evilgloom/Gt&Composer)



※現在東名阪福のアルバムリリースツアーを開催中です!!

Evilgloom 1st Full Album "Addictions" Release Tour 2023

▫️2/24(金) 渋谷CYCLONE
(大盛況ありがとうございました!)
▫️3/10(金)心斎橋VARON◀◁◀NEXT
チケットはこちら
▫️4/2(日) 上前津 club Zion
チケットはこちら
▫️4/29(土) 天神graf(Tour Final)
comming soon…

1st Full Album "Addictions"

1.Gnarly
2.Anathema
3.Malignant
4.Buster Call
5.(Lithium)
6.INTERLVDE
7.N.W.O
8.Glitch
9.Addictions


※後日発売予定のフィジカル盤を会場にて先行予約受付中(会場受付限定で送料無料)

¥2,000(税込)

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