BRAIN 「無数の世界の冷たい情熱。錆びついた床」

はいてー「とりあえず、くっかを奪いに来たらしいが我らを舐め過ぎじゃ。」

 ヤムヤム「本当に舐められたもんだ。奈落の名前が廃る。」

 レイ「ほう?なるほど。相当な自信をお持ちで。」

 パンダ「ねえねえこいつらヤッていいんでしょ????」

 レイ「ぁあ。勿論。一般人に潰される屈辱を味わうといいさ。」

 パンダ「じゃあまずは、そこの女の子っ!」

 パンダは構え、両の手を広げ地を強く蹴り、りほを目掛け飛ぶ。

 はいてー「まずい、りほはまだ万全ではないぞ!ヤムヤム!ここは私がやる!お前はマンマ、くっか、りほを最優先だ!」

 ヤムヤム「承知!」

 パンダの前にはいてーが入る。

 パンダ「えっ。ババアには興味ないよ僕!」

 はいてー「あ?だれが、ババアだって?」

 パンダの両拳は、はいてーの眼前。

 はいてーは瞬時に印を結んだ。

 はいてー「乙式術…黒蟻!!」

 パンダの両拳がクリティカルヒットしたかと思えた。

 パンダ「うわ!!!」

 確かに、はいてーを射止めたと思ったパンダ。

パンダは床に転げる。

 はいてー「だから言ったろ。舐めんなよ…」

 レイ「ほう?蟲使いか。自分の体を蟻に変えたと見た。」

 はいてーはレイの言葉に笑みを浮かべ、右足を高く上げた。

 足の先にはパンダが倒れている。

 はいてー「乙式術。 黒蠍。」

 はいてーの高く上げた足が黒くなっていく。

 はいてー「喰らえ。」

 はいてーの足が勢いよくパンダに突き刺さろうとした。

 レイ「神越。盈盈神威。」

  レイが瞬時にそう呟いた瞬間。

 パンダの体が大きくなっていく。

 はいてー「なっ!?」

 パンダがはいてーを睨む。

その顔付きは人の面をしていなかった。

 パンダ「ガルァァァア!!!!」

 レイ「腸抉れよ。パンダ。」

 はいてー「っ!どこが一般人なんだよ…!!」
 はいてーは素早く落とした足を左に回転させ、重心を変えた。

 レイ「獣越。爪牙九十九。」

  パンダの上半身が大きくなり下半身だけが細くなる。

 そして爪と牙が伸びる。

  はいてー「気色わりい超人かよ…!!!」

 重心を変えた足に任せるように、はいてーは体を後ろに倒した。

 はいてー「乙式術…!黒蠍頭突膽!」

 はいてーは体を仰向けに曲げながら手を付き足を上げる。

 パンダ「コロス!!!!」

 異形の獣になったパンダの体がはいてー目掛けて攻撃を開始する。

 はいてー「ビンゴ…!」

 はいてーは足に力を入れ床を蹴り、勢いよく体を起こす。

 ドガァン!!!

 パンダとはいてーの頭がぶつかり合う。

 パンダ「ァァァァァア!!!」

 はいてー「おいおい硬いし力どうなってんだっ!」
 はいてーが押し負けた。

 後ろに吹き飛ぶ。

 パンダ「ガァァァァァア!!!」

 レイ「咆越 神叫」
 
 パンダの口が大きく開く。

 赤黒いエネルギーのような光がパンダの口に集まる。

 はいてー「ぁあ!もう!面倒くせえ!!!くっか!貸し一つな!!!」
 
くっか「うっせえ。クソ野郎。」

 はいてー「可愛くねえなぁ!!」

 はいてーは笑みを浮かべながら目を瞑る。

 はいてー「おい、イカレ兄弟。一つ教えろ。お前らはそこの眼帯を連れて何をする気だ。」

 レイ「ふっ。知ってるか?世界は一つではない。
 結論から言えば。

 俺たちは帰りたいだけだ。

 本当の世界に。」

 はいてー「何?アニメの見過ぎか?」

 レイ「信じるも信じないも全てお前自身。
 
 知ってるか?この世界とは別に、15の世界があることを。」


 ヤムヤム「おいおい、何いってんだコイツラ!」

 レイ「BRAINはこの世界に有るべき物ではない。それを俺ら二人で還す。そして俺らも帰る。簡単だ。そして、世界間の移動。その時渡りが必要ということ。」

 レイ「お前ら含めここの世界は偽物なんだよ。普通じゃない。」

 はいてー「おいおい……」

レイ「そろそろいいか?」

 はいてー「妄想野郎が。」

 レイ「パンダ、叫べ!」

 パンダ「ゥァァァァガァァァア!!!!」


 パンダの口に溜まったエネルギーが牙をなぞりながら放たれる。

はいてーが目を開く。

 はいてー「阿闍蠍!!!!」

 
はいてーの体を無数の黒い蠍が覆う。

 とてつもない爆音と爆風で小屋が吹っ飛びそうになる。

 はいてーの体を覆う蠍が剥がれていく。

 はいてー「やべえ……!やべえよ!!」

 とてつもない威力。
 術使いといえども、所詮人間。

 蠍を剥がされながら後ろに押される。

 はいてーは死を覚悟した。

 この私が… 死ぬかもしれない……

はいてーは術の強度を高める。

 だが、同じ速さで剥がされていく。

 「しょうがねえな。」

 はいてーの脳内に何かが語りかけた。

 「硬くなりすぎなんだよ。イメージを繰り返せ。何が欲しい?何故奈落なんだ?何故?負けを認めたらそれまでじゃねえの?」

 はいてー(ふっ。意識は戻ってたか。)

 「失う事だけを教えていけ。世界に。迷うな。」

 はいてー「まじで死ぬかと思った。貰うぜ。」

はいてーは蠍を解除した。

 そして、指を鳴らす。

 パチンッ

 時が止まった。

 はいてー「これが…BRAIN。」

 

 パンダ、レイ。その他面々は固まっている。

 はいてー「なるほどね。時が止まるというより…………面白い力だ…。」

 はいてーは先程まで、とてつもない轟音を鳴らしていた小屋の中を、パンダに向かい歩き始める。

 はいてー「悪いな。」

 はいてーは腰に付いている拳銃を抜く。

 はいてー「こんな楽に……笑っちまうよ。」

 はいてーは指を鳴らすと同時に、引き金を引く。

 パァンッ!!!!

パンダ「グァッ!!!!」

パンダが床に倒れる。

 レイ「なっ…!パンダ???」

 レイは床を見つめる。

 そしてはいてーを睨む。

 レイ「……ってる……本当に……腐ってる…」

 はいてー「あ?小せえよ声。自己防衛したまでだ。
 先に攻撃を仕掛けてきたのはお前らだ。」

 レイ「駄目だ!!この世界は腐ってる!!!やはりBRAINはここにあるべきじゃないんだ!!!腐ってる腐ってる!腐ってるんだ!!!!」

 レイの体が光を集め始める。

  レイ「パンダ………」

 倒れ込んだパンダば血溜まりの上に倒れ込んだまま。

 レイ「もう何がしたいんだ俺。二人一緒じゃなきゃ……」

 レイ「今、生き返らしてあげるね。パンダ。」

 はいてー「はっ。何をする気だ。」

 レイ「脳神RIMA。トランス。」
 


 次回 

 
「脳神RIMA VS 脳神黒蠍」へ続く



 

 

 



  

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