配信スタッフとしてあれこれしています。
昨日2023年最後の配信スタッフ仕事が終わったので、整理してみようと書きました。
私は2020年の流行り病から音楽の配信スタッフ業を始めました。機材を持ち込んでツイキャス等で配信するお仕事です。
2020年、2021年は積極的にお仕事を受け、2021年は年間30〜40本やった気がします。一年が大体52週なので大抵の毎週末には何処かで機材を広げていたことになりますね。
2022年は少しペースを落とし、2023年も月1位でできたらなぁと思っています。
そんな配信。配信機材にいくらかけたのか、少し恐ろしいですが計算してみたいと思います。
パソコン
GALLERIA GCL1650TGF:99,980円
当時持っていたノートPCだとクロマキー合成などがしんどく安心して配信することができませんでした。
今だと軽量で持ち運びしやすいノートでもEvo規格のものがあったりしますが、当時のCPUはCPU搭載のグラフィック機能が貧弱だったので、グラボ搭載のいわゆるゲーミングPCしか選択肢が無かったんですよね。USBのポートも3口あったり、LAN線も刺さったりと機能的には申し分ないのですが、正直持ち運ぶには重たいです。本体で約2.1kg。ACアダプターもゲーミング用としては大型ではないかもしれないですが、まぁ大きくて重たいです。
Iris Xe搭載している11世代CPU以降軽量ノートPCも欲しくなりますね。
カメラ類
ソニー ミラーレス一眼 α6400 ダブルズームレンズキット SELP1650+レンズカバーなど:131,868円
それまでNEX6を使っていたのですが、給電しながら撮影できないのと、ライブ会場が暗いのでこの機会に新調しました。いまでも明るくきれいに撮れるのでお気に入りです。このあたりでVLOGCAMとかも出始めましたが、カメラとしての用途も欲しかったのでこれを購入。
こういった光学機器は技術の進歩がすごいですね。使い倒したNEX6と比較しても暗所の撮影がとても快適でお気に入りです。
WEBカメラ eMeet C960 ウェブカメラ HD1080P:3,699円
ピアノの手元を撮影する用途で購入しました。画質はよくないですが、小回りは効くので一時期毎回カバンに突っ込んでいっていました。予算が無限であればもっと良いカメラを買うのもいいのですが、個人でやっているのでまぁ良い着地点かなと。
それにこのカメラはUSBで延長してそのままPCに接続できるので取り回しも楽です。HDMIケーブルは規格上10m程度までしか伸ばすことができず、そこからさらに飛ばそうとするとまた機材が必要になってしまいます。安定稼働には5mが限度でしょう。
その点でもUSB接続できるのは良いです(USBも規格はありますが、HDMIよりも安くそろえやすい印象)。
パナソニック HDビデオカメラ W570M:23,800円
α6400は画質はいいのですが、ズーム角など手元カメラとしては少し不適切です。手元で演奏者のソロパートなどを抜くために購入しました。
こういった手持ちビデオカメラの選択肢は思ったより少なくて驚きました。スマホが出てから完全に食われてしまった形なのかなと思います。SONYのハンディカムの方が画はどう考えてもきれいですし、パナも上位機は出ていますが、映像作品を撮影する機会が少ないので、様々比較した結果これに落ち着きました。
このあたりでわちゃわちゃ比較しています。
SONY ビデオカメラ ミュージックビデオレコーダー HDR-MV1:25,980円
広角で映像が撮れ、音も結構よくとれる、今でも何かあった時のお守りとしてカバンに入れているカメラです。今は生産中止になっていることもあり、Amazonで購入なカメラになってしまっています。
このカメラ、小さいですし、カバンに潜ませておくのに最適なカメラかなと思います。ZOOMでも似たようなコンセプトのビデオカメラは出ていますが、SONY好きとしてはこの後継機が出てくれないかなぁ、と切望しています(高角レンズ、別のマイク不要は本当に魅力です)。
ソニー コンパクトデジタルカメラ サイバーショット ブラック102mm×58.1mm×35.5mm Cyber-shot DSC-WX800:33,131円
「カメラがもう一つあればなぁ」ということが増えてきたので、購入しました。センサーは小さいですが、暗所でも結構映像映してくれます。また、720mmまでズームができるのも心強いです。給電しながらの撮影もこなしますし、とても便利なカメラです。
カメラとしても思った以上に優秀でした。散歩するときにポケットに入れておくと、ズームが便利です。
http://photo.yodobashi.com/sony/camera/hx99_wx800/
こんなちっちゃなボディにレンズがぎっちりつまっていてすごいなと感心させられました。
マイク類
FOCUSRITE Scarlett 2i2 (gen. 3):18,500円
一時期はTASCAMのUS-322を利用していたのですが、新調です。配信なのでそこまでシビアになることもないと思うのですが、US-322が壊れてしまった時にリカバリーできるものが無かったので購入したという感じです。今でも外にもっていってガチャガチャするときはUS-322も利用しています。
AKG P120 コンデンサーマイク*2:15,360円
AKG P220 コンデンサーマイク:12,800円
もともとはP220で1本で運用していたのですが、LRで2本運用にするためにP120を2本追加という形です。どんどんマイクが増えていきますね。本当に正確にレコーディング!となるとまたグレードは変わってくるのかもしれませんが、私の用途だと十分ですね。
CANARE EC10B BLACK XLRケーブル マイクケーブル 10m * 2:5456円
CANARE EC05B(XX) BLACK マイクケーブル 5m:¥2,280円
CANARE EC10B BLACK XLRケーブル マイクケーブル 10m * 2:5456円
みんな大好きCANAREのケーブルです。自宅に10mケーブルがある方も少ないのではないでしょうか。1本ダメになっても平気なように3本持ち歩いています。
スタンド
アキバガジェット ビデオカメラ用 ミニ三脚 卓上三脚:1,980円
こういった小型の三脚、便利ですよね。鞄に潜ませておくと困ったときに使えて便利です。カメラバックの中に突っ込んでおけば夜景の撮影とかのときにも活躍してくれます。
UTEBIT クリップ 雲台 強力 VIVE/アクションカメラ/一眼レフ/ストロボ/DSLR適応 1/4ネジ 360度 どこでも挟める カメラスタンド*2:2,400円
これ便利なんですよね。マイクスタンドにかませることもできますし、どこかの机に噛ませて配置することもできます。カメラ用の三脚を立ててもとどかない高さに配置するときによく使っています。かっちりと固定出来て、α6400に望遠レンズつけた重さでも固定してくれます。
Tlingt 三脚 折り畳み 持ち運び&マイクホルダー類付き:1,880円
分解したらスーツケースに収まるサイズのマイクスタンドです。このあたりからHDR-MV1での音取り込みではなく、マイクでの音取り込みにシフトしていきました。
CAHAYA 【最新2Way仕様 クリップ付き】 マイクスタンド ストレート ブーム 持ち運びバッグ付き 本体1.5kg:3,380円
マイクが増えたので、スタンドも追加購入です。上のと種類が異なるのは単に販売されなくなってしまったため。分解したときにスーツケースに収まるサイズという制約があるので、少し選ぶのに難儀します。
カメラ用の三脚:6000円
2本。ハードオフで購入しました。必需品ですね。
ケーブル類・延長ケーブル類
USB 延長 10M UGREEN USBケーブル:2,099円
ライブ会場って意外と広いんですよね。会場内を自由に動けるように購入。気になるレベルの遅延もなく利用することができていました。ただ、時々(原因不明)で動作しなくなる時もあったので本番前にわたわたすることもあったりなかったり。
AINOPE USB 延長 3M USB3.0 延長ケーブル:999円
10mを購入する前に3mを購入。意外と短かったのでのちに10mを購入したという流れです。
Micro USB ケーブル*8本:6000円
ケーブルは断線しても平気なように予備含め多めに購入しています。また、相性みたいなもの(同じ規格のはずなのに)もあるようなので、予備含めて持つようにしています。これ以外にもデータ転送機能がついていないケーブルとかも買っているので何本買ったか正確にはわかりません。
Hanwha HDMIケーブル 10m:1,698円
10mのHDMIケーブルはあまり買わないですよね。外部モニター出力に使うのに購入しました。ライブハウスだと10mでも短く感じるので不思議ですね。
Amazonベーシック HDMI2.0延長ケーブル 4.6m*2:2,622円
カメラの映像をPCまで持ってくるための延長ケーブルです。長いmicroHDMIケーブルはファイバーになったりデリケートになったりしてすぐ8000円とか言われてしまうので、その回避のために購入です。しかし送信元の機器によっては延長をかますとデータの送信ができなくなったりと相性で何度か苦戦させられたりしました。また、このケーブル、とても太くて重いので、すこし持っていくのを迷うのですが、とはいえ「持ってきておけばなぁ…」ということがあると嫌なので、しぶしぶ入れています。
microHDMIケーブル類(都合9本):12,000円
これもケーブルと機材に相性があるのと、踏まれてしまうことがったりもするので、断線しても平気なようにどんどん本数が増えていきました。4つカメラに使うので4本全部だめでももう4本+αあるくらいには常に持ち運んでいます。
UGREEN USB2.0ケーブル プリンターケーブル Aオス-Bオス 金メッキコネクタ 1.5m:1500円
もともと持っているケーブルが万が一切れたとき用のケーブルです。ケーブル類は常に2本以上は保険として持つようにしています。
Amazonベーシック HDMIケーブル 10.7m:2,683円
Micro HDMI to HDMI変換アダプタ:739円
このあたりで、何とかしてケーブルの長さを稼ごうと試みています。どんどんとケーブルが増えていきますね。MicroHDMI→HDMI延長→キャプチャボードですね。結局これは購入したものの、安定性に欠けたのでタンスの肥やしになっています。
キャプチャボード・変換系
iPhone HDMI 変換ケーブル ライトニング Lightning:2,299円
iPadを外付けカメラとして構成させようとするために購入。結果、オンラインミーティング程度であればよいですが、配信となると満足がいく映像が取れなかったのと、安定性にかけると判断して、使わなくなっていきました。
WisFox HDMI切替器 HDMI分配器 3入力/1出力:3,280円
スイッチャーとして使おうと購入しましたが、切り替え時に青スクリーンを挟む形になってしまうので結局配信では使えませんでした。いまでは愛用していますが、Atemを購入するにも在庫が無かったり、いきなりポンと3万円出せる覚悟もなかったのでなんとかごまかそうとしていたのですが、結局ダメでしたね。
プリンストン ULTRA PLUS PCレスHDMIパススルー対応ビデオキャプチャー:22,040円
安心して利用できるキャプチャボードが欲しいという事で購入。今だともっと小型のUSB接続のキャプチャボードがありますが、当時は安定して動くモノが少なかった印象です。ATEM Miniは品切れでしたし、そういった判断でこれを購入したのだと思います。
Blackmagic Design ライブプロダクションスイッチャー ATEM Mini SWATEMMINI:39,578円
スイッチャーの本命ですよね。安定して使え、愛用しています。2020年は品切れで購入することができませんでしたが、落ち着いてきたタイミングと、本格的に配信を始めるようになったので購入しました。光球ではありますが、これでだめなら仕方がないか、という言い訳にもなるので、良い買い物だったのかな?とは思います。
Chilison HDMI キャプチャーボード ゲームキャプチャー USB3.0 ビデオキャプチャカード:3,362円
Atemは便利なのですが、別系統で映像を取り込めると便利なシチュエーションがあるので、追加購入。これで3系統PCに取り込めるようになりました。また、Atemに何かあったときに逃げ道(最悪1系統はカメラを使える)という点で保険としてもカバンに突っ込んでいます。
その他
Anker PowerCore 10000*4:11196円
どんどん増えていきました。コンセントが届かない可能性も高いので、基本カメラの充電はモバイルバッテリーでの運用です。カメラの分だけ増えていきました。1日配信することもあるので、少し重たくはなりますが、5000mAhではなく10000mAhを購入。
スーツケース 65L 中型:10,900円
いい加減荷物が多くなりすぎたので、スーツケースを購入しました。格安ではないものを購入しましたが、今は荷物がとても重たくなりすぎてしまい、取っ手が引きちぎれるのでは?と毎回そわそわしています。ケーブルは金属とゴムの塊だということを毎回認識させられています。次回購入することがあればもう少し大きいものの購入も視野にいれてもいいのかなと思います。
ロジクール ワイヤレスマウス 静音:1,280円
ライブ会場ですとマウスの音が気になるのですよね。それを避けるために購入です。
合計金額:512,769円
結構使っていましたね。
ノートPCやα6400についてはプライベートでも使っていないこともないので、3割くらいは個人用途とみなしてもいいかもしれないですが、配信していなければ購入してなかったかもしれない(特にPC。個人用とならデスクトップも小型ノートPCも別であるので)かなとも思うので、難しいところです。
人件費分を考えると投資金額の回収は考えないほうがよさそうかなと思います。元々儲けようと思って始めたことでもないですし、たいていその日頂いたお金は疲れを吹っ飛ばすためにその夜のごはん代で結構飛んでしまいます。
それよりも経験を買うことはできたと思います。
冷や汗はたくさんかきました。
本当に「なんかAtemから映像がPCに飛ばない」とかあるんですよ。一度家で同じ構成でテストをして、USBの口とかも同じ状況にしているはずなのになんかうまくいかない…とか。お金をもらって配信しているので、配信先も有償の配信の場合が多いです。今ではだいぶ心臓も強くなりましたが、はじめは無事終わるかどうか、毎回そわそわしていました。そして心臓はつよくなったものの、毎回終わるとぐったりするくらい今でも精神は使います。
いろいろ整理する力も多少は鍛えることができました。
ライブ配信なので、一度始まってしまうとやり直しはできません。カメラの位置、マイクの位置。微調整はできますが、大きな配置転換はできません。私はクラシックの配信をさせていただくことが多かったので、PAは自分で行う必要があります。生楽器のダイナミクスすごいんですよね。会場のMCマイクもないことが多いので、そういった調整をしながら、「このカメラを今殺して、画角の調整をしてからもとに生かして…」、などなど。ライブ配信なので「やっちゃった」が許されない環境少しは鍛えることができたのではないでしょうか。
沢山の場所に行きました。
クラシックの配信ですと、個人のお宅にいって配信させていだたくことも多いです。「すげーいろんな世界があるんだなぁ」と驚いてばかりでした。
色々な人にも会うことができました。
LINEやメールでやり取りをして「初めまして」という機会が多かったです。なかなか普段の仕事ではこう言ったことがないので新鮮でした。そしてありがたいことにまた紹介していただいたり。この人とこの人は知り合いなのかーとか、そういったことも良くありました。ほとんど在宅ワークだったので生身の人間と会話する機会になりありがたかったです。また、そんなに対人コミュニケーションが得意ではない自分を使っていただき感謝です。
もし縁があった方がこの文章を読んでくださっていたなら、重ねて感謝です。
生演奏を目の前で見ることができるのも良いです。
準備中や本番が始まってしまうとそれどころではないのですが、少しひと段落したときに耳にする生音はいいものです。
リストさんの『ラ・カンパネラ』は、曲としては大好きなのですが、初めて目の前で演奏しているのを見た時は「この曲を演奏するにはこんなに指動かさなきゃいけないの…?」と目を丸くしたものです。今でも毎回目は丸くなります。
ただ、続けているとジレンマも大きくなってきます。
「個人で、隙間でやっている」という言い訳がすべてなのですが、例えばカメラも同じもので揃えたいですし、もっとこういった機材があれば…というのもあるのですが、個人で持ち運ぶキャパもオーバーだったりします。今でも65Lのスーツケースを転がしながら、35Lの登山用リュックいそれぞれぱんぱんに詰めて移動しています。
また、予算についてもSONYの民生用のFDR-AX700を4台とかそろえれば画質も良く取れるのはわかるのですが、このために80万円とかは出せない懐事情です。また、スタッフも1人でやっている以上、ちょっと手が回らないですね。
そういったジレンマも抱えてはいますが、もともと始めたコンセプトが「配信したいけどできない人に向けた低価格でそこそこの配信」なので、まぁこんなものかな、とも勝手に思っていたりもします。
2023年は疲れすぎず、またちょこちょことどこかの会場でお世話になれたらと思います。
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