大川小事故検証委員会の「設置要綱」とは一体、何か

「法律上・行政上のことは所掌にしない」と書いている。
分かりやすく言えば、大川小惨事が起きた原因関係者の調査は行わない。
事故検証委員会は平成25年(2013年)3月スタート。
前川文科省官房長が主導。遺族たちに要綱設置を伏せた。県教委、亀山市長同意。
遺族設明会は「なぜ、大川小だけ74児童が犠牲になったのか」と荒れた。
平成26年(2014年)3月10日、23児童19遺族が仙台地裁に賠償訴訟
2019年(令和元年)10月10日、 最高裁は石巻市、宮城県の上告棄却。
仙台高裁は平成28年(2016年)4月26日、宮城県沖地震の備えた対策を講じていない。学校として組織的な怠慢がある。14億3,600万円の賠償を命じた。
村井宮城県知事は『最高裁判例』を理由に「県には責任がない。学校設置者の石巻市に支払いの責任がある。延滞遅延金、弁護士費用など20億5,600万円を立て替え払いする」と石巻市に提案。市は市議会で15票対14票の1票差で了承して一先ず決着する形になった。


それでは『最高裁判例』とは何か。「ジャーナリスト 相澤雄一郎」は別稿で書いている。大川小校長だった柏葉照幸という教員はどのような人物だったのか。俸給は県が負担するのはいいが、『最高裁判例』は福島県郡山市の中学校教員の体罰訴訟に絡む50万円の判決である。
大川小惨事は日本で最大のマグニチュード9・0といいう巨大地震。岩手県釜石市ではすぐ学校から逃げたが、大川小のように74人も亡くなった学校は1校もない。石巻市には43校の小学校がある。学校管理下の校庭に50分もいて74人も津波で亡くなった。大川小事故検証委員会は「設置要綱」に「法律上、行政上の責任は問わない」とあるが、それはどういうことか。別稿でも書いているが、大川小惨事に『最高裁判例』は適合するのか。
石巻市民の知人が次のような文書を亀山紘石巻市長に提出している。
「村井宮城県知事は遺族側に賠償金約20億5,600万円を支払い、石巻市は宮城県に分割返済することにした。事故検証委員会で「法的責任、行政上の責任は問わない、文科省と県教委が指導監視する」という設置要綱を策定したが、文科省前川官房長が主導し亀山市長も同意している。仙台高裁判決は柏葉校長らの学校管理者の責任を厳しく言及している。県教委の使用者(任命)責任はすこぶる重い。柏葉校長という異形の変質的人物の異常性を県教委、市教委に告げもせず第2種辺地校なら「大過あるまい」と赴任させたが、これが大川小惨事の原因になった。知人は「最高裁判例」を再検討することを望む、としている。私は事故検証委員会の設置要綱に「法律上、行政上の責任は問わない」としたのは、「柏葉校長の教員歴を追及すれば多様な事実が出て来ることを隠してしまったのだ」と見る。その結果、石巻市は賠償金20億円を超す負債を抱えされた。市民の中から「最高裁判例を使った村井方式は法律上で間違っている。仙台高裁は県と市に責任があると判決している。法律上、明確にしなければ石巻市民は理由もないまま20億円の借金を抱えされた。それでいいのか」という声が私にも寄せられた。いずれにしても『最高裁判例』持ち出した村井方式は見直す時が来るだろう。亀山市長の3期目の任期は2021年4月。6カ月間、月給50%削減して2億円ずつ10年間、県に返済する。市財政は危機的状況に入っていく。市議会から亀山市政に批判が出てきた。
20億円は石巻市民が背負われてしまった借金である。仙台高裁判決は石巻市、宮城県が予測された宮城県沖地震に備えた事前対策を怠っていたと『バットの森』を避難場所にしている。市民の中から「石巻市に立て替え払いするという村井知事の提案に訴訟提起すべきだ」という意見もある。
石巻市議会2月定例会最終日の3月17日、本会議で2020年度一般会計当初予算に3議員から修正動議が出された。石野駅前歩道者デッキにエレベーター2基設置する設計業務委託費2,200万円を削除するという内容。2基は市立病院前、市役所前に建設するもので設置費3億4,910万円、維持管理費256万円。動議は市民の利用者が少ないので予算削減したい。亀山市長派議員は「バリアフリー社会実現に必要」と一時紛糾したが13対12の1票差で可決した。復興関連予算があったのでエレベーター建設をしようとしたものだが、これまでの亀山市政下では見られない市長批判の市議会運営だった。
石巻市財政は市立病院が10億円を超す多額の赤字経営で、大川小賠償金20億円を県から立て替え払いしてもらうなどは、石巻市議会の監視役としての責任が問われる。
3月19日、県議会大震災復興調査特別調査委員会(佐々木喜蔵委員長ら15人)は県内調査で石巻市役所を訪れ、東日本大震災から10年目の復興の現状と課題について市から説明を受けたほか市議会と意見交換した。市議会からは木村議長らが出席したが、高橋憲悦議員は大川小賠償金20億円を県が立て替え払いについて再検討してほしいという要望を伝えた。
最高裁上告棄却後、令和元年10月17日に宮城県議全員協議会開催して村井知事は『最高裁判例』理由に賠償金20億5,600万円を学校設置者の石巻市に「立て替え払いする」ことを説明した。自民党会派代表の佐々木喜蔵議員は「遺族が国家賠償請求訴訟を提起するまで県にも責任がある。議会を開催して協議すべき」と意見を述べた.他会派でも「立て替え払い」について発言したが、村井知事は「県には責任はない」と強行した。石巻市の顧問弁護士も村井知事の『最高裁判例』を支持した。
新型コロモウイルス問題で日本ばかりでなく米国、中国、ロシア、英国、ヨーロッパなどはこの先どうなっていくのか。

この大川小惨事の国家賠償請求訴訟は今後も尾を引くだろう。東日本大震災は来年の2021年が「発生満10年」になる。

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