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190825 稽古場リサーチ、ふりかえり、クラフトビール

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村川拓也さんの新作公演。その仕込みは6月ごろから始まっていました。過去の日記を、公開してもいいかなと思うものを、これからちょくちょく公開していこうかと思います。
今回は8月25日のものを。(2020/1/7更新)

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午前、稽古場リサーチ。今日お話を伺うNさんと、仲介してくださっているTさんと合流。

いつものように、村川さんが主導し、ライフヒストリーをひとつひとつ伺っていく。
なぜ介護の仕事を始めたのか、出身はどこか、今の職につくまでの経緯、などなど。

今日のNさんは、これまで話を伺った方達とは少し違う背景を持っている。
日本で働く介護労働者の多くは、フィリピンやネパール、インドネシアなどからきていることが多い。今回のNさんは、どちらかというとそれよりも日本人に近い風貌をしている。がゆえに、日本人として振る舞おうとするし、周りも日本人としての理解を促そうとする。そのことがきっかけとなり、実際の介護現場で起こる出来事について、教えてもらう。
話を聞けば聞くほど、つくづく、外国人介護労働の現場は、ディスコミュニケーションをどう乗り越えるかの連続なのだと感じる。

いつもは、インタビューのあと、実際に介護労働をしている様子を再現してもらうということをするのだが、あえなく次の予定で私は立ち会うことができない。

夜、村川さんと再び合流し、今日の感触を伺う。
今日はもうひとり、以前話を伺っていたJさんにもう一度稽古場にきてもらうということもしていた(が、それにも立ち会えず)。

リサーチを重ねるなかで、いろいろな印象的な出来事があった。
語られた話が魅力的だった人のこと。
その人が実際に稽古場で動くと見えてくるものがあること。
逆に、稽古場で動いてもらうことから、その人のストーリーが見えにくい場合、そのことを考えたらよいのかということ。
見せてもらった順序によって、印象が異なってくること。
村川さんの前作(ツァイトゲーバー)と今回のリサーチ先では、障害の状況が異なるため、舞台上でどのように実際に実演することができるかということ。
何度目かのクラフトビールを流し込みながら、いろんな話をする。

なんとなく、村川さんにとって、今日が重要な1日だったのがわかる。


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■公演情報
村川拓也「タイトル未定(新作公演)」
2020年2月22日(土)〜24日(月祝)
パピオビールーム大練習室(福岡)
演出:村川拓也
ドラマトゥルク:長津結一郎
出演:ジェッサ・ジョイ・アルセナス

ある人の、仕事場での動き方や、そこで発せられる声や言葉から見える「現実」を手がかりに、舞台を使った作品を立ち上げる、京都を拠点に活動する演出家、村川拓也。福岡で介護福祉に関わる30名へのリサーチで彼が着目したのは、高齢者福祉施設でヘルパーとして働く、外国から来た労働者だった。異なる年代、経験、国——家族とも友人とも異なる「ケアをする/される」関係からにじみ出るコミュニケーションを、まったく新しい角度から描き出す新作。

チケット発売中。詳細はこちらから


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