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今更ながらのライナーノーツ③

ヘッダーのジャケット画像も毎回微妙に位置を変えているでお馴染みのわたくしです。

10年前に発売したアルバム「Heartful」の全曲解説を今更やってみようということで、12曲を3曲ずつ、4回に分けてお送りしているライナーノーツも第3弾です。
10年前のCDを今だに擦り続けているんですね。愉快ですね。でも意外とご好評をいただいているみたいなので、今回も続きを書いていきます。

↑昔はWALKMAN派だったわたくしです。


Track-7「24/7」

実はこの動画、理由あって長らく非公開にしていたんですが、この記事公開をもって再度全体公開に戻します。よかったらご覧ください。

確か作ったのは2009年の元旦・・・だった気がする。家で年を越して、そのあと真夜中に路上に出て、路上で作った記憶があります。
なかなかこういう真っ直ぐなラブソングって僕は書かないんですよね。どうしても回りくどく表現することが多くて。
ただ、たまーにこういうストレートなものを作りたくなるんです。
タイトルの「24/7」は「twentyfour-seven」と読むんですが、「24時間、週7日」つまり「ずっとずっと」という意味のスラングで、同じタイトルで有名な曲もいくつか世に出てるんですが、
その言葉とか意味合いとか素敵だなってずっと思ってて、自分もいつかこのタイトルで曲が作れたらいいなというのは思っていたんです。本当に身の程を知らない時ですね。若いって怖いですね。
テーマとしては遠距離恋愛で、でも「ずっとずっと」という意味のタイトルで、ある種相反している部分もあると思うんですが、
「物理的に離れているからこそ、心はずっと一緒だと思っていたい」という真っ直ぐな想いが込められています。今でもこの歌詞を見るたびに「こんなの書けてたんだな・・・」と感じます。若いってスゴイですね。
サウンドは打ち込みなんですが生バンドのサウンドで、この歌の持つ「熱さ」というのが表現できればいいなと思って桑原さんと作っていきました。ちなみにこの曲、歴代の自分の曲の中でも結構キーが高い方なんですが、実は作った時はキーもこの音源より1音高くて、転調後とかちゃんと歌えたことの方が少ないくらいだったんです。
さすがに聞き苦しいということで今のキーに下げたんですが、それでも結構高いんですよね。
なのでライブでも相当喉の調子がいい時じゃないと歌いきれない気がします。10年以上前でそれだから、今だったら絶対無理だなこの曲・・・若いってスゴ(以下略)


Track-8「Interlude-STAR-」

前曲の「24/7」からそのまま繋がっていくピアノソロ。こういうのはライブでも昔からよくやってたのでそこまで苦労なく作った気がします。
「24/7」の最後はストリングスの伸びる音で終わってるんですが、三和音のうち一音だけ長めに伸びている音があって、それがこのインタールードの最初のコードを構成するルート音になってるわけですね。
なので違うキーになってるんですが違和感なく聴けるという、なんともマニアックなこだわりが入っています。
この次の曲が「星になったら」なので、星をイメージしてサウンドもシンプルに。
もちろん星空がイメージではあるんですが、プラネタリウムみたいな満天の星空ではなく、田舎などで見えるような空に点々と輝く星空をイメージして弾いてます。


Track-9「星になったら」

この曲が出来上がった経緯は絶対に忘れない。
2011年に発生した東日本大震災。そこで津波により母親を流されてしまった子どものエピソードがニュースで紹介されていて。
その子は毎晩星空を見上げながら、お父さんに「あの一番大きな星がママなんだよ」、「自分もいつか星になったらママのところにいくんだ」と語りかけていたそうです。
そのエピソードが自分の中に強烈に残っていて、この曲を作り始めました。
ただ、そのままで書くとあまりにも直接的すぎると思ったんですね。
自分は当事者ではないし、その子本人から話を聞いたわけでもない。ただニュースでその話を見ただけでその子の気持ちを代弁するような歌は作れないし、作るべきではないと思ったので、設定を恋人同士に変えたラブソングにしました。
あくまで曲の根幹にあるのは「大切な人を失った悲しみ」もあるけど、「いつかまた一緒になろうね」という、温もりと優しさに溢れたものにしたかった。
ただ「悲しい」「辛い」「さみしい」だけで終わらせたくなかった結果、こういう曲になったんです。
これはサウンドもピアノ1本のみ。アルバムの中でもアレンジがされていない弾き語りスタイルで収録されてるのはこの曲のみです。
だからこそこの曲の芯の部分がしっかり見えるはずだし、ここまでの8曲の流れからこの曲がここに置かれている意味はとても大きい気がします。
実はこの曲は出来た経緯も経緯だし、最初はCDに収録する予定ではなかったんですが、
この曲を愛してくれて音源化を望んでくれていた人達がとても多かったのと、これを収録してちゃんと曲が出来た背景を話していくことで、
この出来事を風化させないためのひとつを勝手ながら担えたらいいなという想いもあって、収録することにしました。
この曲が出来てから13年。このエピソードに登場する子どもは小学生だったと記憶していますが、低学年だったとしても今はもう成人してるんですね。
そう考えると長い年月が経ったようにも思えますが、これからも人前で歌うときはちゃんと紹介し続けるんだと思います。それは20年、30年経ってもきっと変わらない。


ということで、これで4分の3を紹介しました。次回残りの3曲をアップしたいと思います。
が、最後の3曲結構ヘビーだな・・・相当長くなる気がするので、更新は気長にお待ちください。ではまた。


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