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200221 明日から本番

きのうときょうは、ずっと会場であるパピオビールーム大練習室に通っている。わたしはほかの人と違って何の役割もないので、ぼんやり見ているだけで過ごしていたのだが、段取りのリハで呼ばれて以降、ちょこちょこ段取りを確認する要員になって舞台にあがったりして、緊張感がある。きょうは記録写真の撮影も入っていただいた(これも重要なアーカイブ)。

そして特にきのうからは、新型コロナウイルス関連でさまざまな報道、SNSなどでいろいろな声を聞いた。福岡市内では、地下鉄内で咳き込んだ人がいて、非常ボタンが押されたなどという報道も聞く(どの程度の咳かは報道されていないが)。
キビるフェスは、主催団体である市や福岡市文化芸術振興財団の判断により、十分な対策をしながら、公演を実施することになった。明日は私もマスクをして過ごすことになる。

村川さんとジェッサさん、それに照明の森脇さんとのやりとりで、舞台の細部がどんどんと鮮やかになっていくのを感じる。とくに村川さんとジェッサさんのやりとりを聞いていると、小道具の動かし方ひとつとっても、セリフひとつとっても、どちらかが一方的に指示するだけではうまくいかない、関係性の上に成り立っている現場になっているのを強く感じる。
そして、全体の流れを見ていると、次第に『Pamilya(パミリヤ)』(タガログ語で「家族」)という作品になっていき、そのように見えてくるようになってきた、初めからそうだったかのようになってきた、と思う。

明日は本番。日・月は残席が少なくなってきています。土曜日である明日初日は、まだ残席あります。他のイベントが中止になったから、と来てくださる方もいるかもしれません。それぞれ体調には気をつけつつ、時間を過ごせればと思います。

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■公演情報
村川拓也「Pamilya(パミリヤ)」
2020年2月22日(土)〜24日(月祝)
パピオビールーム大練習室(福岡)
演出:村川拓也
ドラマトゥルク:長津結一郎
出演:ジェッサ・ジョイ・アルセナス

介護の現場を舞台に
そこに現れる、もうひとつの「家族」

ある「現実」を手がかりに舞台作品を立ち上げる、京都を拠点に活動する演出家、村川拓也。今回の作品制作にあたり村川は、福岡で介護福祉に関わる30名へのリサーチを行った。そこで出会ったのが、ある特別養護老人ホームで介護士として働く、フィリピンから来た外国からの介護福祉士候補生だった。
介護福祉施設の日常には、言語を通じた親密なやりとりと、身体同士の接触が入り混じる。その空間に目を凝らすことで、普段は気に留めることのない、しかしいまこの瞬間もどこかで毎日続いているかもしれないコミュニケーションに気づく。
今回の作品では、その介護士である女性が実際に出演し、彼女が働く福祉施設の日常が淡々と舞台上で再現される。その時間感覚に直面することで観客は、自分に近しい身内の人々や、もしかしたらあり得るかもしれない自らの姿に思いをめぐらせるだろう。
「Pamilya(パミリヤ)」はタガログ語で「家族」を意味する。フィリピンでは介護は家族が担うものという価値観があるが、そのスタンスは日本の状況とどのような差異を生み出すのか。異なる年代、経験、国、言語――家族とも友人とも異なる「ケアをする/される」関係。フィリピンからやって来た介護士と、介護を受ける日本人の間で、もうひとつの「家族」の物語が始まる。

演  出:村川拓也
ドラマトゥルク:長津結一郎
出  演:ジェッサ・ジョイ・アルセナス

公演日時:2020年2月22日(土)19:00
     2020年2月23日(日) 19:00
     2020年2月24日(月祝) 14:00
会  場:パピオビールーム大練習室

チケット発売中。詳細はこちらへ。

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