見出し画像

Talking about Trombone #6 Bob Brookmeyer

今回も世界の色々なトロンボーンプレイヤーを紹介したいと思います。
今回はジャズでも珍しいピストン式のバルブトロンボーン使いの名手でもあり、ビッグバンドの歴史を語る上でも欠かすことのできない偉大なアレンジャーでもあるBob Brookmeyerを取り上げたいと思います。

Bob Brookmeyer

画像1

もともとはビッグバンドでピアノを弾いていたようですが、クロード・ソーンヒル楽団への入団を機にトロンボーンに専念するようになります。
Stan GetzGerry MulliganClark Terryなどと共演、優れた名盤を残していますが、特筆すべきはその後半のキャリアかと思います。
Thad Jones/Mel Lewis Orchestra時代には数々の優れたアレンジを残し、Maria Schneiderの師であったことからも明らかなようにコンテンポラリーなビッグバンドサウンドの祖と言っていい重要な作編曲家だと言えます。

ビッグバンドでの名盤の数々も必聴ですが、今回はソロプレイヤーとしてのブルックマイヤーにスポットライトを当てたいと思います。


このように初期のソロはオーソドックスな音使いでソロを紡いでいるのが分かります。
一方キャリアの後半の演奏ではそのハーモニー感覚とソロラインは複雑に発展します。

ヴァルブトロンボーンの構造上の利点でもありますが、輪郭がぼやけやすいトロンボーンの音域と音色でこれだけ複雑なラインを描けるのは驚異的で、かつビッグバンドの諸作品でも見られるような高度なモチーフの展開とそのヴァリエーションは実に芸術的です。

また高度に複雑化された中にも必ず現れる美しいメロディラインはブルックマイヤーの真骨頂と言えるでしょう。

オススメの一枚

ジャズギターの名手Jim Hallとのデュオ編成でのライブ録音。
ブルックマイヤーの複雑なラインとその間を縫うように並走するジムホールのプレイはデュオ編成ながらなんともスリリングであり、また同時に二人の紡ぐメロディラインには音楽の美しさそのものを感じます。

高度な音楽性と芸術性を併せ持つ稀有なトロンボニストBob Brookmeyerでした。
次回も世界の色々なトロンボニストを紹介したいと思います。


よろしればサポートお願いします。普段のアーティスト活動資金とさせて頂き、そこで得た知識経験をまたこちらに還元したいと思います。