BRAIN 「乙式と魔法」 ➂産声

光太郎「カゲカゲカゲカゲカゲカゲカゲカゲカゲカゲカゲカゲ!!!!」

光太郎は最後の力を、最強の力を左右の拳でてつしに繰り出す。

 てつし「ぁっ!ぐあっあっがっ!」

てつしはもろに全ての攻撃を受ける。

てつし「ガハッ…!こんなもの意味がないのだ…影!貴様の怒りは俺が全て斬り裂く…!」

てつしは真の力を解放した刀を構える。

てつし「今からお前を全て斬り裂く。覚悟しろ。」

光太郎「ははっ。だから俺は斬れねえ。」

てつし「名前はそうだな………影斬」

てつしの刀が烏の形になる。

見えない速さでてつしが刀を振りさばき始めた。

だが、全くと言っていいほど光太郎の体を斬り裂く刀に、斬り裂く感覚が感じられないてつし。

 光太郎 「だから斬れねえんだよ!!!って……!?」

てつしがニヤリと笑う。

てつし「これならどうだ?」

てつしが刀を鞘に収めた。

 てつし「詠唱。太陽の歌。」

 光太郎「ぁぁあ!くそっ……!魔法かよ……!」

てつし「逝け!!!」

てつしの真上に太陽が現れる。

 光太郎「はっ。太陽?意味がねえのが分かんねえのか…?」

てつし「それはどうであろうか?」

太陽が消える。そして

光太郎「!?」

空が、風景が、全てが光に包まれる。


 てつし「魔法を酷く恐れ、酷く憎み、そんなお前にはこれで一瞬だ。影は消える……!」


ァァァァァァァァァァァァァァァァァァアマア!!!!!!

光太郎の断末魔が街に響き渡る。



魔法。そんなものがなければ。そんなものが。

全て魔法のせいだ。俺の全てを奪った。

 憎い。

影を背負ったのは、お前らのせいだろ?

 忘れるな。魔法の恐ろしさを。

 忘れるな。乙式の凄さを。

 己の手で作り出した乙式を。

 BRAINへと運ぶために。

 そして継いでいけ。受け継げ。影よ。



 光太郎「元気に育ってけ〜我が子よ……!」

光太郎は体を仰け反らせる。


 てつし「……!?なんだ!?何故だ!?」

 光太郎「危ねえタイミングだったな〜侍。まぁでも俺は消えちまうよ。残念だ。

 まぁでもまたまた残念。我が同胞が産声を上げる。」


光太郎の体から、4つの光が出てくる。

てつし「くっ。既に始まっていたのか……それにしても早すぎる……!」

てつしが再び刀を構えた。

 飛んだ。 4つの光を目掛けて。

 てつし「分かっている。だが、貴様の力は危険すぎる。魔法を憎むな。乙神……!」

 光太郎「ァァっ!ァァァァァァァァァァァァァァァァァァ我が子達ヨォオオオげんきにソダテエエエエエ!!!ソシテ!ソシテ!BRAINヘト……!!!」

光太郎の体が爆発した。

てつし「っ…!?間に合わんか……!?」

 あと一瞬の所で、4つの光は何処かへ飛んでいった。

 てつしは空中から、歌舞伎町の地面に足をついた。

 てつしは耳に右手を当てる。

 てつし「こちら、六波羅隊。はい。すみません。目標討滅失敗してしまいました。そして、産み落としも完了させてしまいました。」


???「うん。しょうがないよ。気にする必要は無い。どのみち影を滅殺する事に変わりは無い。」

てつし「はい。すみません。」

???「はぁ……しょうがないなぁ。やるしかないか。魔法と乙式の決着だ。まあ、逆にいいかも。僕の手でグッチャグチャのボロボロにできる。むしろありがとう。じゃあ行こうか。てつし。戻っておいで。現代に。」

てつし「はい。仰せの通りに。

メルタ様。」


BRAIN 本編へ続く。


 

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