松食い虫の予防予防

全国的に松食い虫の被害が増えている。

松食い虫で枯れるといよく言うが正確にはマツ材線虫病

まずはマツ材線虫病のメカニズムから

枯れた松からマツノマダラカミキリが5月下旬から脱出をして、松の若い枝の樹皮を食べる。そのときに、カミキリムシには数万匹のマツノザイセンチュウ(1mm以下)が付いていて、カミキリムシの神後から待つの樹体内に進入する。進入した樹体内ではセンチュウが爆発的に増殖して待つの水分通導を阻害し、2ヶ月でマツを枯らせてしまう。枯れたマツにカミキリが卵を産んで翌年5月下旬から羽化して他のマツを感染させる。マツノザイセンチュウがマツを枯らし、マツノマダラカミキリが戦中を媒介する。

つまりはマツノマダラカミキリマツノザイセンチュウの2つの虫がかんよしていることとなる。


現在の松食い虫の防除方法は3種類

①樹幹注入

最もベーシックなやり方である。松にドリルで穿孔し、薬剤を注入する。
1回で5~7年くらい効果が持続するし、1年単位で考えると安価である。そしてなにより現在の防除方法の中では一番防除効果が認められる。

よいところ ばかりかと思うが悪いところもある。
樹体に7ミリ、長さ9ミリくらいの穴を空けるのだ、久遠の松だと一回に115カ所くらい穴をあけなければいけない。樹体を破壊するため、寿命を縮める。

さらには薬液により内部に水野通らない障害が必ず起きる。そして形成層障害や溝枯れが発生する。

つまりは松杭防除には効果があるが、松自身には負担がかかるということだ

費用:12万/5年


②薬剤散布

マツノマダラカミキリ成虫が枯死木から出る前の時期に、松に散布する。その後カミキリが羽化飛来し、殺虫剤を散布した枝を食べて死に至る。結果マツノザイセンチュウがマツの樹体内に侵入することができず、防除できるという方法。
散布はマツノマダラカミキリ成虫が羽化し出始める5月~6月に1回、また羽化脱出最盛期にもう1回の計2回行う。
マツノマダラカミキリには効果があるが、センチュウには効果がない。

費用:12万/1年


③土壌潅注

薬剤を土壌に浸透させ、根から薬剤を吸わせセンチュウを駆除する。
樹体を傷つけないため、樹木の寿命を縮めることがないという好い部分があるが、実行期間が短いため、効果の信頼性は不確か。薬効期間が1年のため、毎年施工が必要

費用:30万/1年


今までの松食い虫の対策

今までの久遠の松はどのようにしていたかというと、松にホースを巻き付け、スプリンクラーをつけ薬剤散布を行っていた。
しかしながら、ホースを松に撒くのは松にストレスがかかるということと、景観が好くないので、数年前にホースを撤去した。
そしてここ2回くらい樹幹注入を行っていた。そして樹幹注入も支柱の鉄柱を新設したりといった県の補助事業と一緒に行っていた模様。

今回、住職就任したことにより改めて松食い虫の防除を考えた。まずは樹幹注入は久遠の松にはしたくないということだ。
効果はあるかもしれないが、久遠の松は老松だし、松に与える影響が多きい。

となると薬剤散布と樹幹注入の2択だ。つまり毎年処置が必要になってくる。となると前回の記事のように、県に申請したり、補助を受けたりせず、
「維持の措置」になるので大慶寺独自に考えて実施する必要がある。
もちろん市・県にも報告はするが

さて、となると

A薬剤散布(12万/年)
カミキリムシには効果があるがセンチュウには効果のない

B土壌潅注(30万/年)
センチュウ駆除に効果があるとされるが信頼性が不確か

みなさんならどうします?


そして費用も捻出しなければ、、、、、、



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