BRAIN 番外編 「乙式と魔法」①
突然ですが、僕の名前は乙神光太郎。
どこにでもいる、冴えない男です。
これからみなさんが目にするのは、
冴えない僕の冴えない日常です。
まぁ、見ても面白いかは分かりませんし、一般の方からしたら、ショッキングかも。
まぁ…………ね?
よろしくお願い致します。
じゃあ、作者さん。後はお願い致しますね。
ネオンが輝く街。
飲み屋街を気怠そうに歩く、一人の男がいた。
ギュルルルルルルル
光太郎「はぁ……お腹すいたなぁ。」
男は腹を抑えながら路地裏のゴミ箱を漁り始めた。
光太郎「最近の新宿は、食料が多いな。」
その男は漁った中にある食料を、空っぽの胃の中に詰め込み始める。
光太郎「んもぐもぐむしゃむしゃ……ゴクッ……んーーーなかなかどうして。最近のハンバーガーは美味いな。特にこの、ビネガーソースが…ムシャムシャモグモグ。」
男が残飯を口いっぱいに頬張っていると……
酔っ払い「おいおい……社会のゴミがいるぞぉ〜〜!?なんだこいつ!全身真っ黒タイツかよ!」
酔っ払いのサラリーマンが近付いてきた。
光太郎「うっわ。ピクルス。ピクルスの酸味は僕、苦手なんですよ。まぁ食べるけどさ。モグモグムシャムシャ」
男、いや、光太郎は酔っ払いを無視しながら、ゴミ箱を漁り、残飯を頬張り続ける。
酔っ払い「おいってめぇ!無視してんじゃねぇ!!」
バコン!!
酔っ払いは光太郎の頭を、持っていたカバンで勢いよく叩き倒す。
光太郎はよろけ倒れた。
光太郎「ぁ〜うっま〜うっま〜うっまいな〜ハンバーガーうっまいな〜。でもやっぱ肉汁が少ないね〜そりゃそうだよな〜。残りもんだしな〜。」
光太郎は倒れながら、永遠に咀嚼をしている。
酔っ払い「なんじゃこいつ……気色悪っ……おかげで酔いが冷めたわ!!ちっ。」
酔っ払いが光太郎の側から離れようとした。
その時。
光太郎「あ〜あ〜あ〜あ〜今気づいた。ごめんよおじさん。」
光太郎が起き上がる。
酔っ払い「なんじゃお前!気色悪いんじゃ……!こっちくんな!ゴミが!!」
光太郎「あ〜ごめんなさいね。あまりに美味しくて。
でもなんかな〜。まだまだ物足りないんですよね。
おじさん、なんか食べ物持ってませんか?あ。奢ってくれるのでも、僕は構いません。」
酔っ払い「ぁあ……!?」
サラリーマンは光太郎の余りの図々しさに、腹を立てたのか。
光太郎に近づき始める。
酔っ払い「誰がてめぇなんかに!?てめえみたいなやつはなぁ!ドブネズミと一緒の飯を食ってるのが一番ええんじゃ!!」
と。怒鳴るサラリーマン。
光太郎「そっか。そうだよね。」
光太郎「じゃあ、おじさんを頂きます。」
酔っ払い「なんだ!?喧嘩すんのか!?いいぜ!来いよ!俺は空手黒帯だぞ〜!?」
サラリーマンが肩を回しながら近寄る。
酔っ払い「ほらこれでもくらえ!!!!」
サラリーマンが光太郎目掛けて回し蹴りをしようとした。
ズバッ!!!!
酔っ払い「ぁぁあ!あっあっあっ!!!」
瞬間、サラリーマンの足が消し飛んだ。
酔っ払い「ァァ痛いぁァァァぁぁぁあ!!!!!!」
光太郎「はははははは。おじさんのお肉はあんまり期待できないかもなぁ……?」
光太郎「乙式術 影影」
光太郎の体から無数の影の手が生える。
光太郎「効果付与。黒胡椒。ん〜それにマスタード×5050。醤油は…通常で行くわ〜。」
酔っ払い「嫌だ!嫌だ!!!!死にたくない!!!」
酔っ払いは、血まみれの足をかばいながら表通りに出ようとする。
光太郎「胃多誰帰魔助」
酔っ払いの体を、光太郎の体から生えでた無数の手が覆い尽くしていく。
ァァァァァァァァァァァ!!!!
覆われた黒い球体が、光太郎の体に入っていく。
バキッゴクッムシャッグチャッ!
光太郎「う〜お腹いっぱいだなぁ。流石に。
あんま栄養よくないかな〜。酒入ってるみたいだし。ん〜どうだろう。
まぁいっぱい食べて、いっぱい育ってくれよな。
るにゃ、しん、ひっぴー、さあや。」
光太郎は、そう言うと表通りへと歩き始めた。
BRAIN番外編 「乙式と魔法」① 続く。
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