見出し画像

特別じゃない特別な私

「…それまで私は自分がどこか特別な人間のように思っていた。…でも、そうじゃないんだってその時気づいた。
私が世界で一番楽しいと思っているクラスの出来事も、こんなの日本のどの学校でもありふれたものでしかないんだ。日本全国のすべての人間から見たら、普通の出来事でしかない。…そう気づいたとき、私は急に私の周りの世界が色褪せたみたいに感じた。
夜歯を磨いて寝るのも、朝起きて朝ご飯を食べるのも、どこにでもある、みんながみんなやっている普通の日常なんだと思うと、途端に何もかもがつまらなくなった。そして、世の中にこれだけの人がいたら、その中にはちっとも普通じゃなくて面白い人生を送っている人もいるんだ。そうに違いないと思ったの。それが私じゃないのは何故?…」

『涼宮ハルヒの憂鬱』で、ハルヒが非日常を探し始めたきっかけを話すシーン。
似たような経験が私にもあって、10歳の誕生日に窓を眺めていたけどフクロウは飛んではこなかった。どこかで私もハリーポッターみたいに特別な少年になれるんじゃないかと期待していたけど、現実の私は、どこにでもいるいたって普通な人間なんだって思い知った。

非日常を夢見ながら日常に溶けていって気付いたら大人になっていくんだと思うんだけど、私はずっと考えていた。
平凡な自分がこの世界にいる理由ってなんだろう?

今、私にはやりたいことがあって、やりたいと思うためのきっかけの出来事や、達成するために必要な人たちとの出会い、そのすべては偶然…?

どの出来事も出会いも順番や時期がズレたら意味がなかったと思う。
今この瞬間に出会って、出来事があったから、今があって未来があるのだと思うと、偶然じゃなくて必然じゃないかなって。

そう思うと私にもみんなにも、果たすべき役割があるはず。それは誰にも代われない、特別な存在なのではないかな?
結論として人は誰しも自分の人生の中で自分は代理がいない特別な人なのではないかな。例え魔法使いでなくったって、自分にしかできないことがあるんだから。

自分の人生の中で自分が特別なのは当たり前として、誰かの人生の中で自分が特別な存在になれたのだとしたら、それはとても尊いし特別だなって思う。