見出し画像

クラウドファンディングを終えて

今回、人生初めてクラウドファンディングというものをさせていただいた。

https://camp-fire.jp/projects/view/329176

まずもってご支援頂いた方、ご協力頂いた方に御礼を申し上げたい。ありがとうございます。合掌

クラウドファンディングとは「群衆(クラウド)」と「資金調達(ファンディング)」を組み合わせた造語で、「インターネットを介して不特定多数の人々から少額ずつ資金を調達する」ことを指しています。

つまりは不特定多数の方に企画をプレゼンして支援を集めるというものです。

過去にも、僕の知り合いも何人か行っていて、共感した企画にはその都度支援させていただいて、オンライン上で決済ができるってすごい便利だなーと思っていました。

しかしながら、自分がやるというのは少し抵抗があって、表現悪いですけど「お金ください!」みたいなことじゃないですか。

あとは先輩とかがやってるとそれは現代版恐喝みたいな所もありますよね。
(共感しないものには支援しないけど)

そして何よりクラウドファンディングを立ち上げて、成功しなかった場合
とにかくめっちゃ恥ずかしい(この成功は目標金額達成しないという意味)

僕が敬遠していたのはまさしくここで、プライドや見栄や、虚栄心みたいのがあったのかもしれません。そんな僕が何故、今回クラウドファンディングに挑戦したかというと、キッカケは2つあります。

①日本遺産構成文化財として登録
②大慶寺住職就任


▷日本遺産厚生文化財として登録~地域の資源~


まずは、日本遺産構成文化財として登録。これが大きかったです。このきっかけがなければやっていなかったでしょう。

今年6月東海道が日本遺産に認定され、その構成文化財として大慶寺久遠の松が登録されました。藤枝市内で寺院での登録は唯一であり、とても光栄に思っています。


なによりぼくが嬉しかったのは、
久遠の松」の認定で出でなく「大慶寺 久遠の松」だったこと。

というのも政教分離もあり、なかなか国の認定で宗教施設であるお寺が入ることは、敬遠されがちなんだけども、行政側が宗教施設としてのお寺、ではなくて地域の中のお寺として受け止めてもらってるんだなと感じた。(日本遺産の申請を出したのは市役所だしね)

そして何より今回の日本遺産の登録を受けて「久遠の松」は「大慶寺の久遠の松」であることは間違いのないことなんだけども、大慶寺の資源というものを超えて地域の資源になっていることを実感した。

▷大慶寺住職就任

そして、2つめのキッカケは住職に就任したこと。前述のようにクラウドファンディングは怖いのだ、失敗したら恥ずかしい。笑

けど住職就任のきっかけならば、例え失敗しても言い訳ができる
(#伸びしろですね~)

「おい!甘えたこといってんじゃねーよ」

という声も聞こえそうですが、本当に怖いんですよ。数字に表れるって。ぱおん

つまり何が言いたいかというと、カジュアルに「クラファンでもやるか~」じゃなくて、今回は結構考えに考え抜いてクラファンやったということ。
住職就任の決意を表明したかったということ。

そんなこんなで
「日本遺産登録文化財認定記念」「大慶寺住職就任記念」としてクラウドファンディングをはじめさせていただくこととなった。


▷3つの目的


さて上記の出来事がきっかけとなって、クラウドファンディングを始めることになった。
クラウドファンディングは基本的には支援金集めなのだが、僕には別の目的があった。

①日本遺産登録を知ってもらう
②久遠の松を地域の方と共に支える仕組みをつくる
③新たな実験~お祝いのありかた~

▷①日本遺産登録を知ってもらう

クラウドファンディングは、資金集めよりも、情報の拡散/共感増幅/盛り上がり共有することの効果を発揮すると思っている。

ほんとうに資金調達したかったら金融機関に行った方がよい。金融機関に相談しながら行った方が、事業として成立する。手数料問題もあるし(後述)。

だからこそ僕は資金を集めるが第1の目標ではなく、久遠の松の事を知ってもらいたいし、住職としてこんな事を考えていると言うことを知ってもらいたかったからこそクラウドファンディングを行った。

(本音は、日本遺産て言葉はすごそうだけど、全然メジャーじゃないからってのもあるw)


▷②久遠の松を地域の方と共に支える仕組みをつくる

これが結構僕の中の本丸です。前述の様に『大慶寺の久遠の松』なのだが、一つの地域資源である。

とするならば、今後、久遠の松を維持管理するのも、大慶寺だけでするのではなく、地域で「久遠の松」を支える仕組みをつくることも必要なのではないかと思ったのだ。

だからこそ、「久遠の松の子ども育てる」という事業は、本来であれば大慶寺で行えば良いのかもしれない。けども檀家さんはもちろん、檀家さん以外の方でも久遠の松を大切に思ってくれている人たちと事業を進めるフェーズに来ているのだと思ったのだ。

今、ぼんやり考えているのは檀家か、檀家じゃないかではなくて「久遠の松を大切に思ってくれてる人たち」のコミュニティーを作って行きたいなと思ってます
(#俺か、俺以外か ローランド)


▷③新たな実験~お祝いのあり方~

そしてもう一つ、住職就任記念でクラファンをやる裏側には、実は実験の様な意味合いもあった。

そもそもお寺の住職に入寺する(就任する、晋山する)時には、儀式をやってその後、檀家さんや関係寺院の方と祝宴を開くことが多いです。

その関係寺院というのはほとんどが宗派内の寺院。そしてほとんどが近隣の寺院です。

現代は、各地に好意にしているお坊さんもおいるし、宗派を超えての付き合いも多い。しかしながら、そういう方には祝宴にお声かけすることがなかなかできない(今はコロナ時代だから特にね)

お坊さん同士の関係性も変化しているのだから
入寺に際してのお祝いの仕方も変わっていいんじゃん?

祝宴も大事だけど、住職就任に際し「寺業計画」のようなものを発表し、それに共感や応援するカタチのお祝いの仕方があるんじゃないか。

そのお祝いの仕方は、現代では空間的な制約のないクラウドファンディングが一番適切なんじゃないかと思ったからだ。


▷ハイブリッド型クラウドファンディング

でね、今回もう1個試したのがハイブリッド型クラウドファンディング

つまりオンライン上の支援と直接支援の両方を受け付けることにした。

そもそもクラウドクラウドファンディングのクラウドってcrowd(群衆)であってCloud(雲)じゃないんだよね。

なのでクラウドファンディング=オンラインではなくて、不特定の人に企画を公開して、不特定の人から支援金を募るあり方がクラウドファンディングなんだよね。

だから直接持参した者を受け付けるやり方も、クラウドファンディングのあり方には相異しない。

だからこそ今回のクラウドファンディングでは3つのやり方を行った。

①オンライン
②直接持参
③寄付型特別御朱印


▷やってみての結果


おかげさまで当初の50万円目標は54時間で達成できた。

そして本当は200万円かかる事業なので、引き続き支援を求め金額ではなくより多くの方から支援いただくように、WEB上のリターンもより支援しやすい3,000円のコースも後から追加した。

11月末で終了したが結果をお伝えすると。

WEB  76人/907,500円
直接 276人/1,220,377円
御朱印 123人/123,000円
合計 475人/2,250,877円


とにかくめちゃ嬉しい!
額がどうこうではなくて、応援されてる!ってことがカタチで現れるのが嬉しい!

それと同時に、これだけ応援されているのだからそれに応えようという覚悟も身につく。
おそらくクラウドファンディングせずにこの事業を行うのと、クラウドファンディングをして事業をおこなうのではここの覚悟の決め方が変わってくる。

そして応援されることがこんなに嬉しいと感じたからこそ、だからこそ僕も誰かを応援したいという気持ちになる。(=知恩報恩)

これクラウドファンディングが知恩報恩のブースターになってるんだなーと感じた。

クラウドファンディングは一見すると「お金ください」という行為であり、そこに美しさも謙虚さもないかもしれない。

また、世間的には支援されることに良いイメージを持たない方もいるかもしれない。

けどね、一回甘えてみるのもよいよ。

だって、そもそも、人は1人では生きていけないし、助けたり助けられたりしながら生きてるじゃん。その事実がクラウドファンディングで浮き彫りになる。

あー、俺助けられてるなーって。

で、もちろんそれで終わるのではなくて、助けられてるなら僕も自分の出来ることをしよう、という次のアクションに繋げるってことだな。

ほんと皆様ありがとうございました。
支援いただいた方だけでなく、シェアして頂いた方もたくさんいます。

ホントにありがとうございました。

御礼状やリターンの発送はもちろん
苗床整備もがんばります!


▷今後こうなればもっといい!!

とはいえ、改善点もあるなーと。

それは「プラットフォーム手数料高すぎない?問題」
これはあちこちで言われてることです。

けどそのプラットフォームを選んだのは僕だから、承知の上です。

企画者は手数料引かれるのは、支援する側もシステム利用料払うんだもんね。
今回ご支援いただいたのは、ほとんどがお知り合いの方。クラウド(群衆)ファンディングといってもほぼローカルなわけですよね。

情報の拡散という意味ではとても有効ですが、支援金の流れとしてはもう一工夫あってもよいんじゃないかと思いました。
手数料取るのは運営していく上で当たり前なんだけども、手数料がもっと地域に落ちるようにするとか、それを可視化するとか。

おそらく今後クラウドファンディングのプラットフォームはどんどん増えていき改善されていくんじゃないかと思います。

▷入寺記念としてのクラウドファンディングはどうなのか?

そして実験として行った入寺記念としてのクラウドファンディングはどうなのかというと、とってもアリだと思います。

今回の企画には宗派を超えて、地域を越えてはお坊さんの方にもたくさんご支援をいただきました。もちろんぼくも今後なにかありましたら支援したいと思っていますし、入寺に対するお祝いより入寺に際した決意表明への共感の方が健全な祝い方ではないかと思います。

なのでお寺版のクラファンプラットフォーム(お坊さんたちが運営する)あっても良いと思いました。手数料の流れも明確化して。

そもそも寄付とか勧進てお寺が持ってた文化じゃん。

大慶寺公式LINE イベントや各種行事の案内 気軽な相談なども可能です https://lin.ee/vbqP4MN